新型コロナウイルス騒動によって、ジャンルを問わずイベント・LIVEは軒並み中止や延期。バトルシーンもまた同様であった。
いくつかの戦極関連のイベントは中止、各地方でのUMB予選も延期を余儀なくされている。しかし自粛が解除されたあたりから、観客数調整に神経をすり減らしつつ、散発的にイベントは開催され始めている。戦極U-22リベンジや東西選抜、UMB GELLIRAなどが開催されており、詰め入るオーディエンスがいないソーシャルディスタンスを守った環境でのバトルが繰り広げられた。
そして9/5(火)、かなりビッグなイベントが開催されるに至った。
MRJ ALLSTAR EPISODE -2改-である。
「ミスター日本語ラップ」の意味を持つこの大会、今回も一線級のMCが集まった。
MRJ ALLSTAR EPISODE -2改-の参加MCとトーナメント表
トーナメント表は以下のとおりである。
🔥全メンバー公開🔥
9月5日(土) OPEN 16:00
MRJ ALLSTAR EPISODE-2改-
at 川崎CLUB CITTA'DVD単体販売も本日からスタート!
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→ https://t.co/e0aqHgqnyg※生配信チケットは9/1から料金が変更します
※現地観戦チケットは数量限定です pic.twitter.com/flGHcPfI6w— MRJ【公式】 (@MR_Japaneesrap) August 29, 2020
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ベテラン勢から00年代まで、バラエティ豊かな面々が揃った。
何となく左の山が煙たく全体的にthugいベテラン勢。右の山は新進気鋭の若手とユニークな個性派勢といったところか。
いつの大会もそうだが、今回もライム巧者、フロウ巧者、対話型、パンチライン製造マンがバランスよく参加。
非常に楽しみな面々だ。
MRJ ALLSTAR EPISODE -2改-の結果
今大会の結果は、以下のようになった。
<優勝 T-TANGG>
DOPEMAN、SIMON JAP、CIMA、がーどまんを倒して優勝。
今回のT-TANGGは明かに調子がよく、トップオブザヘッドのライムがいくつも決まっていた。
鬼のように強かった......
<準優勝 がーどまん>
ラッパー兼YouTuberの彼、バトルでははじめめからハンデを背負っているが大健闘。今大会、一番アンサーを返していたのは彼だったと思う。
何言っても返してくるし、ちょっと矛盾したら最後、息の根が止まるまで噛み付いていた。
<ベスト4>
ベスト4は百足とCIMA。
やたら勢いづいていたT-TANGG戦を除けば、CIMAは優勝してもおかしくなかった。
百足もものすごく上手かったが、がーどまんに論破されてしまった。
<結果総まとめ>
詳しい試合結果とハイライトは、以下のとおり。
1回戦1試合目
SIMON JAP-真ACE
S「真ACEってACEかい、お前かい」
A「だからなに?」
S「俺は名前変えない、タトゥー だって入れてる」
A「俺は黒い肌がタトゥー なんだよ」ジャンケンで勝ってSIMON先攻。
黒い肌の下りで落としたのは上手かった。#MRJ— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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1回戦2試合目
DOPEMAN-TvsTANGG○
T「真エース戻ってきた、お前止まる心電図」
D「プルルルル、はー! クッシュクッシュ!」
T「楽屋のムードメーカ、顔はウッドペッパー」
D「同じ同じ同じ同じ同じ同じ…」T-TANGG圧勝。
DOPEMAN独創的過ぎてカッコいい#MRJ— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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梵頭vsCIMA○
梵「型落ちCIMA 討伐開始」
C「気をつけて火をつけてティーチャー」
梵「クラシック? お前割れるクラシック」
C「小手先は通用せん、つける句読点」接戦。
梵の言い回しは渋かったし、韻もきれいだった。#MRJ— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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(お前割れるクラシック×→お前割れるプラスチック○)
1回戦試4合目
ふぁんくvs SKRYU○
ふ「焼肉いったな、一緒に」
S「あの時はありがとう」
ふ「コークスクリュー、俺ドープ過ぎるHoo」
S「ハイで乗らしてもろたしな」SKRYUの勝ち。
勢いを感じる。#MRJ— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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○百足vs Rabbit
R「俺は対抗馬、すぐ足の裏」
百「YESNO即答できなきゃ終了」(フロウかっこいい)
R「お前知らない、お前強いけど行ける」
百「知らんのに強いって意味わからないんだけど」両方ともラップがうま過ぎる。
百足の口喧嘩が強過ぎる。#MRJ— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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1回戦6試合目
○Fuma noKTRvs龍鬼
龍「お前にない褒めどころ、そこどけよ」
F「俺の新時代到来〜」
龍「ベストバウト生みまくりで踏みまくり」
F「(倍速フロウ)」クソカッコいい龍鬼のフロウは負けていなかった。#MRJ
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1回戦7試合目-訂正版-
Amateras vs Salvador Mani○
S「ラップサイファーキッズみたいなスキルw」
S「イロモノ、きのこと企画やっとけ」
A「イロモノだけど俺は俺、俺はAmatareas」
S「ダサイゆうまと一生セッションしとけ」サルヴァ、ゆうまとがーどまんに流れ弾を当てて勝つ。
— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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1回戦8試合目
がーどまんvs SKJ
が「このバトルだってミリオン達成」
S「俺は勝ち負けなんて気にしてない楽しみたい」
が「決める勝ち負けその先まで俺岸和田の神風」観客クラップハンズ、延長#MRJ
— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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1回戦8試合目延長
○がーどまんvs SKJ
S「ストップ言われてぶっ飛んどるコンドル頭イっとる」
が「俺も俺が一番格好いいと思ってる基本持ってる昨日超えてく」
S「勝ち負け気にし過ぎ、客見過ぎ、対話したい」
が「YouTuberで成功しても関係ない、バトルが好き」がーどまんは韻が美しかった#MRJ
— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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2回戦第一試合
SIMONJAP-T-TANGG 延長
T「SIMON JAP SIMON JAP フォレストガンプ オカマ」
S「SIMON JAPって2回言って、頭カラッポ」
T「SIMON JAP 俺は生粋のJAP」
S「俺もT-TANGG連呼したらいいか? 違うだろ?」刺激的な揚げ足取りあいバトル。
完全にタイで延長。#MRJ— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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2回戦第一試合延長
SIMONJAPvsT-TANGG○
S「俺はNolimit今日はT-TANGGの葬式」
T「葬式食らわない、正直、お前三途の川の向こう岸」
S「何度も転んだ、今日は転ばない」
T「Do it ageinお前ゴールド似合わないまだシルバーで」#MRJ葬式から向こう岸までの即興がえぐい
— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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2回戦第二試合
○CIMA-SKRYU
C「俺は俺は証明このテンションで遊ぶMRJ」
S「根底はブラック、ゆったりやる」(メロディー調)
C「イニシャルC」
S「法律と処女膜も破れればいいのになー」SKRYUってめちゃくちゃフロウうまいんですね#MRJ
— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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2回戦第三試合
○百足-Fuma no KTR
F「ビートを舌の上で転がして掌に勝利を」
百「Fumaじゃなくて藤Koosとやりてえんだよ」
百「俺に負けてまた改名しろ」
F「俺お前のせいで改名してない」百足、安定感が半端ではない。
Fuma、名前のこというのずるいよ笑 終了後に言うかわよ#MRJ— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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2回戦第四試合
Salvador Mani vs がーどまん○
が「お前、さっきバトル中俺のことDISってたな、名前出さな勝てないの?」」
S「俺は好きだから名前言っただけ」
が「俺もらうプレゼント 雑魚MCにはグレネード」
が「きのこってDISやろ 傷ついた」#MRJがーどまん強いぞ
— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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準決勝1
CIMAvsT-TANGG○
T「蝋人形、ショーウィンドウ」
C「空回りのベアリング、ベタつくメアリ 取れ目ヤニ」
T「Like a メアリ、俺はカベガミ」#MRJT-TANGGの勢いが止まらない。
即興で絶対5個くらい踏む おかしい— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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準決勝2
百足-がーどまん○
百「久々 1年前と同じこという 音源どこ?」
が「音源出してるし数百万売ってる」
が「一年後? 俺は異次元を」
が「男はお金に嫉妬する、百足は楽屋でじっとする」
が「今日は俺の復活祭」がーどまん無茶苦茶強い。
ぶっ飛んでる#MRJ— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
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決勝
○T-TANGG VS がーどまん
T「きのこ狩りましょう、ニトロマイカフォン」
が「その韻何回目? 負けられない関西勢」
T「ネタくさい? でも俺のは幻覚剤」
が「ネタくさいって言われたときもネタ返し」タング2連覇!
がーどまんも鬼のような強さだった。#MRJ— 雑踏ビート (@zattou_beat) September 5, 2020
意外だったのは、
- ○がーどまんvs SILENT KILLER JOINT
- ふぁんくvs SKRYU○
あたり。
SKJはもっとバチバチに否定しにいくと思っていたが、意外とピースフルで、がーどまんの突かれると痛いところは敢えて突いていなかった。
当メディアでも推し推しで紹介しているふぁんくも1回戦で消える。
意外と番狂わせの多い大会だったように思えた。
MRJ ALLSTAR EPISODE -2改-を終えて
ベストバウトは、【2回戦T-TANGG vs SIMON JAP。】
先ほども触れたが、今大会でのT-TANGGは、とんでもなく調子がよかった。いつもの仕込みライムのさることながら、「即興での踏み返し」がエグい。
SIMON JAPとの一戦では、「葬式」から「葬式? 食らわない正直、お前三途の川の向こう岸」という"死のラインで"瞬殺した。エグい......
準決勝のがーどまんvs百足もアツい。
がーどまんが、韻を踏む・コミカル要素入れる・痛烈にDISる・綺麗にアンサー返すとやりたい放題。
この日のがーどまんは、Youtuberではなくラッパーだった。
またSKRYUがまったく新しいスタイルに挑戦していて、しかも1勝を挙げた。
メロディアスなフロウを使いこなし、熱さだけではない奥深さを披露。ふぁんくもガッツリ喰らっていたのが印象的だ。
今大会は全体的に渋いラップが楽しめた。DISや即興の質が高く、MCバトル本来の原始的などつき合いを堪能できたと思っている。
一方でピースフルなラインも見受けられ、暖かいHIP-HOPを感じられた。
次回大会にも期待したいところである。