ANARCHYとBADSAIKUSHがEP「GOLD DISC」をリリース!

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「DAYDREAM」での突然のコラボでの熱が冷めやらぬまま、今度は2人のEP「GOLD DISC」がリリースされた。

EPのリリースに先駆けて公開された「ANGELA」のMVも好評だ。2組のキングラッパーが手を組んだ楽曲の魅力をお伝えしていこうと思う。

当サイトの過去のANARCHYと舐達麻の記事はこちら

舐達麻はギャングスタかリリシストか?その正体に迫る

「DAYDREAM」はANARCHYとBADSAIKUSHによる贅沢な白昼夢

GOLD DISCは全曲green assassin dollar作曲

11月7日に突如「ANGELA」のMVが公開された。

以前のコラボ楽曲である「DAYDREAM」の時もそうだったが、事前の告知はほぼなく多くの人を驚かせる形のリリースになった。

さらにMVの公開翌日にはANARCHYとBADSAIKUSH2人によるEPがデジタルリリースされることが明らかになった。

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「DAYDREAM」は、11月中旬現在200万再生を越えておりGOLD DISCの最初の曲となっている。

物語が始まる時刻4:20はマリファナを意味する数字で、「熊谷まで多分行けばクセになる」「THUGはどこで何をしていたって額の絵になる」などBADSAIKUSHや舐達麻を思わせるフレーズが散りばめられている。

他の曲でもそうなのだが、ANARCHYのリリックには恋人とのシーンや女性とのやりとり、HIPHOPを女性に例えた表現があるのに対し、BADSAIKUSHは頑ななまでにそういった表現は出てこない。(まれに情景の描写としては出てくるが)そういった対比もリスナーからは面白い。

STILLにはDJ HAZIMEがスクラッチで参加

2曲目の「STILL」もgreen assassin dollarがトラックを手掛けているが、DJ HAZIMEがスクラッチとして参加している。

警察官も今じゃファンだな

俺がコケたら笑ういい気味

でもサイコロで出た目は1.1.1

文句ある奴らは吠えとけよ 

ほらバックいるなら チャチャっと呼べよ(ANARCHY)

 

1 for Da Gang 2つ目に娑婆

口元にmarijuana

四六時中夢の続き 簡単な話

いくら稼いでも間違えない 俺はカルチャーと混合(BADSAIKUSH)

と、リアルなMCによる刺さるリリックが満載だ。

それ以外にもANARCHYとBADSAIKUSH、それぞれの過去の楽曲からサンプリングされている部分がhookとなっている点にも注目したい。

「毎日 毎月 毎年~」はThe Kingから

「ここって時にだけ命張れ」「喧嘩売る前に己に勝て」はWhere we from

「やりたいようにやる」「ここは048」は100MILLIONS

「ラッパーだクソ野郎」「ガタガタ抜かすな」「ビートにするライム」はLifeStash

など、過去の楽曲も聞き返してみるとその当時とは違うたのしみ方ができるかもしれない。

HOPEはメロウなチューン

3曲目の「HOPE」は、メロウなボーカルから始まる。green assassin dollarらしさがあふれる美しいサウンドだ。

まだGoならFlow その最中Slow

漂う その中を走る言葉がHOPE

綺麗事もSlangで覆う

違反でも向かう真っ黒のGoal

どこまででも伸びてくコース

荒れてる道は推してでも通す

Sky the Limit 屋根はなくOpen

テープを切って取る勝利の報酬

と、日本語ラップ界でもトップクラスとなった現在でも、自らが思う成功への道を進み続けていくことを暗示するhookから始まる。

行く所まで行く 

行ける所まで行く

シルバーのCLS

ちあきなおみ Anita Baker

爆音で首都高速(BADSAIKUSH)

と、最高の入りでBADSAIKUSHのライムはスタートする。

「ちあきなおみ Anita Baker 爆音で首都高速 」というフレーズが、なんとも舐達麻っぽい。

ちあきなおみもAnita Bakerもソウルフルな歌声を持つシンガーだが、しっとりした曲が多い。

それをシルバーのベンツを飛ばしながら首都高で聞いている、というのが舐達麻が持つアンビバレントな要素を示しているようにも感じる。つまり、green assassin dollarの美しく切ないサウンドに乗せて、結構詰めた感じのラップをするBADSAIKUSHそのものを表しているような印象を受けた。

棺桶の中で眠るんだよ

俺様が1% 邪魔すんな

自分の言葉で韻を踏むギャングスタ

BADSAIKUSHのリリックを受け、マクラーレン2台レースするとはさすがキング。

そしてこの「HOPE」が、EPの中で唯一ANARCHYがBADSAIKUSHよりも後にヴァースを蹴っている。

今年10月に舐達麻が受けたインタビューでは、手厳しいが核心をつく言葉がBADSAIKUSHから放たれた。

「でも、売れてからがみんな大変なんですよ。いい歳こいて覚醒剤にハマっちゃったり、お金のために音楽やるようになっちゃったり、近くに行って見てみると、カッコよくなくなった理由とか第一線からいなくなった原因が見えてくるんです。決して年齢だけじゃない。」

引用元:舐達麻インタビュー|俺たちは普通の人間、だからこそ誰よりも真剣に音楽をやってる - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

これまでメジャーで活躍し、自身のレーベルを立ち上げ、映画監督として第一線で活躍しつづけるANARCHYだが、これほどスターになった彼でも自身の夢をのためにまだまだ長い道のりを目指していることはファンとしても嬉しい。新しい姿が見られるのだから。

舐達麻が参加した「ANGELA」

「GOLD DISC」最後の曲となる「ANGELA」は、BADSAIKUSH以外のメンバーも参加しているがパンチラインだらけで

0を1に変えるギャング 命宿す芸術
見えてきたやっと 独房で見た未来
静寂抱かれ抱いた寂しさ忘れない/
必ず実らす 花には水を
胸を張って音に託す俺なりのヒップホップ(DELTA9KID)

償いきれないから今でも溢れる涙が
稼いで使ったお金より貰ったものが大事
一丁前にラップしても売人
Hey Siri ロボットがパニック サグの書くリリック
ディグり続けるんだ指が真っ黒くなるまで
命がけ それが未発表曲がないわけ(ANARCHY)

中でも「Hey Siri ロボットがパニック サグの書くリリック」「命がけ それが未発表曲がないわけ」はEPを代表する名パンチラインではないだろうか。

BADSAIKUSHとDELTA9KIDのリリックは、「0を1に変える」「裁かれなかった大麻」「独房で見た未来」「リアルだけを歌い仲間は謳わない」など同じワードが出てくる。

MVの中では金庫の上、クローゼットの中、厨房の棚の中、車のトランクの中などに入れられた大きなヴィトンのバッグは、彼等が過去にしてきたイリーガルな行為の象徴なのだろう。

最後に燃やすことで、過去や後悔を供養しているようにも見える。

BUDSPOOLとのコラボアイテムも発表

「GOLD DISC」発売を記念して、BUDSPOOLとコラボしたアパレルも発表。

他にも100セット限定で99,999円のジュエリーケース版の「GOLD DISC」のCDも販売されたがすぐ売り切れてしまった。2組の人気のほどがうかがえる。

フィジカル盤の予約はまだできるようなので、以下のショップから確認してほしい。

APHRODITE GANG HOLDINGS

ONEPERCENT

流派-Rにも出演決定!

「GOLD DISC」発売を記念し、「流派-R」への出演も決まった。

11月13日(金)深夜2時23分から放送予定で、出会いからお互いのHIPHOP観について語る様子が見られるそうだ。

15日(日)22時30分からはABEMAのMUSIC BOMBに登場するので、こちらもチェックしよう。

 

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