12月にアルバム「K.A.I.K.O.O.」のリリースをする予定のBAKU(DJ/トラックメーカー/プロデューサー/ターンテーブリスト)が、第3段先行シングルとなる「LAN LAN」をリリースした。
今年は未曽有の混乱から始まり、年の瀬が近い今でもそれが続いている。この状況に思うことは人それぞれだろう。BAKUは「LAN LAN」を通して混乱の中でも本当に大切に思うことはシンプルだということを表現している。
「LAN LAN」はシンプルでありながらも雄大な曲
「LAN LAN」はこれまでの先行シングル「New World Order 2020 feat. DOGMA, JNKMN, Asir & KINU」や「VIDEOPHOBIA feat. Jin Dogg, Nunchaku (Tatsuro Mukai, Kuni) , Tomy Wealth」とは異なった雰囲気を持つ1曲となっている。
それはインストゥルメンタルということもあるが、曲自体が持つ包容力のようなものも影響しているだろう。
リリースにあたって本人からのコメントも届いている。
「12月にリリース予定の僕の5枚目となるアルバム「K.A.I.K.O.O.」から毎月1曲ずつ先行配信をさせてもらっているのですが、RAP曲〜MIXTURE曲〜ときて今回の第三弾はInstrumental曲になります。
この奇妙で腹立たしいコロナ禍は、人類にとって最も大事なことを考えさせられる重要な局面にきていると僕は考えています。そしてこのタイミングでは、リアリティがあまりにもないものや、自分と世界に正直じゃない楽曲は出せないと思い、何をするべきかとにかく考え続けました。
そして究極にシンプルな場所にたどり着き、僕は大切な友だちを想って曲を作ることにしました。それがこの『LAN LAN』です。
皆さんにも大切な友だちを思いながら是非聴いていただきたいです。」
今生きている人間が未だかつて体験したことのない混乱は、世界中を巻き込んでそれまでの価値観や当たり前をすっかり変えてしまった。
そんな状況下で、「自分と世界に正直でいる曲」として作られた「LAN LAN」は大切な人を思いやる気持ちは不変であることを教えてくれる。
BAKUらしい浮遊感のある空気感は健在だが、繊細なコーラスが包み込んでくれるような心地だ。
それでいて開けているようにも感じる。
ご本人のコメントにもあるように大切な人を思いながら聞いたり、何か考えすぎたり不安にとらえられそうになった時にも聞きたくなる。凝り固まった気持ちに風が吹くような曲だ。
第1段「New World Order 2020 feat. DOGMA, JNKMN, Asir & KINU 」
「K.A.I.K.O.O.」のリリースまでにはまだ時間があるので、この機会に先行シングルを聞きなおして発売に備えよう。
「New World Order 2020」はラッパーのDOGMAとJNKMN、シンガーのAsirとKINUが参加した豪華な楽曲だ。
New World Orderというタイトルの曲のジャケットがイルミナティカード風のデザインとは、ユーモアが効いたデザインだ。(イルミナティカードのゲームの名前がNew World Order)
ディストピア的世界感満載のリリックと、雅楽(というか和楽器の音)が混沌の中の新世界秩序へ誘う。
これまでだったら、SFやサイバーパンクのようにフィクショナルな曲だと捉えていたかもしれない。
だが今年に入ってからの人々の混乱や様々な変化を思い返すと、極めてリアルに描写されていると感じる。
第2段「VIDEOPHOBIA」
「VIDEOPHOBIA」は以前当サイトでもご紹介したが、やはり何度聞いてもズシンとくる。
【映画VIDEOPHOBIA】DJ BAKUがJin Dogg・ヌンチャク・Tomy Wealthの奇跡のコラボを手掛ける
ハードコアなミクスチャー曲は、映画VIDEOPHOBIAのエンディングテーマとしても注目を集めている。
先行上映も好評で、明日24日からは予定通りK's cinemaでの上映がスタートする。
先日の記事では、この曲のMVを作成するためのクラウドファンディングが開催されているとお知らせしたが、無事目標額を達成した。
それに先駆けMVの撮影を10月初旬から行ってきたそうだが、この曲がどんな映像になっているのか公開が楽しみだ。
11月2日には、渋谷contactで映画公開を記念した音楽イベント「CONTACTPHOBIA」が開催される。才能豊かな豪華アーティストたちが集うのでぜひチェックしていただきたい。
レジェンドDJ BAKUのアルバムが待ち遠しい
DJ BAKUは10代からキャリアを始めて現在に至るまで精力的に活動している。
もはやレジェンドの域にいる彼だが古今東西の音楽を消化し自分だけのサウンドを生み出し続けているが、その進化はとどまる所を知らない。
「K.A.I.K.O.O.」の全貌が明らかになる日が待ち遠しい。
アルバム発売までにはイベントやMV公開などが予定されているが盛り上がりすぎたら、「LAN LAN」を聞いて落ち着くことをお忘れなく。