天才兄弟PUNPEEの弟、最強の適当なラッパー『5lack』という男

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兄はPUNPEE、YENTOWN話題の若手kZm、世界からも注目されているKOHHともコラボ。業界にも存在感が大きく映るこの男。

ラップにトラックメイクもこなし、ファッションにも注目も集める男、5lackとは一体何者なのか?

5lackとは何者なのか?S.L.A.C.K.から5lackへ

1987年生まれ、東京都板橋区出身、MC兼トラックメイカー。2007年より、実兄PUNPEEとその友人GAPPERによるP&Gに加入しPSGとして活動。2009年に1stAlbam『MySpace』を発表。その後、S.L.A.C.K.名義で3枚、計4枚のソロアルバムをリリース。

ではまず、PSGの『寝れない』と、1stAlbamlから『good more』を続けてライブ映像で見てみよう。

(出典:PSG - 寝れない!!! @ りんご音楽祭2013)

『適当だけど、それがカッコイイ』5lack氏の醍醐味を感じていただけただろうか?

2012年頃から『5lack』(スラック、ゴラック)名義での活動開始。計3枚のアルバムをリリース。そして、最新作『KESHIKI』へ・・・

 

2018年の最新作『KESHIKI』は、サンプリング素材を使用せず作り上げられた巧みなトラックの上に、ソロ活動10周年を目前とした彼の心境の変化が織りなすリリックが風景の様に広がる。まさに『KESHIKI』という名が相応しい一枚だ。
31歳の彼が年相応のHIPHOPを目指したと言う今作品は、昨今のバトルブームとは一線を書くような仕上がりとなっている。先行配信された『Twiligh Dive』はその代表曲と言っても間違いないだろう。肩の力が抜けた先に彼の今という世界観が広がっている。チルさとシブさが共存する珠玉の楽曲だ。

(出典:Twiligh Dive/5lack)

そして、フューチャリング勢も意外な2名が参加。世界からも注目を集めるラッパーのKOHH、Reggae界からRUDEBOY FACE、それぞれが一曲ずつ客演で参加している。なんとも意外な2名だが、どちらの曲もそれぞれの声やフロウと世界観が5lackと絶妙なマッチをして、アルバムに彩りを加えている。

フューチャリング曲からもPVを1本ご紹介させていただきたい。影道(Shadow) 、客演はRUDEBOY FACE。彼のReggaeフロウと5lackのラフなフロウが気持ち良く絡み合う1曲に仕上がっている。

(出典:-影道(Shadow) Feat.RUDEBWOY FACE- 5lack/Beat by BudaMunk)

どこにも属さない、5lackの今が描かれたKESHIKI、ご紹介させた頂いた以外の曲も言うまでもないが素晴らしい仕上がりとなっている。アルバム1枚を通して聴くことで、よりリスナーの欲求を満たしてくれるだろう。是非とも手にとって頂きたい一枚だ。

ソロだけじゃない数々のコラボもたまらない

最新作『KESHIK』Iでのフューチャリング曲について上記で触れたが、他のアーティストとも沢山の共演をしている。Oil WorksからOlive Oilとの5O、MONJUやDown North Campの他ソロでも活動するISSUGIと海外からの人気も根強いトラックメイカーBudamonkとののSick Teamの他、Kojoe、iri、YEN TOWNのkZm、Black SmokerのKiller Bongなどなど、コラボ曲も醍醐味の一つだ。

これ無しでは語れない5lack x Olive Oil  『5O』

Olive Oilの独特なトラックの上に5lackのチルなラップが映える5Oこれまでに2枚のアルバムをリリース。

まずは楽曲を聴いていただきたい。

5O名義で2作目となるアルバム『5O2』から2曲をご紹介!

(出典:5lack x Olive Oil (-502-) / もういい)

(出典:5lack x Olive Oil (-502-) / FRIDAY)

Olive Oilの特徴的なビート上に5lackの滑らかなラップがのる。力のこもったパワフルな面と肩の力が抜けたラフな面、対局に当たる2つのパワーバランスがこんなにも取れている組み合わせはなかなか無いのではなかろうか?正に最強タッグと言っても過言ではなかろう。

現在、5lackはOlive Oilが拠点としている福岡で暮らしている。実兄PUNPEEのラジオに出演した際に語っていたのだが、『スケートボードをして、料理をして、制作をして、都市から離れた福岡でマイペースな生活を送っている』とのこと。その背景がこの絶妙なチルさを生んでいるのかもしれない。

哀愁とチルがマッチ5lack x Kojoe 『Fellin29』

ヒップホップではあまり多く見ないかもしれないラブソングだ。過去の愛を悲しげに5lackとフューチャリングのkojoe、2人がラップする。

(出典:Feelin29 Feat.KOJOE - 5lack)

愛と悲しみが溶けて合わさった様な一曲。この曲に多くを語るのは野暮かもしれない。噛めば噛むほど奥歯から味がゆっくり広がるような曲、静かな夜に噛み締めるように聴いてみてはいかがだろうか?

世代を超えたコラボ5lack x kZm 『wolves』

こちらはYEN TWONの最年少MC『kZmに5lackがフューチャリングで参加した一曲

(出典:kZm - Wolves feat. 5lack (Prod. Chaki Zulu))

ここまでに紹介した曲と比べるとパワフルな仕上がりの1曲。kZmの世界観の中でも5lackらしさは失われることなく現れている。そして、その2つが交わり世代の壁を切り捨てた1つの作品に仕上がっている。現代における、カウンターカルチャーの1つの姿なのかもしれない。

切っても切れない5lackとファッション

今まで数本のPVをご覧いただいたが、彼のファッションに目が止まった方も少なくないだろう。昨今のヒップホップではタイトなスタイルがトレンドだが、それに流されないオールドスクールでオリジナリティが溢れるファッション。HIPHOPスラングを借りるとフレッシュという言葉が的確な表現かもしれない。

 

また、5lackはadidasのキャンペーンモデルにも起用されている。今まで紹介したPVでも、パンツやスニーカーを着用していたのはお気付きだろうか?

19年7月にアップされた最新PVでもadidasを着用している。いくつかのコーデが登場するが、どれをとってもお洒落。また、出演陣も豪華で、上記で紹介したPSGのメンバーやYEN TOWNのkZm、Sick Teamで共に活動をしているISSUGIも登場している。そして、何より90年代を彷彿とされる様なドープなトラックと、彼の魅力溢れるリリック、それが1番彼を魅力的に仕上げているのかもしれない。

(出典:Grind the Brain / 5lack)

5lackとファッション、2つを結びつけるものは、彼の生き様、雰囲気、バックボーン、そして何よりも彼が作り出すトラックやリリックであって、常人には真似できないお洒落がそこにはあるのではなかろうか。

最後に…

5lackは今の日本のヒップホップシーンを語る上では欠かせない存在と言っても過言ではないだろう。

彼が作り上げるものから滲み出るオリジナリティ、肩の力が抜けた様なラフさ、今のシーンに不足しがちなモノが彼の中には沢山詰まっている気がする。

バトルブームの昨今、フリースタイルもヒップホップに必要なものである事は間違いない、しかし要素の1つであって、5lackはもちろん、それだけでは無く沢山の要素がこのシーンには詰まっていて、どれも欠かせないのは間違いない。様々な方向へアンテナを張ってディグり続ける為のキッカケや手助けになれば幸いだ。

自由の文化であるヒップホップ、そのシーンの中の1人、自由で適当な男5lackの魅力は少しでも伝わっただろうか?

肩の力を抜きたい時、是非5lackの楽曲を聴いて欲しい。そこには彼のオリジナリティと日本語ラップシーン最高級のチルが待っているだろう。

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