HUNGERの「わ道」のハートビートが日本の晩夏を彩る!

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HUNGERのソロアルバム「舌鼓」がヘッズやアーティストから軒並み高い評価を得ている。和太鼓やお囃子に合わせてラップをするというスタイルは、試みの斬新さと完成度の高さを兼ね備えておりHIPHOPヘッズを大いに沸かせた。今回は、HUNGERがどういった考えでこのアルバムを制作したかなどについて解説していきたいと思う。

「わ道」は日本の夏を思わせる名曲

以前このブログでもお伝えした夏の魔物の開催中止が発表されたが、他にも様々なライブやイベントが軒並み中止になっている中で、HUNGERがソロアルバムをリリースすることは明るいニュースとしてSNSを駆け巡った。

HUNGERは仙台のクルー「GAGLE」の一員で、1996年に結成され現在に至るまで彼ら全員の高い音楽性が支持を集めている。国内外の多くのアーティストと共作もしており、音楽業界にもファンが多い。

HUNGERはソロでも活躍しており、変幻自在なアプローチの仕方は誰も真似できない存在感がある。
HIPHOPの熱心なファンじゃないという人でも、SKY-HIの「Name Tag」など彼のラップを耳にしたことがあるはずだ。

話を今回のアルバムに戻そう。「舌鼓」は全編和太鼓など和楽器の音色にHUNGERのラップが乗せられている。
収録曲の「わ道」はMVも発表された。

見て分かるように、説明不要のかっこよさだ。再生回数が1000桁足りない気もするがカンストして2週目なのかもしれない。
立ち上る煙の中、笙(雅楽などで使われる笛のような楽器)の音がしたかと思ったら、小癋見という地獄の鬼神の面を付けたHUNGERが現れ、我々を幽玄な世界へ誘う。

ちなみに予告映像では翁の面を付けていたが、能では使われるお面にはそれぞれ役割や意味がある。

https://twitter.com/HUNGER3/status/1292391943406628865?s=20

翁はただ老人を表すものではなく、神様や集落の長、精霊のような意味を持つ。

ちなみに楽曲の途中で和太鼓奏者と舞踊の方が般若の面を付けているが、これは「怨念・嫉妬」などの強い感情を意味している。能面は登場人物のキャラクター分けのためにあると思う人も多いかもしれないが、神々や幽霊など、この世のものではないものの存在を表現しているのだ。
能楽堂を舞台にHUNGERの神がかり的なラップ、和太鼓、日本舞踊が織り交ざり、まるで昔からこの形があったかのようにそれぞれのピースがばっちりとハマっている。

HUNGERはアフター6ジャンクションにリモートでライブ出演した際、このアルバムを作った理由についてこう語っている。

「ジャズバンドとセッションした時、揺れ動くビートの中でビートをはめていくのイケるなと思っていた中で太鼓と出会った。」

「(アメリカの)昔のHIPHOPでEast Flatbush ProjectのTried By 12や、南無妙法蓮華経をサンプリングしたXZIBITのCONCENTRATEのように和ものビートを使ったヒット曲は昔からあったが、日本人がやった方が面白いのではないかと思っていた部分もあり今回は思い切り太鼓に寄せて作り切ってみた。」

たしかに、日本語ラップの中では日本ぽいテーマのものは多いが和風のサウンドはあまり好まれない風潮がある。歌謡曲っぽくなるのだろうか。

ヒプノシスマイクオオサカ・ディヴィジョンどついたれ本舗の「あゝオオサカdreamin' night」の楽曲制作を担当したCreepy NutsのDJ松永も、「和風でという依頼があったが、和風ビートはダサいというイメージがあり抵抗感があった。」という旨の発言を自身のラジオ番組でしている。

「あゝオオサカdreamin' night」は楽曲の雰囲気と横尾忠則風のアートワークが合っていて評価も高い。

しかし、HIPHOPはもともとアフリカ系の音楽をルーツに持つだけあって、様々な民族音楽と相性がいいような気もする。
日本語ラップで言うとRhymester×PUNPEEの「SOMINSAI」はケルト音楽をサンプリングしているし、お隣韓国ではBTSのSUGAがAgustD名義でミックステープで韓国の伝統音楽をモチーフにした楽曲を発表している。

民謡クルセイダーズなどイケてるバンドと日本語ラップがコラボしたら、きっとかっこいいだろう。

日本語ラップレジェンドからも「太鼓判」

アフター6ジャンクション 宇多丸は番組内で「(MVに)英語字幕を付けて海外のヘッズにもアピールした方がいい。」と強く進めている。

日本語ラップレジェンドからも太鼓判を得た名作だが、上記radikoのURLから24日(月)までライブが聞けるので是非チェックしてほしい。

「わ道」の他にもパフォーマンスされた「爆ぜる」では乾いた木が燃えるようなパチパチとした音に長唄のような口上が乗せられており、どこか薪能のような雰囲気がある。

「もがくものたち」ではコロナ禍の社会的抑圧や急激な変化に巻き込まれつつ、それでも自分を持ち全身することについて率直にライムしている。MVでは振付師Zoo-Zooとダンサーによるタットダンスパフォーマンスで楽曲を表現されている。

 

舌鼓チャレンジも開催中!

8月16日には、わ道のインストが公開された。

https://twitter.com/HUNGER3/status/1294955727249764356?s=20

ラッパーだけではなく、DJ・ダンサー・シンガーなどあらゆる表現者の舌鼓チャレンジが楽しみだ。

ちなみに一番のりは熊本のKen-Volcanoだ、お祭り感満載のアガるフリースタイルを披露している。

家の中でも夏を楽しもう

今回はHUNGERのセカンドソロアルバム「舌鼓」の魅力についてご紹介した。

思うように外出できない状態が続いているが、このアルバムや舌鼓チャレンジを通して残り少ない夏を楽しみたい。

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