12月26日、日本語ヒップホップシーンにまた新たな歴史の1ページが刻まれた。
戦極の聖地O-EASTで行われた戦極MCBATTLE 第22章 - RE:BORN 2020。全MC 32人による生き残りをかけた一発勝負のトーナメント戦による死闘を制したのは、MU-TON!
MU-TONは賞状とトロフィー、そして優勝賞金30万を手にした。
戦極22章優勝は、、、
MU-TON!!!!
本気のフローと韻炸裂させてて超強い!!
21:00までアーカイブ買えます!!
↓↓(24時間視聴可能)https://t.co/1TNhrJ0i5r pic.twitter.com/RaeBOr1bHi— MC派遣社員-MRJ主催(ウスイ) (@mchakenshine) December 26, 2020
今大会はベストバウトもかなり多い上に、鎮座DOPENESSなどの懐かしい顔ぶれなどが揃い大いに盛り上がった大会となった。ここでは、そのベストバウトを簡単に振り返り、戦極22章の余韻に浸っていこうと思う。
戦極MCバトル22章ベストバウト
NAIKA MC VS 梵頭
錚々たる顔ぶれが揃った今大会は、NAIKA MCと梵頭の奇跡の対戦からスタート。ビートはkZmとTohjiの「TEENAGE VIBE」
このビートはもともと、インストが存在していなかったが、プロデューサーのChaki Zuluがこの日のために作ってくれたという裏エピソードが存在する。
ここで観客のボルテージも一気に上昇した。
NAIKA MC「What's up?戦極調子はどう!!!?」
梵頭「藤川球児より危ない梵頭が登場!!」
NAIKA MC「投げてこい!それを外野まで飛ばしてやる」
梵頭「阪神タイガースより危ない安心大麻吸う」
バイブス全開の対決を制したのは、梵頭!
RAWAXXX VS GOMESS
戦極21.5章優勝者RAWAXXXと対決したのはGOMESS!
RAWAXXX「誰にも踊らされることもなくお前の音楽をやればいい。芽は積まない」
GOMESS「Rain、今もこの雨に打たれ上に上がっていく」
RAWAXXX「誰相手でも同じこと言うお前最高。お前に身を預ける」
GOMESS「HIPHOPのウイルスに侵された同士」
激アツすぎる2人のバトル。GOMESSがRAWAXXXをジャイアントキル。
早雲 VS 漢 a.k.a GAMI
早雲と漢 a.k.a GAMIが一回戦から激突するという贅沢すぎるカード。
ビートは舐達麻のBUDS MONTAGE。早雲はジャンケンに勝って先攻を選択。
早雲「引いたカードがKOKへの最短コース」
漢 a.k.a GAMI「最短コースも最高のフルコースにしてやる」
早雲「準優勝でKOK?リアルじゃねえのかよ」
漢 a.k.a GAMI「損得じゃねえ、忖度いらねえ、孫悟空みたいに空飛んでやる!」
勝者は早雲!ゆったりとしたビートの中に熱い気持ちのこもったバトルが繰り広げられた。
Fuma no KTR VS SKRYU
日本語ラップの次の世代を担う世代同士のバトル。
Fuma no KTR「めちゃくちゃキモいラップ。ゆうまの上位互換!」
SKRYU「ゆうまをディスったお前に未来はねえ」
Fuma no KTR「つるんでる奴がだせえ」
SKRYU「俺はかっけえと思ったやつとつるんでる。言われてブレる価値観じゃねえ」
勝者はSKRYU!仲間を思うSKRYUの気持ちが出たバトル。
GOMESS VS SILENT KILLER JOINT
RAWAXXXを倒して勢いに乗るGOMESSが強敵SILENT KILLER JOINTと激突。
ビートは新戦極のテーマ。
SILENT KILLER JOINT「思い出す2017。兵庫のライブ。俺が懲役前の最後のライブだからってお前は泣いてくれたよな」
GOMESS「レベルミュージックどころじゃねえ、ヒップホップはお前ら一人一人のためにある」
激アツすぎる感動のバトル。終わった後にハグする2人に強く胸を打たれる間違いなく今大会一のベストバウト。
MAKA VS 鎮座DOPENESS
MAKAと鎮座DOPENESSのフロウ巧者同士の対決。
このバトルはYouTubeで12月29日に配信された。大会ベストバウトを大会三日後にUPしてくれる戦極MC battleに感謝だ。
MAKA「俺のこのスピードについてこい」
鎮座DOPENESS「早すぎて、本当何言ってるかわからないよ」
MAKA「DJゆの最強。鎮座DOPENESS最高。だけど負けられねえ」
鎮座DOPENESS「これまたまだまだDOPENESS TIME!!!」
勝者鎮座DOPENESS!
完全に会場の空気を物にして勝利を手にした。
Scooby J VS SILENT KILLER JOINT
フロウがかっこいいScooby J とDOPEなラップが特徴のSILENT KILLER JOINTの対決。
Scooby J「なんでYouTubeやってる?HIPHOPが変わってるのか?」「矢面に立たされたがーどまん。他のやつと何が違うのか俺にはわからねえ」
SILENT KILLER JOINT「ふざけた動画で笑ってくれたらヒップホップ。俺のMV見てラップ好きになってくれたらいい」
HIPHOPシーンの未来を思う2人の熱いバトル。SILENT KILLER JOINTが強さを見せベスト4進出。
早雲 VS 鎮座DOPENESS
早雲と鎮座DOPENESS。戦極だからこそ実現できたとも言える夢のカード。
ビートは蜂と蝶。
早雲「好きだからか金のために戻ってきたのかどっち」
鎮座DOPENESS「お金欲しい。逮捕されて保釈金100万。もらえるものはもらっとく」
互いに一歩も譲らずこの試合は延長戦へ
早雲「DVDで見てたあなたと夢の時間」
鎮座DOPENESS「DVDから飛び出して今ここで花開く」
早雲「楽しいだけが音楽じゃないが、楽しくなきゃりゃ音楽じゃないな」
鎮座DOPENESS「負けたかな負けたかな負けたかな、勝ってたーーー!」
鎮座DOPENESSのフロウと勢いに早雲も負けずに押し返す。このバトルでも決着はつかず再延長へ。
鎮座DOPENESS「みなさーん、もうお気づき?もうすでにバトルライムがない」
早雲「誰も傷つけずに俺が勝ち上がる」
早雲が男気を見せ、鎮座DOPENESSを撃破。
SAM VS MU-TON
実力者同士のバトル。この2人なら何回やってもベストバウト
SAM「曲もバトルもかっけえけど負けたくねえ」
MU-TON「お前もまあまあかっけえ。曲もまあ聴ける程度」
SAM「背伸びしなくてもかっけえ仕方がねえ」
MU-TON「マスクしてるお前らの分俺が声出してやる!!」
MU-TONの気合いの入り方が尋常じゃない。勝者MU-TON
早雲 VS SILENT KILLER JOINT
準決勝はこの2人。
SILENT KILLER JOINT「裏道でプランツ巻いてそうなビート」
早雲「関西レペゼンとは言わない。どこにいても京都代表」
SILENT KILLER JOINT「優勝予想は外す、Sキラ、悪魔の降臨さ」
SILENT KILLER JOINTのかっこよさ、そして早雲の京都レペゼンの男気が感じられる試合。
熱いバトルは延長戦へ
SILENT KILLER JOINT「空前絶後のノリアキより、リアルなラッパーだぜ」「草の話やめろ?それは無理だ。俺の名前見ろ、SILENT KILLER ’’JOINT’’!」
早雲「強要してない。合法になればいい」
このバトルでも勝敗はつかず、再延長へ。本日2度目の再延長。早雲のスタミナがすごい。
再延長
SILENT KILLER JOINT「痛みとかあったらフリースタイルで安っぽくは言えない。音源で伝えてく。」「俺はプライド持ってやってる音楽」
SILENT KILLER JOINTの気合いが勝り、早雲を撃破。SILENT KILLER JOINTが決勝進出。
MU-TON VS 呂布カルマ
このカードを一言で表すとするならバトルが強い2人の試合。どちらが決勝進出するのか。
ビートはOZKNEEZ FXXKED UP
MU-TON 「遊んでやるぜ OZKNEEZ FXXKED !」「くらった、上に上がった。バカばっかだ全く」
呂布カルマ「俺1人馬鹿じゃない」「誰よりも勝利を渇望してる」
勝者MU-TON
この日のMU-TONは勢いが半端ない。
SILENT KILLER JOINT VS MU-TON
決勝戦。ビートは梅田サイファーのマジでハイ
MU-TON「アシッド・バッツにコカイーナ?俺マゲ・チャリ・草に沢尻エリカ」
SILENT KILLER JOINT「帰ってこいヒップホップ時は今だ」
SILENT KILLER JOINTが自身の楽曲「BlAqDeViL」をセルフサンプリングするなど、両者パンチラインを量産し会場は大盛り上がり。
戦極22章を制したのは、MU-TON!!!
まとめ
2度の中止・延期を経て復活した戦極MCBATTLE 第22章 - RE:BORN 2020。
新型コロナウイルスの影響で観客はマスクの着用を義務付けられたりと、例年とは少し異なった雰囲気で行われた本大会だったが、32名のMCたちはしっかりとパンチラインを残した。
ビートの質、そしてバトルの質が非常に高く、ベストバウトを選ぶのが難しいほどどのMCもかましていた。これから行われるKOKなど、MC battleはコロナウイルスに負けることなく、これからもヒップホップシーンを盛り上げるコンテンツとして成長していくだろう。