フリースタイルダンジョンを始め、数多くのMCバトルで功績を残し続けてきた現在19歳のラッパー「Lick-G」。2015年のSCHOOL OF RAP GRANDCHAMPION SHIP優勝から瞬く間に日本語ラップのニューフェイスとしてその名を全国区に知らしめた男であるが、そんな彼はMCバトルのスキルだけではなく、音源の完成度が高いことでも有名である。2017年に配信された「Mellow Akira」は、一度聴いたら癖になるトラックとリリックで多くのヘッズ達を魅了し、YouTubeの動画再生数は150万回を突破。
日本語ラップ界で注目度を集め続けるLick-G。今回は、父親である音楽家「Hoodoo Fushimi(フードゥー・フシミ)」との共同プロデュース作品「Takoyaki」を1月15日にリリース。一体どんな作品に仕上がっているのかプレイバックしていこう。
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「Takoyaki」には100年物の薩摩琵琶を使用
新世代ヒップホップアーティストとして若手をリードし続けるLick-G。新作の「Takoyaki」は前述でも述べた通り、琵琶・ウード演奏家として活動する父親のHoodoo Fushimi(本名:伏見 稔)との共同制作作品となる。エレクトロミュージックを基調にしたトラックには、琵琶や尺八といった和楽器音を採用。謡曲の要素も取り入れたことで、新たな世界観を持つ楽曲に仕上がっている。また、Hoodoo Fushimiは1992年にリリースしたアルバム「くさや(ニューヨークのレーベル"Good Find Records"から限定盤リイシューがリリース)」の後、老師に琵琶、ウード演奏をトルコで学んだ経緯があり、その音楽スタイルをこの楽曲に全て詰め込んでいる。
なお、「Takoyaki」には曽祖父の100年物の薩摩琵琶や古き良き時代のヴィンテージ楽器を使用。Lick-Gの音楽に対するルーツがギュッと凝縮された形であるが、同時に伏見家の音楽を感じることができるのも嬉しいところである。(上記写真は、曽祖父の家族。90年前から琵琶が所有されていた。)
Lick-Gは現在、自己レーベルを設立
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日本人の父とイギリス人の母を持つラッパーLick-G(本名:伏見絃)は、神奈川県逗子市生まれ。英語と日本語を交えたラップは、独特の世界観を持ち合わせており、どの楽曲にもパンチ力のあるリリックが採用されている。また、斬新なフロウと刺激的なビートアプローチが加わり、トラック上を縦横無尽に飛び回るスタイルがインパクトを残す。また、彼の音源にはヒップホップの要素だけではなく、どこかパンク感のあるのが特徴的。そのため、ヒップホップ好きのヘッズだけではなく、もともとコアなロックやパンクが好きな人たちの耳にも止まる。ゴリゴリのヒップホップも良いが、少しエモさが欲しいという人にはLick-Gの音源がおすすめと言えるだろう。
(出典:Lick-G - Takoyaki (Official Audio)
また、2018年12月にリリースした「夢の恋」もネット上でも話題になっている楽曲。Lick-Gなりの恋愛ソングに仕上がっているが、こちらもどこか懐かしさを感じるエレクトロなトラックが印象的である。もしかすると、自己レーベルでは宅録エレクトロをベースに楽曲を製作し続ける可能性があり、今までよりもドープなLick-Gを見ることができるかもしれない。
(出典:Lick-G - 夢の恋 Official Audio)
Lick-GのMCバトル
とは言え、やはり音源以外にもLick-Gの特徴はMCバトルでの圧倒的なワードセンスとフロウ。フリースタイルダンジョンでは晋平太に続き、ダンジョン制覇を成し遂げた経緯もある。その後はMCバトルのステージから離れているが、どんなバトルでも変幻自在のスキルを見せつけていた。2016年の第9回BAZOOKA!!!高校生RAP選手権で優勝した裂固には「かなり苦しめられ、もしかしたらLick-Gが優勝していた」とも言わせた。
では、そんな彼のMCバトルの様子を各大会ごとに見ていこう。
(出典:第9回高校生RAP選手権 決勝バトル 裂固 vs Lick-G)
(出典:Lick-G vs呂布カルマ /戦極MCBATTLE第16章宮崎予選2017.3.17)
(出典:LickーG vs FORK)
Lick-Gの音源を今後も楽しみにしていこう
ということで今回は、2019年1月15日にリリースされたLick-Gの新曲「Takoyaki」や、彼の略歴について簡単にご紹介してきたが、今後も彼の世界観が出た音源に是非とも注目していきたい。とりわけ、父親であるHoodoo Fushimiとのコラボ楽曲は、より進化されて配信されることが予想される。まだ、「Takoyaki」を視聴していないヘッズ達は要チェック!なお、「Takoyaki」はiTunesをはじめ、各種配信サービスにてダウンロドが可能。
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