フリースタイルダンジョン T-Pablow VS 晋平太 ビートモクソモナカッタ

MC battle


フリースタイルダンジョン3rd season Rec7-5。
晋平太が菊の花を蹴り飛ばし、サイプレス上野に勝利。
漢 aka GAMIとは9sariライブラ問題の渦中のなか、歴史に残る神回が繰り広げられ、接戦の末、漢を倒した。

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そして、3rdステージはT-Pablowとの戦い。

晋平太が第一線で活躍していた頃は中学生だったのであまりわからないと話すT-Pablow。

世代間を超えたスターの戦いを制すのはどっちだ。

前回、番組最後の予告では凄まじくバチバチな光景が映し出されていたが今までフリースタイルダンジョンで繰り広げられた中ではないタイプのバトルとなった。

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T-Pablow vs 晋平太

いつもクールに登場するT-Pablowが自身の登場曲にカラダを揺らしながらステージにイン。
すでに高ぶっている様子がうかがえる。

 

1stラウンドは先行T-Pablow、後攻晋平太。

T-Pablow「 HIP HOPは文化だブームじゃねぇ てめぇらがクソだせぇもんにしてんじゃね? クソダサいラップのCMしない 腐っても鯛でいたいのが俺のスタイル 一本100万円のラップのCM 俺オファー何本蹴った? その代わりラッパーてのはこの場所で格好良いバースを蹴んだよ」と「ダサい・しない」や「鯛・いたい」などで韻を踏む。

株式会社日本総合ビジネスが運営するサービス「ラップCM」で数々のラップをCMの製作をしている晋平太を批判。

「CMのオファー蹴って、ダンジョンでかっこいいバース蹴る」というパブロの信条があらわれるライミングがかっこいい。

【出典:ラップCM 【焼肉いち PV】 / 晋平太 & Mr.Q(ラッパ我リヤ)

 

晋平太がアンサーを返す。
「ブームに乗って増えてくれる皆のための文化じゃね? それ突き放す しかも王様が自分から え?コマーシャル出てる コマーシャルレベルのラップ こまっしゃくれてるけど 困っちゃってんのお前でしょ」
※こまっちゃくれ=生意気って意味

コマーシャル」から「こま」で韻の連打。

フリースタイルダンジョン、高校生ラップ選手権とバトルブームのきっかけとなった代表のお前が自分の狭い世界で生意気に語るなってとこだろうか。

この1バースの中に韻と意味とDisをこれだけ詰め込めるのはさすがだ。

 

これに対してT-Pablowのアンサー。
はい 確かにHIP HOPを広めることは大事 けど本当に大事なのは広めることよりも広め方 金稼ぐことよりも金の稼ぎ方 武士は食わねど高楊枝 金がねぇんだったら切腹しろB-BOYは金ねぇ時こそ胸を張る その後 成功に腕を伸ばす

つまり「確かにHIPHOPを広めるのは大事だが広め方にも美学を持てよ」という主張だろう。
「武士は食わねど高楊枝」というのはことわざで武士は貧しくて食事ができなくても、あたかも食べたかのように楊枝を使って見せるという由来から、武士の清貧や体面を重んじる気風のことを意味します。

文脈的もワードもかなり理路整然としたカッコいいラインだ。
「切腹・胸を張る・腕を伸ばす」と体の部位を要所に入れ込んでいるところも粋だ

 

 

晋平太「お前が切腹しろ もうちょいBeatとSEXしろ「切腹・SEX」でライミングしながらビートアプローチができていないスキル不足を指摘。
さらには先ほどのT-Pablowの「成功に腕を伸ばす」の成功・性交(SEX)」とかかっているところも美しい。

お前のアルバム売れなきゃおかしいプラチナムでもミニマムなのに粋がる?」という部分は「ジブラの後押しがあって売れるのが当たり前なのに全然たいしたことないんじゃない?」というとこか。

 

 

続いてT-Pablow「T-Pablowと書いて読み方はYoung cash つまり若い金だぜ? おめぇと違げんだよ 俺はブームを作ってる側の人間なんだよ 絶対に俺はよ 文化を捨てねぇ」と返すのだが、HIPHOPはブームじゃないと言ったり、俺がブームを作っていると言ったり矛盾点が出てくる。

 

 

晋平太がやはり矛盾点を突く。
「ブームを作ってんだろ?俺と一緒じゃん」また「晋平太と書いて 晋平太と読む 俺は別名なんか使わないぜ 無駄なバースは歌わないぜ」とT-Pablowの謎かけにアンサーを返しつつ「使わないぜ・歌わないぜ」と即興でしっかり踏んで返す。

晋平太は文脈を崩さずに韻を即興で詰め込むスキルが半端ない。

 

結果は4-1で晋平太が勝利。
T-Pablowも前半かっこよかったのだが、後半に冷静さが保てなかったのか、若干ビートアプローチが乱れ得意のフロウが出せていなかったよう

信念の違いというか、HIPHOPに対するスタイルウォーズというか、そんなバトルだったのではないか。

T-Pablow vs 晋平太(2nd.ラウンド)

そして、問題の2ndラウンド。
先攻晋平太、後攻T-Pablow。

バトルビートは「ビートモクソモネェカラキキナ」

【出典:DJ RYOW『ビートモクソモネェカラキキナ 2016 REMIX feat. Zeebra & AK-69』【Music Video Short Ver.】

晋平太「ビートもクソもねぇから聞きな 気を付けな 口の聞き方 ラップの進め方 お前がなんねぇでどうすんだみんなの味方 掴む胸ぐら(ここでT-Pablowが胸ぐらを掴む!) 俺が追い込まれてる」

今回のバトルビート「ビートモクソモネェカラキキナ」にちなんで始まった2ndバトルだったが、以下画像のようにT-Pablowが胸ぐらを掴むまでキレる自体に。

原因は晋平太がT-Pablowに触ったかららしいが画面上では確認できなかった。
詰め寄るT-Pablowに左腕で押し戻したってとこだろうか。

そんな状況下を即興でバースに織り込める晋平太はさすがだ。

 

T-Pablow「HIP HOP復活させてぇ割にはよぉ クソだせぇことしかてめぇやってねぇんじゃねぇの? 俺は先代の気持ちまで背負うぜ お前できねぇだろTOKONA-Xに顔向け」この「クソだせぇこと」というのは前回の記事でも紹介した漢と晋平太との問題のことだろう。

かなり熱くなっているT-Pablow。
そんなスタンスじゃ天国に飛び立ったレジェンドに顔向けできないだろうと吐く。

 

 

晋平太がさらに煽る。
「憧れ?Jay-zやBiggie成りたがり お前は成り上がりじゃない 成りたがり(成り下がり?) 成れたらいいね TOKONA-Xの生まれ変わり」の中でお前は成り上がってない、だだの成りたがり」という部分は「成り上がり」というフレーズを日頃から使うT-Pablowにとってはかなり重いパンチラインだろう。

 

T-Pablowが完全にヒートアップ。
「てめぇから触って来たんだからな? おいこの野郎 てめぇ後でさらっちまうぞこのクソガキ この野郎がぁ しゃらくせぇこと言ってんじゃねぇぞガタガタ抜かすなアホ バイブスだけのアホ」

 

晋平太「さらっちまうぜ? 笑っちまうぜ お前がクソだせぇ言われても動かねぇ嘘じゃねぇ お前がマイク離して尻込みしてんぜ(T-Pablowがまた胸ぐらを掴む)また掴んだ これでファウル2 俺のラップ中」と「ファウル2・ラップ中」と踏んで即興で返す。

胸ぐらを掴まれても冷静に文脈も乱れずライミング。
晋平太の経験値の高さがあらわれる。

 

 

T-Pablow頭に血が上ってしまい、さらにヒートアップ。
「おい てめぇから触ったからやってんだよな? てめぇの事ぶっ飛ばすなんて簡単なんだよ こっちはよストリートからステージ上がってやって来たんだよ てめぇ手加減してこっちだってオタクに頭下げてんだよ てめぇみてぇな奴によ街中だって舐められてたらよ ×コンプラ×パン 一発でぶっこんで終わりなんだよ クソ」

ここのコンプラは「チョーパン」
朝鮮パンチの略で頭突きのことを指す。

 

試合結果 は3-2で勝者は晋平太。

 

賛否両論あると思うこのバトルですが、バトルスタイルにしてもバトラーによってライムで光るスタイル、バイブスで光るスタイル、フロー、パンチラインなど一種のアイデンティティだし、もっと広い視野でみるとHIPHOP自体もオールドスクール、ギャングスタという文化起源もあればZORNの「My life」の歌詞にも出てくるよう「洗濯干すのもhiphop」とlife is hiphopな考え方もある。

【出典:【Official Music Video】ZORN / My life (Prod. by DJ OKAWARI) from the album The Downtown (P)2015昭和レコード

だから世評はどうあれ今回のこのバトルも「これもhiphopでしょ」と思っている。

おそらくT-Pablowの脳裏には「9sariライブラ問題」の晋平太と漢の今までのやり取り、そこから見えた2ndステージの絵、漢の男気、筋を通す通さないの問題、もしかしたら1st、2ndバトルの審査結果にも納得がいっていなかったのかもしれない。

でも、私としてはこう思うわけです。

「みんなちがって、みんないい」と。

【出典:Creepy Nuts(R-指定&DJ松永) / みんなちがって、みんないい。【MV】

さてさて、次回はUMB2連覇の晋平太VSUMB3連覇R指定の戦いだ。
UMB2010以来の両者のバトル。
晋平太はダンジョンの鉄壁を崩すことができるのか・・・・!!!

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