Creepy Nutsのツーマンツアー「生業」は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開催が延期されていたがついに開催が決定した。第一弾はZORNがゲストだが、盛り上がること必須という組み合わせだ。今回は、ZORNとCreepy Nutsの関係性や生業ツアーの概要について触れていきたい。
Creepy NutsのツーマンツアーにZORN参戦
菅田将暉とのコラボ楽曲「サントラ」も好調なCreepy Nutsは11月の武道館公演の前にツーマンツアー「生業」を控えている。
4組のアーティストとのツーマンライブを行うこのツアーは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期が発表されていたが、第一段の振替公演の詳細が発表された。
日程は4月10日から8月13日に変更、ソーシャルディスタンスを確保できるよう席数は変更されている。
HIPHOPの垣根を超えてメジャーシーンで活躍しているCreepy Nutsと、サブスク未解禁で地元・新小岩を拠点にした活動を続けているZORNではかなりスタイルが違う印象があるかもしれない。
HIPHOPヘッズの中にはこの組み合わせを意外に思う人もいるが、この2組には浅からぬ関係があるのだ。
2組には意外な共通点がある
Creppy Nutsのオールナイトニッポン0にZORNがゲスト出演した際に、実はそれぞれ以前から交流があることが明らかになった。
ゲストにZORNさんをお招きしたスペシャルウィークの番組ブログが更新されました! #cnann0https://t.co/qihgA0Zq2z pic.twitter.com/7uYoIML9fb
— Creepy Nutsのオールナイトニッポン0 (@cnann0) February 23, 2020
共作したDJ松永
DJ松永が2012年にリリースした1stアルバム「DA FOOLISH」の中の一曲、「東京Night Walker」でZORN(当時はZONE THE DARKNESS)と輪入道が客演している。
8年前の楽曲ということもあってかラジオ番組内でこの曲をかけた時、2人は「苦痛だわ~」と冗談まじりに話していたが聞いて分かる通りトラックもラップも無類にカッコいい。
ちなみにこのアルバムは他にも、LB・RAU DEF・サイプレス上野など豪華なメンツが集結している。
DJ松永はその卓越したDJスキルで有名だが、DJの技術は専門性が高いため我々リスナーにはどうすごいのかという点を理解するのは難しいかもしれない。
DJから見ると、
- ビートジャグリング(楽曲を再構築する技法)
- スクラッチ
- 華やかなボディートリック
- 曲のエディット
などのDJに必要な技術やセンスがどれも非常に高いレベルだという。
DJ松永は「2クリックフレア」「3クリックフレアオービット」「ディレイドスリークリックフレアオービット」などを難易度の高い技を得意だと語っている。
DMC2019世界大会のバトル部門でチャンピオンとなったのも記憶に新しいが、世界大会目前には2018年大会のチャンピオンK-Swizzについて「手ごわいが戦うなら決勝がいい。」とインタビューで言っていたが、本当に決勝で相まみえ勝利するというドラマチックな結果に。
バトル会場で顔を合わせていたR-指定
このブログでも過去に触れたように、ZORNは元々THE罵倒やUMBなどフリースタイルバトルに10代から盛んに出ていた。
YouTubeの公式チャンネルには映像は残っていないが、MACCHOを客演に迎えた「Rep」でも「街を歌い地元をRep/どこからでも火を起こせる/俺の原点はサイファー/バースに訂正はないな いつもテメーがライバル」とライムしているようにそのストリート精神は健在だ。
一方のR-指定ももはや説明不要、国内最強のラッパーだ。
彼のベストバトルを選ぶのは哲学の命題のように難しいが、個人的にはUMB2014の対DOTAMA戦が印象深い。
ヒリヒリとしたバトル特有の空気感はもちろん、因縁のライバルともいえる2人がスキルを見せつけながら会場を熱狂に誘う姿は圧巻だ。
ZORNとR-指定は直接バトルしたことはないものの、UMB2010の全国大会の1回戦のR-指定vs晋平太の当日にZORNは晋平太のスパーリング相手を務めセコンドとして同行したという。
この試合を見たZORNはR-指定に、「やばかったな。実質今のが決勝だろ」と声をかけたんだとか。(かっこいい)
ZORNは「ラップが上手ければハーコーでもナードでも関係ない。それをアリにした最初の1人」とR-指定を評価している。
会場だけでなく当日・アーカイブ配信も
超人気HIPHOPアーティストの競演は絶対に見逃したくないが、感染症が拡大している東京都内に出かけることに抵抗がある人も多いだろう。
生業Zepp DiverCity公演は会場のチケット販売は終了しているが配信も決定しているので、外出しなくても安全にライブが楽しめる。
もちろんライブは現場が一番だ。だが、先の見えない混乱の中で無理をする必要はないので自分が納得する方法を利用しよう。
配信チケットは、Thumva・LINE LIVE-VIEWING・Streaming+から購入できる。
価格は前売り3,500円、当日/アーカイブは3,900円なので当日まで忘れないようにしたい。
今後もレジェンド達との共演&武道館など予定が目白押し
Creepy Nutsの生業ツーマンツアーは今後、
- RHYMESTER
- THA BLUE HERB
- Hilcrhyme
というそうそうたるメンツとの公演が予定されている。
RHYMESTERの後にTHA BLUE HERBとツーマンするとはヘッズにとっても熱い展開だ。
余談だが、以前R-指定はTHA BLUE HERBのILL-BOSSTINOにインタビューしている。
R-指定がILL-BOSSTINOのあらゆるものをインプットして厳選したワードで曲を作りリスナーに深く刺すスタイルに深く敬意を表せば、ILL-BOSSTINOは即興でも高いクオリティのものを表現するR-指定のことを「他のラッパーからしたら、存在自体が残酷」と評する。
日本語ラップのレジェンドから若い世代のラッパーに対する評価として、これ以上のものがあるだろうか。
ZORNが参加するZepp DiverCity公演以外は振替日が決まっていないが、健康や安全に配慮しつつ無事に実現してほしい。