3rd.season Rec6-2は3人チームのチャレンジャー92。
リーダーのBALAは1st.seasonに参戦したが、サイプレス上野に完敗している。
今回はそのリベンジに同じ1992年生まれのaoringo、SHIN、2人を引き連れてきた。
BALAは1年5ヵ月ぶりのダンジョン再挑戦、aringoは約3年振りのバトル。
音楽制作をメインに行う24歳の若手チームはどんなバトルを見せてくれるのか。
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DARTHREIDER(隠れモンスター) vs BALA a.k.a. SHIBAKEN
ファーストステージ1on1ではBALA a.k.a. SHIBAKEN VS 隠れモンスターDARTHREIDERだ。
サ上へのリベンジかと思いきやいきなり隠れモンスター登場。
DARTHREIDERは東大を中退したラッパーという異彩を放つ経歴の持ち主だ。
漢akaGAMIが代表を務める鎖グループのオーナーも務める。
彼は腎臓に重い病気を抱え、余命5年を告げられたそうだ。
その状況から描かれた彼の楽曲「5years」。
はじめに、宣告からの絶望、闘う中での葛藤、残された余生でがむしゃらにもがく画が映るこの楽曲を是非聴き、生の大切さを感じ取ってほしい。
(出典:THE BASSONS(ベーソンズ) / 5years)
ダースレイダーはhiero、J平とともにチーム「411」で崇勲と名バトルを生んだのが記憶に新しい方もいるのではないだろうか?
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それでは、リリックと共に、早速バトルの解説に入る。
先行がチャレンジャーBALA、後攻が隠れモンスターDARTHREIDERだ。
*BALA a.k.a. SHIBAKEN
誰が相手でも関係ねぇんだ 俺の目的なら完全制覇
1年 待ってたぜ 負けっぱなしなんて やってらんねぇじゃん
おい ざけんじゃねぇよ
なぁ あんまり恨みもリスペクトもねぇから
言う事ねぇんだよ
強いて言うなら上野出せ
仲間と進んで行くぜ夢の果て
「関係ねぇんだ・完全制覇」「上野出せ・夢の果て」と韻を連発。
ダースには興味がないとDisっている。
*DARTHREIDER
時間を大切にしろ
1人1人の関係を大切にしろ
関係ねぇんだ 違ぇんだ
お前の目の前にはDARTHREIDER
俺1人がお前の言葉を全部受け止めてんのに態度は何だ?
ちゃんとアンサー返せるのかな 何年待っても勝利来ねぇぞ
ダースは特に韻を踏んだりフロウがある訳ではないのだが、ソウルを感じる。
残された時間に自分の証明を残すといったよう大事な事をバトルで伝えてるようだ。
*BALA a.k.a. SHIBAKEN
いや いや いや ちょっと待って 待って
隠れモンスターとか出てきて お前 隠れて出てきて
その程度のラップしか出来ねぇのかよ お前
大学生のガキの誕生日のサプライズじゃねぇんだよ お前
笑わせんな DARTHREIDER
俺は ここでかます革命家
BUMPでいう所の 仲間笑わすラフ・メイカー
そんな感じ 逆転は無いぜ
「革命家・ラフメイカー」は渋い韻だ。「お前隠れて出てきてその程度かよ」とダースに対してかなり攻撃的。
*DARTHREIDER
ごめん 大学生の誕生日っていう例えが
ちょっと分かりづらくて 分かんねぇけども
さっき俺の ×コンプラ× くせぇ社長からも
パワーを貰って来てるラッパーだぜ
これが ダセェ ラップだって言うんだったら
お前の感覚 センスがイケてねぇって事だ
もう1回聞かせてくれ
HIP HOPとは何ぞや ちゃんと答えてみろよ
×コンプラ×は「○麻臭ぇ」かな。
ダースは「HIP HOPとは何ぞや ちゃんと答えてみろよ」とBALAにアンサーを求めている。
BALAの本質を本気で知ろうとしている様子がわかる。
*BALA a.k.a. SHIBAKEN
大事にしてるぜ 感覚 センス
100万? 貰うぜ 難なく 全部
欲しいもん全部奪う 誰が来たか分からす Guess Who’s Back
そんな感じ ラップそんな格好するんだったら
やめて やれセールスマン
そんな感じ おしまいさ 営業マン
何言われても 俺はTake over
冒頭で「感覚・難なく」「センス・全部」と韻をさらりと踏み、後半では「ラッパーじゃなくてセールスマンっぽい」とDisをかます。
*DARTHREIDER
この格好のセールスマン? 藤子 不二雄 A 「黒ィせぇるすまん」
ドーン! お前の負けだ
夢から覚めて現実戻りな
100万円だってお前 ×コンプラ× みたいな感じで渡そうか
さっきのそっちの小部屋で 俺 隠れてるからさ
その後で封筒に入れてあげるからよ
この格好のセールスマン? 藤子 不二雄 A 「黒ィせぇるすまん」
ドーン! お前の負けだ。
はい、かなりマニアックな返しです。
黒ィせぇるすまんとは笑うせぇるすまんの前作です。
反抗的な生徒と引退間近の教師みたいな戦いで個人的には好きだ。
全くスタイルの異なるバトルを制したのは3:2でチャレンジャーBALA a.k.a. SHIBAKENである。
DARTHREIDER(隠れモンスター) vs BALA a.k.a. SHIBAKEN 2nd.ラウンド
では次は第2ラウンド。
またも先行はチャレンジャーBALA、後攻はダースレイダーだ。
*BALA a.k.a. SHIBAKEN
伝わってないとか それ 自分のせい
空いた時間で言い訳すんのやめてくんねぇ
誰の話だよ ×コンプラ× 訳分かんねぇ
お前 負けて帰れよ 駆け足で
そんな感じ 俺はお前に負けない
つまり負けやしねぇ そんな感じだぜ
一発かましていくラップ お前よりもヤバい所まで行く俺のフロウ
お前よりも全然出来てるからな お前のセンスでかかってこいよ
それだけの話 俺のスキル一発見せる
「伝わってないとか それ 自分のせい、空いた時間で言い訳すんのやめてくんねぇ」
これは確かにそう。
MCバトルは即興で客を沸かすのが醍醐味。
後から黒いセールスマンの解説を自分でするのはラッパーというよりエンターテイナー。
*DARTHREIDER
負けやしない つまり負けられない
同じ事を2回言って数を稼ぐだけのラップ
韻を踏んでリズムを作るだけで
隙間に言葉を上手く配置できないライミングの醍醐味も分かってない
タイミングよく 言葉を置く事が大事だぜ
その奥の奥まで届くように この間を届ける
鼓膜の奥にセットする電脳化された言葉が
お前を占領するぜ これがラップの洗脳だ
ダースレイダーはよく相手のライミングを聞いていると毎回感心してしまう。
今回も「同じ事を2回言って数を稼ぐだけのラップ、韻を踏んでリズムを作るだけ」と「俺はお前に負けない つまり負けやしねぇ そんな感じだぜ」というライミングに対するアンサーを返す。
*BALA a.k.a. SHIBAKEN
洗脳だ 洗脳だ 訳分からない
俺は お前の事 パンチラインで一発K.O.だ
お前のライムならば マジでTKO キメて食う良い弁当
二度と出るんじゃねぇぞ こういうバトルのイベント
危険度増してくぜ あれ あれ どうした?
もう片目で見ても 分かるぜ お前もう目が死んでんぞ
止めちゃう心電図を新天地を求めに来ただけ
お前よりもヤバいラップかまして ビートの上ヤバさ見せるぜ
「洗脳・KO・TKO・良い弁当」の4連で韻を踏み「心電図・新天地」でトドメを。
かなり完成度が高いライミング。
*DARTHREIDER
お前は両目 俺の方が片目だ
片目で見ても分かるのは 俺の方
常に1つの目で見てるけど 3つ目が開いてる
お前の事しっかり見つめてるぜ
焦って動揺 ドキドキして動悸が上がってるようだぜ
だけども その状態の中で余裕でやってる
バトルのイベント出るなだって そんなの俺の自分勝手さ
勝手気ままに生きたまま 40代までいってる俺の背中を見て
お前は さらにデカい世界が分かる事になるからさ
「勝手気ままに生きたまま 40代までいってる俺の背中を見てお前は さらにデカい世界が分かる事になるからさ」
このライミングはダースレイダーの次世代に何かを残したい気持ちが現れている風に感じる。
*BALA a.k.a. SHIBAKEN
お前の背中 別に見てないけど 選ばず お前は俺に
背中 分かった じゃあ今見てみたけど
別に大した事ねぇ背中だった余裕で追い越せそう
俺の方がヤバいぜ On and On
ビート上乗せたら お前よりもヤバい言葉ここで放つだけの話
お前が調子に乗っても 俺には勝てないって事分かる?
言い訳がましい 韻がリズムがどうとか当たり前の話
それが出来なきゃ無理だから 簡単に見せる スキル
おめぇの首切る
生意気なBALAのアンサー。
「お前の背中 別に見てないけど、大した事ねぇ背中だった余裕で追い越せそう」
ちょっとくらい見てあげて欲しい気もする。
一切ブレないスタンス。
*DARTHREIDER
こんだけの本数 ラップをやっても 何も伝わってない
ラッピングに意味がある
1つ1つの時間を大切にって1本目で言ってるのに
くだらない言葉をバーバー並べて それで終わりか?お前
この後 その後10年後も そんなラップをやってんのか?
その後20年後も そんなラップで時間が経ってるのか?
気付いた時には もう遅い
人生楽しんで なんぼだろ
もうちょっと ちゃんと勉強しとけ HIP HOPとFunkを
ダースのライミングは人生に対するメッセージ性が強い。
バトルライムの範疇を超えている。
ダースも最後まで全くスタンスを変えなかった。
第2ラウンドの結果はクリティカルでチャレンジャーBALA a.k.a. SHIBAKENの勝利。
ダースレイダーも魂が込もっていてかっこよかった。
今後のさらなる活躍、メッセージにも期待したい。
Lilyさんの講評キビシイ・・・
モンスター vs 92(2on2)
第2ステージは2on2でチャレンジャーはSHINとaoringo。
モンスターはDOTAMAとT-pablow。
と、その前にチャレンジャーの2人がどんなバトルをするのか。
過去の戦極のバトルをご覧あれ。
(出典:戦極MC BATTLE 第六章(13.4 .28)あおりんご vs NAIKA MC @BEST BOUTその5)
(出典:戦極MC BATTLE 第8章(14.1 .26) KEN THE 390 vs あおりんご @BEST BOUTその5)
(出典:ENEMY vs SHIN/戦極MCBATTLEドラフト会議編(15.9.21))
さて、それではバトルに。
*aoringo
最近どうしちゃったんだよDOTAMAさん
サブカル×コンプラ×の奴隷になってんじゃねぇか Mother Fucker
俺らこんな感じでまた新たな時代を形成するSHINとringo
*SHIN
お前は俺らの奴隷になれこのクソみてぇなラップは時計仕掛け
Teacherならば教えてやるか 俺にやられて怯えて泣くか?
先行のチャレンジャーは「サブカルの奴隷・Teacher」などとDOTAMAを集中攻撃。
DOTAMAのようにキャラ立ちしすぎるとやはり狙われる。
*DOTAMA
君の相方がサブカル×コンプラ×の奴隷になってるなDOTAMAさん
って言ってたのに お前らの奴隷になるわけねぇだろTEAM92 頭が中一
*T-pablow
奴隷にさせてやるよ
まずそもそも知らないからDisできないヘタクソ 毛嫌い
分かるかな 敵対 でも俺達がラップでお前らを追い返す
DOTAMAが矛盾点を「TEAM92 頭が中一」と韻を踏みながら指摘する。
パブロも「まずそもそも知らないからDisできない ヘタクソ」と屈辱的なDisを放つ。
*SHIN
お前のライムは認めるが 落とし所 悪すぎて気づかれない
俺の心見透かせない てか 俺らは死ぬまでラップやるぜ
*aoringo
確かにPablowくん韻とフロウ やばいけど
韻踏んだ後 ドヤ顔はやめろよ
おかしいぜその感じ
TV受けばっか狙ってるだけじゃ HIPHOPじゃねえぜ
SHINもaoringoもパブロは韻もフロウもうまいとリスペクトしてしまっている。
ただ、「テレビ受け狙いのドヤ顔」と「韻の落とし所」についてはDisる。
*DOTAMA
だから君の相方がPablowくんヤバいって言っちゃってるから
認めちゃってるから
落とし所がわからないって言ってるけど
コイツ語尾伸ばしてるだけじゃな〜い
*T-pablow
語尾を伸ばす 俺ラップうまいのお前がわかってくれて
ほんとうにありがとう
そうだよ俺はラップがうまいヤングキング
お前達をいじめちゃうヤンキーみてえなもんだ
DOTAMA 「Pablowくんヤバいって言っちゃってるから、認めちゃってるから、落とし所がわからないって言ってるけど、コイツ語尾伸ばしてるだけじゃな〜い」とSHINに対して重いパンチラインを繰り出す。
DOTAMAはカルマ同様こういったDisりがうまい。
*SHIN
いじめられっ子 惨めだ 結構
お前はとっととかけっこ ビリケッツ ビビってるのか知んねえ
お前の心拍数 ここで無くす
*aoringo
そうさ無くす心拍数 俺もinする ラップするだけさ
それで上がってく
俺とSHINがやばい韻を踏む
これで芸術になる まるでビートルズ
aoringoの「韻を踏む・ビートルズ」のライミングは美しいがいまいちアンサーは返せていない。
*DOTAMA
心拍数止めるか バイタルサイン
でも俺吐くぜ 最悪なライン
誰もが心仕留めてやるぜ
マッドマックス 怒りのデスロード
*T-pablow
高くなるぜ心拍数
俺はいつも新作tuneみたいな韻踏む
ビートルズ お前らに勝つためにまたも韻を踏む
「バイタルサイン・最悪なライン」「心拍数・新作tune」とライミングを決める。
パブロのライミングとフロウは確かに毎回新作tuneのようで新鮮で心地いい。
結果はクリィティカルでモンスターの勝利。この戦いは圧倒的な力の差があった。
今回の放送ではBALAとダースレイダーのスタイルウォーズがかなり印象的だった。
お互いラッパーとして譲れないスタンスのぶつかり合いは熱いものであった。
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