2018年から現在にかけて、バトルシーンの勢力図を大きく書き換えたラッパーがいる。
2019年UMBチャンピオン、「Authority」である。
現在、バトル界隈では莫大なプロップスを手にしており、「現役最強」とも言われている。
今回はAuthorityのプロフィールやバトルスタイル、ベストバウトについて、ペン先に集中してお伝えしよう。
ラップバトルの新王者、Authorityのプロフィール
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- 本名:非公表
- 年齢:23歳
- レペゼン:青森県黒岩
- 主な戦績:UMB2018準優勝・UMB2019優勝
Authorityがラップを初めたのは、高校2年生。
キャリアが1年程度であるにもかかわらず、第11回高校生ラップ選手権へ出場している。
しかし1回戦でLuizに敗れ、結果が残せていたとは言い難い。
その後もUMB2016に出場するものの、完全に埋もれてしまった。
というように不遇の時代を過ごした彼だが、UMB2018年で準優勝したあたりから、トップシーンへ君臨するようになった。
青森には、長らく「この人がフットスターだ」というラッパーがいなかった。
しかしUMBに凱旋、戦極やKOKで結果を残したAuthorityが、青森のフットスターとして君臨している。
私生活では、商業高校で留年し、4年かけて卒業するなど、多少ルーズな部分も。
また福岡の街で酔い潰れて救急車で運ばれるなど、多少若い一面もある。
Instagramライブなどを見る限り、性格は温厚でのんびりとしているように見える。
青森弁が混じっており、かなり素朴な印象だ。
尖っているラッパーも多い中、ここまでピースフルなキャラクターも珍しい。
Authorityのラップスタイル
(引用:YouTube)
Authorityのラップスタイルは、「何でもできるオールラウンダー」といったところ。
フロウ・ライム・ヴァイブス・アンサー、即興性にリリシズム、すべてが高水準。
スタイルとしては、R-指定に近い部分がある。
特にリリシズムが美しく、あらゆるものごとを独特に表現。
「十人十色の十一色目」「神の助言すら迷惑行為なんだよ」など、普通のラッパーが考え付かないフレーズを次々と連打してくる。
しかもこれらのフレーズは前後で違う単語で踏んでおり、「言葉遊びの極み」とも言える完成度である。
とにかく全てがハイレベルであり、弱点らしい弱点のない超有力MCである。
Authorityのベストバウトは?
(引用:凱旋mcbattle)
Authorityは、2018年から2020年までの間、とんでもないベストバウトをいくつも残している。
本当に絞り切れないが、特にロックされているものを集めて紹介しよう。
2018年UMB決勝 VS MU-TON
「俺は忍者じゃなくてLastの侍」
Authorityの名前を全国区に広げたバトル。
Authorityは、輪入道やKZとのえぐり合いを経て、決勝の舞台へたどり着きける。
決勝の相手は、優勝候補と目されていたMU-TON。
プロップスで圧倒的不利に立たされたAuthorityですが、強烈なライムを武器に応戦。
2本目まではほぼ互角の戦いを繰り広げる。
しかしMU-TONが2本目をキック中、Authorityは「MU-TONのラインに対して、『食らった』表情をしてしまう」という一幕が。
MU-TONには「あーって顔してんじゃねえよ」と2度に渡って指摘され、主導権を握られてしまう。
最後はMU-TONに「飛車角王手」のライムを完璧に落とされて敗北。
しかしシーンに残した影響は大きく、「Authorityは只者じゃない」ということを知らしめた。
SPOTLIGHT2019年決勝 VS CIMA 3本目
「落ちちゃいけない色はyellowって決まってるんだよ」
躍進を続けた2019年、AuthorityはSPOTLIGHTの決勝へ進出。
HARDY、じょう、バチスタ、KZなどの強敵をなぎ倒しての進出だった。
Authorityは決勝戦で、次々とパンチラインを発動。
決勝戦は3本勝負であり、スタミナを問われるレギュレーションだったが、最後の1本まで勢いは止まらなかった。
対するCIMAは、ボキャブラリがやや枯渇。
そんな中、上記の「落ちちゃいけない色はyellowって決まってんだよ」で会場が完全にブチ上がり、決着がついた。
Authorityの音源
Authorityの音源は、すでに相当な評価を受けている。
バトル中の攻撃性はおさえられており、メロウなフロウが全面に出ている。
現在もっとも注目されているのは、「Dream in」。
再生回数は、2020年8月現在で66万回に達している。
初めて流通した楽曲は「Tensei」。
この時期からR&B的な歌い回しが目立つ。
まとめ
Authorityは、MCバトルで要求されるすべての要素を兼ね揃えた素晴らしいMCである。
今後もバトルは精力的に続けるようで、R-指定の成したUMB3連覇超えにも期待がかかる。
(それを阻止するために、全力で殺しにくる他のMCにも注目したい)
楽曲制作にも積極的で、今後もさらなる飛躍を見せてくれるはずだ。
今後もAuthorityの動向から、目を離せない。