1月6日VaVaがニュー・シングル『Sekai feat. Koedawg』をリリースした!2020年1月には5曲を収録したEP作品「Mevius」を、7月にはシングル「Digital Club」をリリースしたVaVa。今作はゲストラッパーとして、Koedawgを迎え、プロデューサーはインドネシアのトラックメイカー・KODOMOiが担当している。KODOMOiの新世界を感じさせるポップなトラックは、2人の独特の世界観を存分に引き出している。
此処のセカイで 時を抱いて
隠れ 嘆いて 壊す来世
他抱くイメージなんかいいし任せない
超ニキニキニキなアニキ それ僕たち
躍動感あふれるhookは、ヒップホップの新たなジャンルを切り開いているかのようなフレッシュさを感じさせ、自分の好きなものを包み隠さずにリリックの中に散りばめるVaVaに多くのヘッズが好感を持つ。
MVは、KAMIYAMA RYOJIがディレクターを務め、ゲームセンターなどでいろいろなアミューズメントを楽しむ2人が撮影されており、全体的にキラキラした世界観を感じられる。
今回もVaVa独自の世界、VaVaワールド全開で聴く人を惹きつける魅力的な楽曲に仕上がっている。
独特の世界観で多くのコアなヘッズを魅了し続けているVaVa。
今回は、そんなVaVaの過去と、その魅力に迫る!
VaVaというアーティスト
中学、高校と男子校だったVaVaは、学校がつまらなくて仕方がなかったという。そんなVaVaにとってヒップホップ は、’ゲームの主人公が持つ武器’のようなもので、ヒップホップを聴いている間はスーパーサイヤ人になれたような気持ちになった。そんなこともあり、学生時代はパワーをもらえるようなゴリゴリのヒップホップばかり聴いていた。
高校生の時にtofubeatsの“水星 feat.オノマトペ大臣”に出会った。UstreamでSEX山口さんのDJ配信でたまたま流れた’’水星’’に心を掴まれた。その当時は、ミュージックビデオもレコードも出ていない状況だったため、誰が歌っているのかもわからない状態だったという。
調べた結果、tofubeatsにたどり着いたVaVa。Twitterでダメもとで「機材を教えてください」と聞いたところ、すごい丁寧な返事が返ってきたため、一気に機材を買い揃えた。
@bababylon Ableton live suite7と内部プラグイン、MIDIキーは新品でも10000¥くらいのRoland A-500Sですね。まあなんでもいいですけどこれとオーディオインターフェースとアナログ再生環境あれば同じことはできるはずですよー
— tofubeats (@tofubeats) March 2, 2012
2012年からビートメイカーとして活動を開始し、ビートメイカーとして、2013年「Blue Popcorn」、2016年「Jonathan」と2枚の作品を発表した。
またBIMなどがMCを務めるTHE OTOGIBANASHI'Sの1stアルバム「TOY BOX」や、2ndアルバム「BUSINESS CLASS」ではリード曲「Department」のプロデュースを担当した。2017年には、VaVa自身による全曲フル・プロデュースの1st ラップアルバム「low mind boi」をリリースした。
2018年にEP「Universe」をリリース
2018年には、VaVaが作曲を始めるきっかけとなったtofubeatsとコラボした「Virtual Luv」や、Yogee New Wavesの角舘を客演に迎えての「星降る街角 feat. 角舘健悟」や、BIMとの「Hana-bi feat. BIM」を収録したEP「Universe」をリリースした。
2018年は、EP「Universe」の他にも、「Idiot」や「Virtual」など計3枚のEPをリリースし、VaVaの知名度を上昇させるには十分すぎる飛躍の年となった。
その中でも2018年8月にリリースした「Virtual」に収録されている「現実 Feelin' on my mind」を作曲したあとからは、「人に隠していた過去としっかり向き合い認める努力をしようと思えるようになった」
とVaVaは語っている。
ゲーム現実逃避じゃない 他には絶対ない
汚れたこの世界より平和な世界
でも正解じゃない でもFakeでもない
大の大人が昔作った住みたい世界
この楽曲はのちにkojikojiがcoverしたことで再度有名になった。
2019年2月アルバム「VVORLD」リリース
2019年2月20日に2枚目のアルバムとなる「VVORLD」をリリースした。この楽曲では、2018年に怒涛の勢いで発表した3枚のEPに収録されているtofubeats、BIM、角舘健悟などと作成した楽曲も含まれており、VaVaの代名詞ともいえる代表的なアルバムとなった。
2019年には18箇所を回るツアーも成功させ、しっかりと多くのヘッズにVaVaワールドを体感させた。
ダサいチャプター 怖じ気ついて隠した世でも
Celebrateな自分迎える用意をする
baby tonightでも間に合わないことばかりで
すぐ消えてしまうならそりゃしょうがない
でも嫌 嫌 嫌 嫌 嫌 aye
僕は Leader Leader Leader Leader LeaderAye
ほら何色の歓声も浴びてないチャプターでも
Anywhere as long as I’m with you.
特別カッコつけるわけではないけれど、仲間と楽しいことだけをしてそれすらもカッコよく見える。そういう自然体の自分をヘッズに見せる。VaVaのリリックには、繕った自分ではなく正直な自分の気持ちを書き綴ったありのままのVaVaというアーティスト像を感じることができる。
トラックメイカーとしても活躍
ラッパーとして注目されるVaVaだが、トラックメイカーとしても多くの名曲を作り続けてきた。
kZmの「Yuki Nakajo」やBIMの「Bonita」のトラックプロデュースは意外にもVaVa。
その他にも多くの楽曲をいろんなMCに提供し続けている。
絶対に聴くべきVaVaの良曲3選
上で紹介した曲以外にもVaVaにはたくさんの良曲がある。
ここでは、絶対に聴くべきVaVaの良曲を5曲に厳選して紹介していく。
VaVa - Biscuit
2020年1月31日にリリースされた「Mevius」
MVでは、Chapterのライブを終えたVaVaの舞台袖のシーンからスタート。
なんでもない今 なんでもない今が
最悪な時間として人に 降りかかる前に一人
一人でね yeah 失う前に一人 一人で歌ってみた
この楽曲のコメント欄ではVaVa自身がこの曲について解説している。
これは恋愛という人生においての一つの壁を越えて、よじ登った一人の人間がパートナーに出会い、めでたく結びついた後の人の心情の話です。好意を抱いて結びついた相手でも、知りたくないことを知ってしまった時、その瞬間まで構築していった思い出が全て崩れそうになる時ってありますよね。
そしてなんでビスケットなの??って思った人もいると思いますが、
この「構築してきた思い出」=「ビスケット」となります。
曲の背景を知ると、より一層楽曲に深みが感じられて音楽を聴くのが楽しくなる。
VaVa - Digital Club
トラックからリリックまでVaVaが1人で制作したこの楽曲。ゲームの中に侵入したと錯覚してしまうような効果音を多めに使ったVaVaらしい楽曲に仕上がっている。
誰になにか言われていい
いないところでいわれていい
だって世界は君の物語
VaVa - My Artist
2019年にリリースしたEP「Cyver」の4曲目に収録されている「My Artist」
MVでは、幼い頃のVaVaの動画をつなぎ合わせて作られており、リリックにも、VaVaの価値観やアーティストとしての姿勢が盛り込まれている。
VaVaというアーティストについて深く知るためにこの楽曲は絶対に外せない。
いかがだっただろうか。ラッパーとしての音源制作はもちろんのこと、トラックメイカーとしてもヒップホップシーンの最前線で活躍するVaVa。
今作のニュー・シングル「Sekai feat. Koedawg」では、インドネシアのトラックメイカー・KODOMOiとコラボしたように、国境を超えての共演などで日本のヒップホップシーンを盛り上げてくれることにも期待していきたい。