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コラム

大麻使用罪が導入される?行政は若年層への蔓延を危険視、海外はなぜ合法化?

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2021年1月に入り、いわゆる「大麻使用罪」の創設に向け有識者会議が開かれる。このニュースは、医療用大麻使用を実現を目指す人や、ヒップホップ界隈にとりわけ大きな衝撃を与えた。

古くから文化と結びついていることもあり大麻についてのスタンスは人によって異なる。ヒップホップと大麻も浅からぬ関係があり、大麻使用を公言するラッパーや大麻をモチーフにした曲も多く、ヘッズからも人気がある。

欧米を中心に、大麻使用を合法化する国や自治体も増えてきている風潮に逆行するような本邦の動きだが、2月25日の検討会ではより本質的な議題を取り扱ったそうだ。(議事録はまだ公開されていない)

今回は、

・なぜ大麻使用罪の創設が進められようとしているのか
・どのような反対意見があるのか
・世界的な動きについて

という3つのテーマについて考えていきたいと思う。

厚生労働省が有識者会議で検討を開始

「大麻使用罪」というワードがSNSのタイムラインで話題になったのは、2021年1月13日のことだった。

現在、大麻取締法によって大麻草と樹脂の所持・栽培・譲渡が禁じられている。

また、大麻取締法第四条二項、三項、四項において医療の場での使用や医事薬事効果を謳う大麻の広告も禁止されている。

使用については明記されていないが、立証が難しいことや、麻を扱う研究者や栽培者などが故意でなく吸引する恐れがあることなどが理由だと考えられてきた。

では、一体なぜこのタイミングで対象の拡大が検討されるようになったのだろうか。

1月20日に行われた、「大麻等の薬物対策のあり方検討会」第1回の議事録を見てみよう。

それによると、違法薬物全般の検挙人数は13,860人と横ばいで、薬物の種類で見てみると覚醒剤は減少傾向にある(押収量自体は増加)一方で、大麻の検挙人数は6年連続で増加。特に30歳未満の若年層が増えつつあるのだそう。

詳細なデータはこちらから確認できる。

大麻の生涯経験者人数、1年間の経験者人数推計値も平成19年の0.8%から、2021年(令和3年)では1.8%と倍増している。

もちろんこれは実測値ではないが、検挙人数から考えると若年層に大麻が浸透していることは間違いないだろう。

有害成分THCが脳内カンナビノイド受容体に結合して神経回路を阻害したり、軽度の身体依存もございます。あとは、最近では例えばBHO(ブタンハニーオイル)のようなTHC濃度が非常に高いものが出てきているということが特徴です。
作用としましては、認知機能、記憶等の障害、知覚の変容等がありますが

引用元:2021年1月20日 大麻等の薬物対策のあり方検討会 議事録より

大麻に含まれるTHCは精神・身体に有害だとし若年層への広がりを懸念している一方で、近年の国際情勢についても触れており欧米で認証されているEpidiolex(英)などの医療大麻製品を「大麻研究者免許を持っている医師が個人輸入して自分で研究することはできる」としている。

ただ、先ほど説明した通り大麻取締法で大麻の医療使用や広告は禁止されているので、研究した上で有用性が認められたとしても治療や施術に使用はできないというジレンマに陥ることになる。

当然こうした「禁止ありき」の姿勢で帳尻を合わせようとする行政の動きについて、反対する意見も少なくない。

「真面目にマリファナの話をしよう」の著者としても知られている佐久間裕美子氏は、1月18日に使用罪反対の意見を明らかにした。

この記事でも語られているように、たしかに欧米諸国や一部アジアでは大麻解禁の流れがあるが、その理由や扱いは一言でまとめることは難しいので記事の後半であらためて触れたい。

佐久間氏は、「厚生労働省が科学的データや医学研究よりもレトリックを優先している」と指摘しているが、たしかに厚生労働省の注意喚起を促す冊子では、「リーファーマッドネス」ばりに大麻がヘビードラッグのように描かれているのはやや違和感を覚えた。

HIPHOPと大麻の関係

クラブシーンや音楽全般のカルチャーは、大麻と深い関わりがあるがご存知の通りHIPHOPも例外ではない。

酒・たばこ・マリファナ・ドラッグ・処方薬をモチーフにした曲は数数え切れないほど存在している。

ブレイクビーツを発明したクール・ハークなどのパーティでもマリファナが売られるなど、文化の成り立ちから切っても切れない関係にある。

アメリカでの大麻規制1910年代にまでさかのぼる。

メキシコからの移民労働者が仕事終わりの一服にしていたことなどから、アメリカ南部を中心に黒人労働者やジャズミュージシャンとリスナーにも大麻の習慣がひろまった。

それに対してキリスト教保守・白人至上主義的価値観、生産性向上を求める産業のニーズが一致して1930年代に入り違法化が本格的に進められる。

世紀の悪法とも名高い禁酒法のなりたちと酷似しているようにも思えるが、実際、大麻規制の指揮をとったのは、FBN(連邦麻薬局)初代局長であり禁酒法支持派のハリー・J・アンスリンガーだ。

皮肉なことに、1920年代のアメリカの都市部で大麻が広まったのは禁酒法下で、闇取引されていた高価な酒よりも大麻が安価だったことも影響している。

もっとも、アンスリンガーは心から大麻を脅威と感じていたわけではなく、政治家としての立身出世のためにアンチ・マリファナに鞍替えしたという説もある。

大麻は有色人種がするような低俗なもの、といった具合に反大麻のプロパガンダにはラテンアメリカ人、黒人などが悪役として使われた。ちょうど、ゴールドラッシュ後のアヘン規制と中国人排斥運動のように。

この悪しき風潮は現代に至るまで暗い影を落としているのだが、詳しくは記事後半で解説する。

第二次世界大戦後の1948年にGHQの指示によって日本でも大麻取締法が制定された。

有色人種の差別にも使われていたルールを日本に押し付けるのは矛盾しているようにも感じるが、日本人への道徳教育というよりは進駐軍を律するためだったのではという分析もある。

アメリカのタバコを売るために日本の大麻を禁止した、という論もまことしやかにささやかれるが、日本原産の大麻はTHCが少なく、ぜんそくの薬として販売されていた「印度大麻煙草」は海外のものを使っており、明治29年の読売新聞の広告では30本入り30銭と見える。

この通りの値段であれば、現在の価値にして6,000円ほど。同じ時代の国産高級タバコの敷島20本10銭(約2,000円)、朝日20本8銭(約1,600円)などと比べても高値だ。戦前に大麻煙草が広く常用されていたと考えるのは難しい。

話をアメリカに戻すと、大麻と有色人種と音楽、それに人種差別は密接にリンクしていたという前提がある。

そのためHIPHOPでも労働者階級の移民や有色人種が黎明期からブロックパーティーでマリファナを吸って楽しんでいたり、音楽ではまだ食べていけないラッパーがパーティーでプッシャーをしていたという逸話はどの時代にもある。

そうした背景から、合法化される前からビギーやsnoopのようにマリファナ好きを公言したり、コミュニティの文化として尊重するラッパーも多い。

一方で、ケンドリック・ラマーのように自分の考えでマリファナをあえて吸わないラッパーもいる。De La Soulもマリファナ吸わない派だが、 B-RealとJayDeeという吸う派のラッパーを迎えた「Peer Pressure」では「お前も吸うだろ?」という仲間内の同調圧力に困惑する様子をユーモラスに描いている。

日本のヒップホップ界では、BUDDHA BRAND、TWIGY、MSC、D.O、SEEDA、MEGA-Gらがストーナーラップのクラシックを生み出している反面、Rhymesterや般若、KEN THE 390、サイプレス上野のように大麻をしないことを明確にしているアーティストも少なからず存在している。

梵頭、DOGMA、ジャパニーズ・マゲニーズ、舐達麻、rkemishi、RYKEYなど多くの曲で大麻が登場するラッパーもいるが、ラッパーとしてのミームの一環としてSNSで大麻などを映す人も出てきて嗜好品や生活のための商品という域を超えてマーケティングやブランディングの道具としても使われ始めている。

ヘッズの間でHIPHOPとしてリアルなのかどうかについて度々議論に上がるCreepy Nutsも、大麻やドラッグに頼らずにHIPHOPをする姿勢を度々リリックにしている。

このように、HIPHOPと大麻は深い関係にあってもアーティストが実際に利用するかどうかはスタンスによって異なる。

ハードドラッグも大麻もする人もいれば大麻だけをする信条を持つ人もいるし、違法ドラッグはやらなくても、処方薬やリーンを嗜むラッパーもいる。合法・脱法・違法ドラッグや嗜好品をしないラッパーもおり、それはスタイルの違いとして、小さな議論があってもやるもやらないも個人の自由と考えられてきた。

しかし、2019年にDOTAMAが警察庁の大麻撲滅キャンペーンに出演した時は諸説紛紛の様相であった。

 

・大麻「撲滅」はやりすぎ
・警察という体制側につくのはラッパーとして適切ではない
・HIPHOP文化へのリスペクトがない
・やり方がHIPHOP的ではない

という意見もあれば

・ドラッグの抑止力となるラッパーがいてもいい
・薬物で逮捕されて周囲に迷惑がかかることが多い
・良い社会貢献だ

と賛成する声も見られた。

HIPHOPのヘッズ的には、前者の割合が多めに見られた。

言い換えれば、それほどラッパーやHIPHOPが市民権を得ていることでもあるのだが。様々な意見もあってか、キャンペーンページは特に更新されていない。

大麻は体に有害なのか

2020年12月に行われたCND(国連麻薬委員会)のWHOからの勧告に対する投票で、国際的な薬物統制の評価基準として使われる「スケジュール・リスト ※」での大麻の位置づけがカテゴリーⅣ(カテゴリⅠの中でも特に危険で、医療上の有用性がない)からカテゴリーⅠ(乱用の恐れがあり、悪影響を及ぼす)へ変更された。

※・・・スケジュール・リストでは、カテゴリーⅣ(ヘロイン等)>Ⅰ(コカイン・あへん・モルヒネ等)>Ⅱ(コデイン)>Ⅲ(コデインを使った錠剤)の順で危険度が高いと位置づけされている。

大麻についてのスタンスは人それぞれだが、個人的な感覚からすると危険度が1ランク下げられても大麻とコカインやモルヒネが同じカテゴリーになるのかと少し驚いてしまう。

それでも、医療的な有用性がないことは否定された。その矢先に起こった日本の厳罰推進だったので、医療大麻解禁を支持していた方にとってはさぞ残念だっただろう。

ちなみに、CNDの投票では日本は反対票を投じている。

医療大麻はがん治療や、痛みの緩和ケア、てんかんなどに効果があるのではと考えられており、2018年に大麻取締法違反で逮捕されたD.Oもご両親のご病気のケアのために使っていたという。

医療用大麻というと、THCを含まないCBD製品というイメージがあるが、製品や使途により使用する成分は異なる。

では、嗜好品としての大麻に目を向けてみよう。

有害性という観点からでは京都大学大学院薬学研究科生体機能解析学分野や、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターの舩田正彦・富山健一、両氏による論文では、大麻に含まれるTHCという成分がもたらす害や依存性を指摘している。

また、リラックスする作用から、勉強・仕事・車の運転など集中力が必要な時の摂取は適さないという意見もある。

実際、ワシントン州など嗜好品としての大麻を解禁した州では交通事故がそうでない州と比べて5%ほど増加している。

デンマークやアメリカの研究機関では、若年層における大麻乱用と統合失調症やうつ病の発症リスクの関連性も調査されているようだ。

GCDP(世界薬物政策委員会)が発表したレポートでは、大麻は使用者本人への害・周囲の他人への害の両方ともにアルコール・タバコよりも低いとされ、ニュージーランドの元首相であるヘレン・クラーク氏は「害や依存性が全くないわけではないが、公衆衛生の観点から考えると禁止ではなく規制が必要だ」と語る。

医療の場での使用や、ストレス発散、リラックスといった働きが期待される一方で、乱用やTHCの割合には注意が必要だ。

大麻はゲートウェイドラッグになるか?

大麻を反対する人の意見として、「ゲートウェイドラッグになり得る」というものがしばしば見られる。

ゲートウェイドラッグとは、より強いドラッグ使用のきっかけとなる存在のこと。

昔はシンナーや危険ドラッグがゲートウェイドラッグだと考えられていたが、それらの規制が強化されてからは大麻がゲートウェイドラッグだとされている。

果たして大麻は本当にゲートウェイドラッグとしてよりハードなドラッグ乱用に繋がっているのだろうか?

全米科学アカデミー傘下のNIDA、アメリカ精神医学会(APA)、などの研究で度々反証されている。

2014年6月30日のニューヨークタイムズの記事では、マリファナのゲートウェイドラッグとしての機能を否定しつつ未成年の摂取は規制すべきだとしている。そして、本当のゲートウェイドラッグは酒とタバコだとも。

大麻を違法とする法律こそが、大麻をゲートウェイドラッグたらしめているという指摘もある。つまり、違法であるからこそ試したいと考える人がいる、合法的な入手方法がないためその他の違法ドラッグにも手を染めやすいということだ。

それはどのドラッグにも言えることのようにも感じるが、大麻合法化した州ではアルコールや他のドラッグの消費量が減少したというデータもある。

レイプや強盗などの他の犯罪の抑止になるという研究データもあるが、解禁後の一時的なものかもしれないので慎重な分析が必要だ。とはいえ、大麻合法化により治安の悪化や犯罪率の増加などが認められないことは注目すべきだろう。

海外ではどんな扱いになっている?

ここまでは、日本とアメリカの大麻についての姿勢について解説したがその他の国の状況についても紹介していこう。

カナダ・ヨーロッパ

世界に先駆けて大麻の合法化に踏み切った国といえば、オランダが思い浮かぶ。

ただ、厳密に言えば大麻などのソフトドラッグの使用は違法でありながらも、18歳以上の大麻使用は公衆衛生上非犯罪として扱われている。

現在、他のヨーロッパ諸国やアメリカで用いられているハーム・リダクションという考えをいち早く実施した。

ハーム・リダクションとは、ドラッグやアルコールなどの悪影響を及ぼす健康習慣をすぐに断ち切るのではなく、基本的人権を尊重しつつ現実的に影響や問題を軽減させるためのプログラムや試みのことだ。

罰則では根本的解決にはならないし、犯罪歴が付くことで基本的人権も損なわれ得る。そこへ行くと日本のやり方はハーム・リダクションから著しく逸脱していることになる。

オランダでは、ハードドラッグへの防波堤として大麻の使用を許容している面もある。行政が管理している「コーヒーショップ」でIDを提示しての対面販売が原則だ。同じく非犯罪化政策(もしくは刑罰軽減)をとっている国として、ポルトガル、ドイツ、チェコ、フランスなどがある。

2018年に大麻使用が合法化されたカナダは、それ以前から医療大麻が入手しやすいという面があった。トルドー首相は、非犯罪ではなく合法化することで犯罪組織に資金が流入しない。「ビールを買うためにはIDがいるが、マリファナを闇市場で身分証なしで買える」と語った。それまでは年間6,000億円が売上として犯罪組織に流れていたという。

イタリアも同様に、マフィアの資金源を断つことを目的としている。成分の軽い製品であれば、身分証を提示すれば自販機でも購入できるようだ。

カナダは州によって、使用できる年齢や栽培・食品への添加の可否が異なる。

同じく娯楽用の大麻の使用が合法なスペインは、オランダ同様大麻と他のハードドラッグが分けて考えられておりコーヒーショップなど認可を受けた店での販売をのぞいてパーソナルなスペースでの使用に限られている。

それほど罰則は厳しくないようだが、保健省によると公共の場での使用や違法な取引には刑罰が科せられるようだ。

ベルギーは3gまでの所持が可能だが、スペインは100gまで所持が認められている。ヨーロッパではないが、オーストラリアも個人が少量所持するのは非犯罪化されている。

スイスは、娯楽用大麻の解禁にはいたっていないが医療用大麻が特別な許可なしで使用できるようになった。保険対象外のため自費での支払いとなるが、医療的に有用性が認められれば保険対象となる可能性もある。

南米

南米で政府の監視下のもと大麻の所持・生産・流通・販売が合法となったのは、ウルグアイだ。

「世界一貧乏な大統領」としても知られているムヒカ元大統領が合法化を進めたのだが、その理由はカナダと同様犯罪組織の資金源を断つことで、闇取引される製品の価値を落とすため価格は安く抑えている。

事前に登録が必要で未成年の使用、運転中の使用は禁止されているが、国内でも賛否両論あるという。

世界でも最大のカルテルがあり、抗争が激化していたメキシコでも娯楽用大麻の合法化が進められている。すでに昨年11月下旬には上院を可決し、近いうちに下院でも承認される見通しだ。

麻薬産業は長らくメキシコのダークサイドとしてのイメージがあったが、合法化によってその様相がおおきく変わるだろう。世界最大の市場となって経済成長に繋がる可能性もある。

ブラジルは合法化はされていないものの、医療用大麻の輸入と産業用低大麻の栽培を認める判決が出された

ラスタの本場ジャマイカでは2015年に刑罰を軽減化。

アジア

北米・ヨーロッパ・南米などと違って、大麻に厳格な姿勢を撮り続けているのはアジアだ。

中国は、麻(ヘンプ)を栽培してきた長い歴史を持つ。現在でも雲南省など巨大な生産地はあるが、CBD製品や医療用大麻に限定されている。

しかし、生産された製品は主に海外輸出用で、中国国内での使用は化粧品へのCBD添加のみ認められている。

ただ、大麻を含む麻薬犯罪に対しての厳罰は最悪死刑とかなり厳しい。コロナ禍においてGDPプラス2.3%と、他の国と比べても経済的な打撃が少ないこと、習近平主席が麻薬の取締を厳格にしたこともあり合法化は日本以上に遠いかもしれない。

韓国は医療大麻が合法化され、今後は生産も視野に入れているようだが相変わらず娯楽使用は違法だ。Bill Staxというラッパーが合法化を主張している。

公的にアジアで最もオープンと言えるのはタイで、医療大麻の解禁、2021年には病院で大麻料理が提供されるなどユニークな試みをしている。家庭での栽培も実験として、段階的に許可しているようだ。

フィリピンはドゥテルテ大統領政権になってから、取締が激化。全土で行われている麻薬撲滅運動が戦争状態になり数千人規模で死者が出ている。

中近東、アフリカも違法としている国が多いが、レバノン・ガーナ・マラウイ・イスラエルなど医療用や産業用大麻を合法化(または容認)している国も徐々に出てきている。

日本の大麻合法化は遠い?

ここ最近でかなり増えてきているとはいえ、日本の大麻経験人数の割合は諸外国と比べても低い水準だ。

国際的に合法化が進む背景には、ハーム・リダクションの実践や犯罪組織の資金源を断つ他にも理由があるとされている。

それが大麻使用による逮捕の人種・宗教的な格差だ。

アメリカのデータによると、黒人は白人よりも大麻所持等で逮捕される確率が高い。ワシントン州では8.05倍、ミネソタ州では7.81倍、イリノイ州では7.56倍も黒人の方が逮捕されているのだ。

もちろん人種によって使用率がこれほど差があるわけではない。有色人種であるがゆえに警察から目を付けられやすいというバイアスが存在している。

驚くべきは栽培や販売が合法化(または非犯罪化)された州でも、公共の場での使用によって黒人は白人の11倍逮捕されているそうだ。

同じことはヨーロッパでも起こっている。フランスでは、全人口6,700万人のうちアラブ系ムスリムは9%程度だが逮捕される割合は他の人種や宗教よりも高い

欧米の大麻合法化はこのような差別の是正を目的とした面もある。

個人的には海外の背景を知らずして娯楽目的の大麻合法化を望むのはやや疑問が残る。推進派がよく語る「安全で平和」という神話も、高純度のリキッドや樹脂、品種改良された高THC大麻の存在に触れていない点を厚労省と同様に不誠実に感じる。

かといって厳罰化の必要性を感じないし、使用罪の創設により特定の人種・性別・職業など属性への偏見が加速するのではないかと危惧している。

日本でもCBD製品は合法だが、医療大麻についてももっと研究が進んで欲しい。

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