これまで行われていたブラックモンスターと2代目モンスター(ラスボス般若&漢a.k.a.GAMI&R指定&DOTAMA含む)の団体戦。この戦いでは、般若とFORK、漢a.k.a.GAMIのMCバトル全盛期を彷彿とさせる最強タッグに誰もが釘付けになった。当然、その強さは圧巻であり、FORKの「お気に入りのライムを置きに行く」と言うこれ以上ないパンチラインを残すなど、サブイボが止まらない内容となったはずだ。
結果的に個人戦、団体戦共にダンジョンモンスターが圧勝した形となったが、サプライズはこれだけではなかった。1つの企画が終わってホッと人息つく間もなく、ステージ上でマイクを握りしめたラスボス般若は多くのヘッズ達にテレビ越しでこう告げた。
「本日をもってラスボスを降ります」
そう、ラスボス般若が遂に引退を宣言したのだった。この一言に誰もが戸惑いを隠せなかったと言えるだろうが、一体なぜ...?そんな今回は、般若のラストのMCバトル5th season Rec 9-5の内容を含めてプレイバックしていこう。
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これはいつの日か決めていたこと。
彼はラスボスを降りるという重大発表に続けて、こう語った。
「じゃあ次は誰がラスボスになるのか」「MCバトル現役の最後。ラスボスになる人と一度戦ってみたい」
まだ般若の引退を信じられない者も多くいたかもしれないが、般若は淡々と言葉を重ねた。
「これまで9回戦ってきた(これはフリースタイルダンジョンでの回数)。どうも半端な数字。だから10回戦って、これで本当に引退です。R-指定くん。」
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今なんて?と言いたくなるほどの早い展開、状況が追いつかなかったのは筆者だけじゃないはず。そう、ラスボス般若の後継に選ばれたのはまさかのR-指定。これを聞いた本人が一番の驚きだろうが、もう一度言おう。次なるラスボスはR-指定に決まったのだ。
正確に言えば、これは生放送ではないため、もしかすると事前に般若の後継になることを収録前にスタッフを通して告げられていたのかもしれないが...いずれにせよラスボスR-指定が令和の時代に誕生することになった。
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般若ラストバトル。10回目の相手は後継のR-指定
2002年のB-BOY PARK出場からフリースタイルダンジョンまで、MCバトルに愛情を注ぎ込んできた男のラストバトルは後継となるR-指定で締めくくることに。
運命とも言えるこの対決。R-指定はこの事態にやや戸惑ってる感はあるが、般若のことは中学生の頃から追っており、ずっと尊敬していた相手。ZEEBRAのTOKYO'S FINESTのアルバム最後の曲で般若を知った経緯があったことを以前語っており、この上ない喜びと不安を抱えてのダンジョンステージになる。
どう見ても面白いに決まってるわけだが、一体どんな展開に...。
般若引退試合ROUND1
バトルビート「【MCバトル用ビート】東京弐拾伍時 - 東京弐拾伍時【8小節4本】」
【般若】
あぁこれが最後か そうか
ダンジョンの俺は迷子か
俺にあって俺に無いもの
それはスキルそれは全部
じゃあ俺にあってお前に無いもの
それは経験あとイケイケ
CreepyNuts どんな感じ
ラップで◯◯◯
【R-指定】
ガキの頃見た俺に伝えてぇ
今お前 般若さんとやってるぜ
中坊の俺は興奮
分かってる アンタ誰よりもDope
経験もイケイケも無いけども
底辺のラッパーがてっぺん目指すとこ
アンタの姿から学んだ
だから最高なんだ般若No.1
【般若】
世代も超える全てを超える
俺は自分に問える
十何年前の俺に問う
こんな天才とやってんだって
現代現役 これでラスト
俺にはあるよ 覚悟
ラップはもう 全てを日本で超えてる
お前が行けよ
【R-指定】
荷が重い
でも絶対に俺はそこを逃げない
男として正面 戦う姿勢
全部アンタから学んで来たぜ
感謝尊敬一言じゃ
いや韻踏みながらなんて伝えらんねぇな
この想いが溢れそう
だから アンタの後釜背負うぞ
クリティカルヒットで般若の勝利
般若引退試合ROUND2
バトルビート「Anarchy - Fate (日本語字幕版)MVA09 BEST HIP HOP VIDEO 受賞作品」
【般若】
ガキの頃置き去りのシューズ
今皆見てるYouTube
誰のサンプリング それ知らねぇ
ANARCHY突っ込むぜテメェの穴に
OK HIPHOPてのは これが出て全部TV化したけど
やっぱ即興じゃなくて
お前なら分かるMICとLIVEだろ
【R-指定】
こないだ俺のツーマンに出てくれて
その生き様を間近で見てて
さっき負けたけど もう一回チャンス
何度だって人間は這い上がれる
何者でもないからこそ掴んだ
不良じゃなくてもラッパーなれんだ
絡まった俺はどこまでも戦うんだ
運命に逆らうMother◯◯◯◯
【般若】
お前の対戦相手
ある意味俺は相方 松永童貞
俺の掌底 これでどうです
最高のショーケース
新木場ageHa上げてんのはさぁどっちかな
無い勝ち負け この立場で全部持ってくぜ
これが最後のラスボス
【R-指定】
昭和 ブレないブレない
売れないとしても 俺なら媚びない
伸びないスキルでもKREVAを超えたい
とか思いながら未だやる戦い
ララバイ聞かせるにはまだ早い
俺だってまだその姿勢見てたい
でももうこれが終えりゃ アンタはいねぇ
だから愛を込めて 般若最低
クリティカルヒットでR-指定の勝利
般若引退試合ROUND3
バトルビート「DABO ANARCHY アナーキー KREVA - I REP PV from The Exclusives Japanese Hip Hop Hits」
【般若】
俺はもうここにいちゃいけないんだ
いつからか言われたラスボス般若
ラスボスラスボス 違ぇよ
その前に俺はただの東京のチンカス
戻ってやるよ
この番組じゃなくて這い上がってやるよ
俺は人生そのものチャレンジャー
お前に託したあんま舐めんな
【R-指定】
TVやカメラには映らんとこでの苦悩や葛藤
いつも見て来た
だからこそ握るMicrophoneにも手が入る
震える目の前のリビングレジェンド
あぁ噛んじまった
こういうとこが俺の悪いとこ
でも気にすんな
弱さこそ強さに変えてやる
まぁぶっちゃけ嬉しすぎて脳みそなんか回んねぇ
でも最高だぜ
【般若】
よく聞け お前に無いのはタフさ
よく聞け 俺には無いのは弱さ
よく聞け 内面そのメンタル
お前にラスボスからの伝達
よく聞け Zeebraありがとう
アンタが俺に声をかけてくれたからやったよ 3年半
俺が般若 みんな感謝
【R-指定】
分かるか
これが俺たちが作り上げてるHIPHOPなんだよ
HIPHOPなんだよ チ◯カス般若
未だに変わらず1番なんだ
俺の中スーパスター 俺の中ヒーロー
俺ん中の伝説は未だ生きてる
ここで出会えた全て
感謝 般若
感謝、般若。終わったラスボスは何を想う
R-指定との戦いを終えたラスボス般若。3ラウンド全て全力で挑んだ男は、静かに「3年半ありがとうございました」と言葉にし、ダンジョンのステージを降りた。短いR-指定とのラストバトルは、ラスボスの貫禄とどこか寂しい気持ちを前面にぶつけてくれたが、きっと優しさに溢れる男は心の中で泣いていたはずだ。同じくR-指定も嬉しい反面悲しさもあっただろう。
ZEEBRAへの感謝と若手へバトンタッチ
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そして、そんな般若にラスボスをお願いしたフリースタイルダンジョンオーガナイザー"ZEEBRA"は、「あの時に二つ返事してくれたことに感謝。そしてまたUMBのように帰って来てくれたら...」と、般若に対しての感謝を述べた。確かに、その時に般若がOKを出さなければフリースタイルダンジョンは確実に盛り上がっていなかっただろう。また、ラスボスルームでのバスローブを着たお茶目なスタイルも1つのコンテンツとして成功したはず。
まさにフリースタイルダンジョンは般若あっての企画だったと言える。
この場を去る男は「番組をもっと活性化しなければいけない」と最後の最後に語ったが、それも確かなこと。初代モンスターと共にチャレンジャー達の壁となっていた頃と、2代目モンスターになってからの心境は変わるものであり、今フレッシュな人間にバトンタッチしなければいけないのも1つの責任であっただろう。
辞める理由は他にもあったのか?
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若手に譲ることが一番の理由とはいえ、般若としても辞める理由は他にもあったのでは?と疑問に思う者もいるだろう。
確かにMCバトル以外にも般若はラッパーという枠に囚われず、1人のアーティストとして楽曲制作に力を注ぎ込んでいる他、俳優としても力を発揮してきた。無論、2019年平成最後に日本武道館でワンマンライブをこなすほどの人気ぶりであるため、今後様々なシーンで活動するための引退だったのかもしれない。
そして、年齢も40歳。心の中で「おっさんはこの場所には必要ない」と感じた可能性もある。
KREVAとのMCバトルはどうなる?
また、フリースタイルダンジョンファンなら誰もが覚えているだろうKREVAを挑発したあの日。
まだ番組が始まって間もない頃(チャレンジャー崇勲戦のあと)、スタジオからKREVAに呼びかけた「おいKREVAてめえブルッてんじゃねえぞこの野郎!俺と勝負しろ」は、全国のヘッズから多くの注目を集めた。その時からKREVAは直接フリースタイルダンジョンの名を出すことはなかったが、楽曲として般若のことを謳った。
それから特に何もアクションがなかったが、実はKREVAに対して執着心はなかったことを引退後に公言。あの時にKREVAの名を出したのは、本人がフリースタイルダンジョンに参戦することで、より多くの人間に若きラッパー達の存在を知らせるチャンスと感じたからそうだ。まさにフリースタイルダンジョン愛に塗れた男である。
(出典:【still OVER THE EDGE】Vol.2「般若」(前編)”引退後初めてダンジョンを語る”)
とはいえ、多くの人がいつか対決してほしいという思いがあっただけに、少しだけ悔やまれるところ。いつかどこかのタイミングでバトル以外でも共演してもらいたい。
般若へのメッセージが各方面で...!
【ベッキー】
昨夜のフリースタイルダンジョン
しびれるーーーーーーーーー!
— ベッキー (@Becky_bekiko) 2019年5月15日
【FORK】
俺が初めて出たバトルが2001年のB-BOY PARK。予選の一回戦でボロ負けしたのが悔しく本気でfreestyleをやり始めた。
その時の対戦相手が今夜の放送をもってMCバトルを引退する。
やると言ったらやるし、やめると言ったらやめる人。最後に一緒にやれて良かった。#フリースタイルダンジョン#般若 pic.twitter.com/7lEMf9Pf3X— FORK (@FORK_IB) 2019年5月14日
【DOTAMA】
般若さん。3年半のラスボスのお役目。誠にお疲れ様でした。
そしてR-指定君。2代目ラスボス就任誠におめでとうございます。 pic.twitter.com/UijmHRTNtI
— DOTAMA@5/29(水)代官山LOOP (@dotamatica) 2019年5月15日
【掌幻】
やっぱ言葉ってスゴいね!
後悔とかは今日まであんま無かったけど3年半前にラスボスに辿り着けなかった事を今更少し悔しいと思ってしまった。
あの人とステージで向き合えるって物凄い財産だよね。
般若さんお疲れ様でした。
— 掌幻 (@shogen0424) 2019年5月14日
【野武士】
フリースタイルラップに
興味持つキッカケが
2008年のUMB東京予選の
DVDを見た時
あれから10年
まさか自分がMCバトルで
TV番組に出るなんて夢にも
思わなかったけど初期衝動は
間違いなくこの人でした
あなたが守ってた#フリースタイルダンジョン
に挑めて光栄です
般若さんラスボスお疲れ様でした pic.twitter.com/90FJKbtLbK— 野武士▶︎1st EP製作中 (@nobuakaams) 2019年5月15日
【ERONE】
筆談ホステスと般若ラスボスで踏めない
— エローン (@erone121) 2019年5月8日
さぁ、次のラスボスはR-指定!
ということで、フリースタイルダンジョンのラスボス"般若"が遂に卒業。今後は、後継となるR-指定がラスボスとしてどんな振る舞いを見せつけてくれるのか楽しみで仕方がないが、気になるのはラスボスルームでの対応。まさかR-指定も般若同様にバスローブ一枚でサラッとコメントを残すスタイルでいくのか...いや、きっとそれはないかも?
あとは、今後どんな体制でフリースタイルダンジョンが進むのかも気になる。2代目モンスターのままでいくのか、はたまたフラックモンスターの中から推薦で3代目モンスターが生まれるのか。なんとなくですが、2代目+ブラックモンスターのごちゃ混ぜな体制でいく感じもするが...果たしてどうなるのでしょうか。今後のフリースタイルダンジョンに目が離せません!!!
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