HIP-HOP界の異端児といえるTohji。Mall Boyzというグループを結成し、1st EPでリリースした「Higher」はYouTubeで300万再生を超えヒット曲となった。Tohjiの独創性ある楽曲を聴いて衝撃を受けた人も少なくないだろう。
今回は、Tohjiの生い立ち、有名になったきっかけ、Mall Boyz、おすすめの曲について紹介していく。
Tohjiの生い立ち
Tohjiは1996年にイギリスのロンドンで生まれた。3歳ごろに東京へ住むことになり、横浜で育った。
中学は中高一貫校の麻布中学に進学。多くの東大生を輩出している名門校だ。Tohjiは中1の時に高2の先輩の影響でキングギドラや妄想族を聴き、音楽を好きになる。エミネム、SEEDA、カニエウェスト、Dragon AshなどのHIP-HOPも好きだが、THE BLUE HEARTSや宇多田ヒカルなども好きで、他ジャンルの音楽も聴いていた。
Tohjiは高校時代、素行が悪くて有名だった。ある時、Tohjiがいたグループで後輩に吐瀉物を煮込んだ鍋を飲ませるという事件を起こす。この事件がきっかけでTohjiは退学処分となってしまう。
高校退学後、家に引きこもり、本格的にラッパーとして楽曲制作を行うようになった。ラップがやりたいという想いが強かったわけではなかったが、他の音楽よりも簡単に始められそうだからという理由で選んだ。
また、楽曲制作の傍らアートにも関心を持ち、武蔵野美術大学に通い始めた。東京に一軒家を借りて、「ヤサ」と名付ける。「ヤサ」では、大学の友人と共同生活を送っており、いろいろな人との交流拠点になっている。
Tohjiが知名度を上げたのは「ラップスタア誕生!」
TohjiはAbemaTVの番組「ラップスタア誕生!」で知名度を上げた。「ラップスタア誕生!」は次世代のラッパー発掘番組。用意されたトラックに参加者自身が考えたリリックをのせてライブパフォーマンスをし、審査員が優勝者を決める。優勝賞金は300万というラッパーを始めるための軍資金が得られる。
Tohjiは2017年放送のシーズン1に参加し、美大生ラッパーとして紹介された。優勝はできなかったが、独特なキャラとリリックが評判となり、HIP-HOPのホープとして一躍有名になった。
Tohjiが属するMall Boyz(モールボーイズ)
Tohjiはgummyboy(グミボーイ)、stei(ステイ)、Sahashi(サハシ)と4人でMall Boyz(モールボーイズ)を結成する。ラッパーのgummyboyがシェアハウスに遊びに来たことがきっかけだ。
Mall Boyzの名前は、
・メンバー全員の出身が異なること
・Tohjiに地元(フッド)と呼べる場所がないこと
・全員ショッピングモールがルーツになっていること(小さいころから全員が行っているため)
が由来となっている。
gummyboy(グミボーイ)
ラッパー担当。Tohjiと同じ大学で、知り合いの紹介でシェアハウス「ヤサ」に行ったことで2人は出会った。Tohjiと最初に会った時、「刺されるのではないか」と感じるほど怖かったそうだが、音楽の話で意気投合し仲良くなる。
ラッパーになろうと全く思っていなかったが、ラップをすることが楽しくなったため”やる側”になった。
stei(ステイ)
DJ担当。Tohjiとは音楽の共有サービスSoundCloudで知り合う。TohjiをYouTubeで見つけ、音楽性に惹かれことにより、SoundCloudのDMでコンタクトを取るようになる。
Tohjiの考えている音楽を自分の力でよりいい形にしたいと考えて制作に関わることになった。
Sahashi(サハシ)
アートディレクター担当。EP「Mall Tape」のジャケットなどを手がけている。Tohjiとは昔から友好関係があった。
Tohjiの代表曲「Higher」の魅力
Tohjiの代表曲は「Higher」で、Mall BoyzのEP「Mall Tape」に収録されている。
独特なフロウが特徴的で、洋楽のような曲調の中に疾走感のあるラップが流れて心地いい。
また、注目したいのがリリックにある「成し遂げて死ぬ」だ。
HIP-HOPの根底には、成りあがって金持ちになりたいという精神があった。しかし、何かを成すために死も覚悟するという考えはこれまでになかった。HIP-HOP界に新しい風が吹き込まれたような曲となっている。
Tohjiのおすすめ曲
Tohjiのおすすめ曲は多くあるが、中でもTohjiの世界観あふれる曲を5曲紹介する。音楽だけでなく、MVも美大生ならではの芸術性ある作品もあるため、是非視聴してほしい。
HI-CHEW
プロペラ
Rodeo
Cool running feat. SEEDA
Oreo
国内だけにとどまらないTohji
Tohjiは現在国内のみではなく海外の活動も意識している。2020年の3月にはTohjiの生誕地であるロンドンでライブを行った。
Tohjiの音楽性は独創的で世界からも注目を浴びているほどだ。常に新しさを感じる曲を制作しているTohjiには是非今後もチェックしておきたい。