MC BATTLE & MUSIC WEB MAGAZINE

雑踏ビート

日本語ラップニュース

【映画VIDEOPHOBIA】DJ BAKUがJin Dogg・ヌンチャク・Tomy Wealthの奇跡のコラボを手掛ける

投稿日:2020年9月16日 更新日:

VIDEOPHOBIA

9月16日、DJ BAKUの新曲「VIDEOPHOBIA」が配信でリリースされた。

この曲は、10月24日公開の映画「VIDEOPHOBIA」(宮崎大祐監督)のエンディングテーマとして制作され、ジャンルを超えたアーティストが参加している。

今回は、「VIDEOPHOBIA」の楽曲や参加アーティスト、プロジェクトについてご紹介していきたい。

他では見る事の出来ない組み合わせ

DJ_BAKU

▼ BAKU New Single 『VIDEOPHOBIA』

2020.09.16 Digital Release

  1. VIDEOPHOBIA feat. Jin Dogg, Nunchaku(Tatsuro Mukai, Kuni), Tomy Wealth
  2. 02. VIDEOPHOBIA

ダウンロード & ストリーミング

 

「VIDEOPHOBIA」を手掛けたDJ BAKUは、HIPHOPヘッズには言わずもがなのDJ/トラックメイカー/プロデューサー/ターンテーブリストだ。

日本語ラップ奇跡の世代である1978年生まれで、16歳でDJを始めてから現在に至るまで数多くの楽曲やアーティストのプロデュースを手掛けている。

DJ QBERTやDJ Krushを始め、ジャズ/クラシック/ロックなど広く音楽ジャンルに精通しており、国内外で活躍し近年ではアジアのアート、カルチャーをフックアップしている事でもお馴染みだろう。

個性的で重ためなサウンドを得意とするイメージが強いが、「スサノオ feat.BRON-K」や今年8月にリリースされた「New World Order 2020 feat.DOGMA,JNKMN,Asir&KINU」のように日本的な楽曲も発表している。

VIDEOPHOBIAの楽曲制作は宮崎大祐監督から直接オファーされたそうだが、映画はどんなストーリーなのだろうか。

29歳の愛は女優になる夢を持って上京したが、芽が出ず故郷の大阪のコリアンタウンに戻ることを決める。実家に戻っても夢のために演技のワークショップに通い、バイトで生計を立てていた。

ある日、クラブで出会った男とのワンナイトラブがきっかけで彼女の生活は激変していくことに。

その夜の様子と思しき動画がネットに流出したのだ。その後も動画は投稿され続ける。

自分だと断言はできないものの、それらしき動画がネット上で拡散されていく事実は愛を孤独にし次第に精神に影響を及ぼし始める・・・。

参考:VIDEOPHOBIA公式サイト

フォビアとは「恐怖症」「嫌悪」「忌避」という意味で、VIDEOPHOBIAは「映像恐怖症」あるいは「映像嫌悪」の訳が適切だろう。

図らずも今まさにタイムリーな話題となってしまったが、リベンジポルノやインターネットタトゥーは今の時代であれば誰でも起こりうる問題だ。

きわめて現代的な題材を扱っているのだが、大阪のディープな街並みとモノクロの映像によりいつ・どこで起こったことなのかが曖昧に感じられる。

主人公・愛が感じた、内外の境界線の崩壊による不安や恐怖が映画を見ている我々にも伝わるようだ。予告映画にもこの楽曲が使われているが、エッジが聞いていてズシンとくる特徴がむしろこの世界に自然に馴染んでいる。

小泉今日子の推薦コメントにもあったように、映画全体にヌーベルバーグ的な雰囲気が漂っている。

VIDEOPHOBIA

というか主人公がシートパックをしながら気だるげに一服しているポスタービジュアルは、デザインも相まってかなりアンナ・カリーナっぽい。

国を超えて注目が集まるJin Dogg

Jin Dogg

Jin Doggはダークなトラップビートを乗りこなす日・英・韓のトリリンガルラッパーだ。

様々なタイプの楽曲を発表しているが、「Psyco」のように時にスリリングなテーマも取り扱う。

個人的にトラップはホラーコアとの相性が良いように思うが、この曲はまさにその好例と言えるだろう。カリスマ、というと陳腐な響きだがJin Doggの存在感は唯一無二だし、今回の「VIDEOPHOBIA」の世界観にも通ずるものがある。

そしてこれは余談だが、Jin DoggとZoomgalにも参加しているValkneeは韓国の日本人学校で同級生だったそうだ。

もっともValkneeがHIPHOPに目覚めたのは後になってからだそうだが、2人ともトラップビートに乗せて3つの言語を操るラッパーというのが面白い。

話を今回のコラボ楽曲に戻すと、冒頭で紹介したDJ BAKUのツイートにある通りヌンチャクの「都部ふぶく」をカバーした「the Break」もこのコラボのきっかけの1つだ。

「the Break」はJin Doggのライブでヌンチャクの向とクニと共演が実現し、HIPHOPヘッズもロックのライブよろしく激しくモッシュをしたそうだ。

伝説のバンド、ヌンチャク

Tatsuro Mukai(ヌンチャク)

ヌンチャクは千葉県柏市で結成されたハードコアバンドだ。90年代に絶大な人気を集めた伝説的なバンドで、今もファンは多い。

90年代に巻き起こった第三次バンドブームでは、メジャー・インディーの垣根を超えて多くのバンドが生まれたがその中でもヌンチャクはハードコアロック・パンクを代表する存在として語り継がれている。

GARLICBOYSやハイスタンダードなどとも共演をし、1stアルバム「ヌンチャク」はオリコンインディーズチャートで首位を獲得し、その知名度は全国区となった。

ヌンチャクの魅力といえば、ハードなバンドサウントと地元や自分の友達の話を羅列したネタ的な要素が多い歌詞だろう。しかし、だからこそ「都部ふぶく」のようになんとも言えない味や郷愁も生まれる。

意味無く 
酒飲み 
暴れてた
強けりゃ良いと 思ってた
むかつく奴らをまちぶせした

おまわり 
見つかり 逃げ回った、
あの時はそれで楽しかった
あの時の自分が好きだった

今の自分はもっと好きさ(都部ふぶく)

ハイトーンと低いボイスでラップのようにたたみかける歌唱は、マキシマムザホルモンにも影響を与えており、2013年にはヌンチャクのボーカル・向達郎のバンドkamomekamomeと対バンを行っている。

ラップ的な歌唱方法は別にしても、重くて本格的なサウンドに自分の身の回りのことを歌詞にするという点ではHIPHOPと共通する部分も多いので、普段あまりロックやバンドを聞かないヘッズにもおすすめしたい。

参考:地元ネタを渋いサウンドに乗せるTojin Battle Royalのハタナイアツシ

あらゆる音楽を手掛けるTomy Wealth

Tomy Wealth

Tomy Wealthは、神奈川県横浜市出身のソロアーティストだ。作曲家やトラックメーカーとしても活躍している。

音楽的な家庭に生まれたこともあり、小さなころから様々なジャンルの音楽に触れて育ったきた彼の楽曲はどこか浮世離れしていながらも力強い。ドラマ性のある映画にぴったりだ。

生ドラムをサンプリングしてトラックを作る手法はDJ Shadowにも例えられるが、実際にインタビューでDJ Shadow加入後のJames Lavelleに最も影響を受けたと語っている。

ちなみに向達郎とも「Automatism」という曲で共演している。

MVを見たいならぜひサポートを!

「VIDEOPHOBIA」に参加したアーティストは一見して異色の組み合わせのようにも思えるが、本文で解説した通りその相性の良さは折り紙付きだ。

映画は10月24日(土)からK's cinema、11月7日からは池袋シネマ・ロサ/第七芸術劇場などで公開開始だが、楽曲のMVは制作されていない。

感染症拡大による活動自粛などが原因で制作費用の捻出が困難になったことが原因だそう。

現在、MV制作のためのクラウドファンディングが10月15日(木)まで実施されている。普通のMVではなく、ショートムービー的な映像を作る計画だそうだ。

めったに見れない組み合わせのMVを見たいファンは、ぜひサポートしよう。

よく読まれています

-日本語ラップニュース
-, , , ,

Copyright© 雑踏ビート , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.