2月17日、Red Bullがキュレートするその場限りのマイクリレー「RASEN」第五弾がYouTubeチャンネル「レッドブル マイク」にて公開された。
「RASEN」episode5
参加ラッパーは4名……誰だと思う???📺2月17日(水) 18:00プレミア公開
🔔https://t.co/AUN5lWOE0q#RedBullRASEN pic.twitter.com/NR2KZrtagU— Red Bull Music JP (@RedBullMusicJP) February 15, 2021
5回目となった今回のメンバーはBES,MUD,Gottz,ISSUGIの4人。
これまでのRed Bull「RASEN」では、以下のメンバーがマイクリレーを行った。
第一弾 LEX/SANTAWORLDVIEW/荘子it/Taeyoung Boy
第二弾 Daichi Yamamoto/釈迦坊主/dodo/Tohji
第三弾 week dudus/BBY NABE/vividboooy/Fuji Taito/Kvi Baba
第四弾 ¥ellow Bucks/Eric.B.Jr/MIYACHI/Kojoe
毎回異なるコンセプトで選出されたラッパーとビートメーカーが生み出すマイクリレーには、毎度注目が集まる。
今回のビートはC.O.S.A.が手がけ、そのスパイシーで攻撃的なビートはBES,MUD,Gottz,ISSUGI4人の渋くてかっこいいラップを引き出している。
超重量級メンツでアゲ🔥BESさんのオープニングがとにかくエグい!!!全然イベントも行けてないし、この四人のリレーを観れるってだけでありがたや🙏🏻BES / ISSUGI / Gottz / MUD|Red Bull RASEN https://t.co/wKRPFd6QHm via @YouTube
— Shiho Watanabe (@shiho_wk) February 17, 2021
今回は、第5弾の「Red Bull RASEN」の魅力を紹介していこうと思う。
第5弾「Red Bull RASEN」
今回は、過去に2作のジョイントアルバムを作り、抜群のコンビネーションをヘッズに証明したBESとISSUGIの2人と、コラボアルバム「VERTEX」などで共演を重ねてきたKANDYTOWNのGottzとMUDが参加している。
BES verse
虚な目つき手つき 宙を舞う 煙吐き出す 俺GOD mouth
今も空の上を飛行中 いかれた言葉 km単位で運ぶ
BESから始まるこのマイクリレー。出てくる言葉一つ一つがかっこいい。それだけでなく、しっかりと硬い韻を踏んでるところがさすがすぎる。BESのゆっくりとケツでライミングするスタイルは、最近の若手ラッパーではあまり見られないスタイルだが、逆にそこにHIPHOPを感じてしまう。
完璧に韻を落とした後のISSUGIへのマイクパスがとても自然でBESとISSUGIの信頼関係の強さを感じられる。
ISSUGI verse
Trap or BoomBap そうじゃねぇ 俺が見せるセンス お前がお前じゃなきゃ残念
温故知新 破る擬品 自信 俺の見てる野望 もっとでけえし
さりげなく、めちゃくちゃに踏み倒すISSUGIが最高にかっこいい。
熱量のあるバイブス満タンのラップ、高レベルのスキル、ワードセンスの三つをあわせ持ったラッパーはそう多くないだろう。
Gottz verse
結局最後自分 踏み出すその足跡は自由 このビーツ乗りこむ C.O.S.A.
思わずビートと同化してると言いたくなってしまうほど、C.O.S.A.のビートを完璧に乗りこなすGottzのラップスキルは本物。
skillが無くても力持ちか
この部分は、BESの楽曲「ILL Wheels」のラインをサンプリングした物で、とてもリスペクトを感じる。
skillがなくても力持ちか?
ため息出るほどお金持ちか?
目も当てられないロクデナシか?
半端もんか?まあそんなもんだ!
MUD verse
BESとISSUGIが抜群のコンビネーションを見せたように、GottzとMUDのマイクリレーも流石の連携。
WE ARE THE KANDYTOWN いつものやつらと街を騒がす
今宵もJUMP AROUND 空へ羽ばたく
巧みな英語を交えながらのラップは圧巻。さらにKANDYTOWNの名をしっかりとバースの中に入れるところにKANDYTOWNのメンバーへの想いが感じられる。
4本のマイクで繋いだ円(縁)は、今回も螺旋を描いて高みへ登った。
Red Bull ホームページで参加MCのインタビューを公開
Red Bull ホームページでは、マイクリレー「RASEN」に参加したラッパーたちに迫るショートインタビューを公開している。ラッパーたちのルーツや今後の展望、今回のサイファーの感想などを見る事ができる。
BES インタビュー「20年後に爪痕を残す・・・自分の好きなことをやるのが基本」
ISSUGI インタビュー「カッコいいと思えることをやり続けるだけ」
Gottz インタビュー「日本のシーンはもっとおもしろくなっていく」
MUD インタビュー「ラッパーの理想像は“シンプル・イズ・ベスト”」
過去のRed Bull 「RASEN」を振り返る
第一弾 LEX/SANTAWORLDVIEW/荘子it/Taeyoung Boy
この4人を一言で表すとするならまさに才能の大渋滞。KMの難しくダークなビートも乗りこなしてしまう若き才能につい圧倒されてしまう。
LEXの独創性と唯一無二のオリジナリティ、SANTAWORLDVIEWの溢れ出るラップセンス、trapのビートでもスタイルがブレることなく、渋くてかっこいいラップを披露する荘子it、音源と聴き間違えるほどの完成度を見せるTaeyoung Boy。YouTubeコメント欄では、偏ることなく4人の名前が上がっていることからも、このマイクリレーのレベルの高さがわかる。
第二弾 Daichi Yamamoto/釈迦坊主/dodo/Tohji
5回のRed Bull RASENで2021年2月現在一番の再生回数を誇る第二弾。
とにかく一人一人の個性が強いこの4人。そして、この4人の個性により深みを出すVaVaのビート。聞けば聞くほどクセになる良さがこのマイクリレーにはある。
Daichi Yamamotoの正統派ラップから始まり、自分の世界観を巧みにラップに乗せて伝える釈迦坊主、見た目の派手さが目立つヒップホップシーンの中でも等身大の自分を大切にするdodoのラップと続き、唯一無二の最先端スタイルで自分を表現するTohji。
スタイルの全く違うように見える4人だが、この4人からは「自分を貫くことのかっこよさや大切さ」を学ぶ事ができる。
第三弾 week dudus/BBY NABE/vividboooy/Fuji Taito/Kvi Baba
week dudus、BBY NABE、vividboooy、Fuji Taito、Kvi Baba。誰も予想する事ができなかったであろうメンバーが揃った第三弾。
本来HIPHOPがなければ交わることのなかった5人がその場限りのマイクリレー「RASEN」で交わる。
Lil'Yukichiのクセの強いビートに飲まれることなく5人とも個性を出し切るところがすごい。Fuji Taitoの「俺以外のラッパーが不安材料」と攻撃的なスタンスでラップをするところなど、見所の多いマイクリレーとなっている。
第四弾 ¥ellow Bucks/Eric.B.Jr/MIYACHI/Kojoe
異次元のスキルを持ち合わせた4人がRed Bull RASENに満を辞して登場。
これまで若手が多めの人選だったところに、急に実力派ラッパーを選択するところにRed Bullのセンスを感じられる。
Howlin'Bearのスピード感溢れるビートに、4人が圧倒的スキルで畳み掛ける。ラップが上手いと一言で言っても様々な上手さがあるが、4人全員の種類の違う上手さを体感する事ができる贅沢なマイクリレーとなっている。
螺旋の行き着く先はヒップホップの未来か
毎度毎度、誰もがあっと驚く人選で日本語ラップシーンを盛り上げてくれるRed Bull RASEN。
第四弾、第五弾では実力派ベテランラッパーなども参加しており、ますます次の第六弾のメンバーの予想は困難になるだろう。ラッパーとビートメーカーが生み出すマイクリレーRed Bull RASEN。次の第六弾にもぜひ期待していきたい。