慶應義塾大学在学中の異色ハイスペックラッパーAmaretas(以下、アマテラス)。
彼は「貧乏×不良」からの成り上がりが美学とされるHIPHOPの従来の形を覆す「金持ち×高学歴」というスタイル。
アマテラスは父親がイタリアで会社をやっており、イタリアで生まれ、その後、白金でずっと育ってきた。
幼稚舎(小学校)から高額な学費がかかる慶應義塾大学付属幼稚園でずっと内部進学してきたようで超ブルジョワ。
あと小話だが、実は高校生ラップ選手権の予選にもひょんなことから出場し、最終選考まで進んでいたともいう。
音源やフリースタイルバトルでもこの「金持ち×高学歴」キャラを全面に出しているが、これはアマテラスが戦略的に作ったキャラクター。
ライム、フロウ、スキル以外の部分でバトルに勝ちたいと豪語する彼だが、グラビアアイドルをセコンドに連れてきたり、セグウェイで登場したり、バトル中にシャンパンを開けパンチラインに仕上げたり、様々な新しいフリースタイルバトルの形を作っている。
これはラップに人生をかけておらず、優先順位は小説や映画、絵と一緒だと話すアマテラスだからこそ、広い視野でしがらみにとらわれず楽しく豊かに発想できるからだろう。
アマテラスのMCバトル
アマテラスはフリースタイルバトルではU-22 MCBATTLE 2017第五次審査会優勝や、超ライブ×戦極 U-22 MCBATTLE 2016 TOKYO準優勝といった実績を残している。
アマテラスを一気に有名にしたのが超ライブ×戦極 U-22 のT-Tongue戦だろう。
(出典:Amateras vs T-Tongue /超ライブ×戦極 U-22 MCBATTLE 2016 TOKYO)
「諭吉の分身だよ」
「俺が金あるのは親のおかげ親に感謝」
「俺は金をばらまく」
「俺は生まれも育ちも慶應義塾」
「俺は慶應BOYだ」
「金持ち×高学歴」が詰まりに詰まったフレーズを使っている。
(出典:MC KUREI vs Amateras/U-22MCBATTLE第五次予選(2017.5.10))
他にも U-22MCBATTLE第五次予選でMC KUREIとのバトルでも「俺の友達出席簿、樋口、野口、福沢諭吉」といったアマテラスらしさが前面に出たフレースで締めている。
基本的にアマテラスへのDisは「金持ちうざい」というものが多いが、「羨ましいの?嫉妬しているの?」で一蹴できるアマテラスはある意味死角がない。
さらに独特のユーモアある言葉選びで金持ちのいやらしさがなくファンも多い。
フリースタイルダンジョンでも「貧困×不良」というバックグラウンドを持つT-Pablowとスタイルウォーズを繰り広げた。
>フリースタイルダンジョン レペゼン白金金持ちラッパーアマテラス
アマテラスの音源
(出典:Amateras - Money Turns My Life (Official Music Video))
「奴らが一生かけても舐めれない 蜜の味が俺らの日常 甘い that for me 漂うMy soul 金で越えてく現実とghetto」
なんてフレーズが金持ち象徴するような曲を作ったり。
(出典:Amateras - Love, Rosie (Official Video))
「親しい二人は言葉じゃなくて まるで子供だなって だって笑いじゃれ合ってまで 当の二人はこの安定な関係 めっちゃ完璧 変なマンネリ落ち着き 恋人以上で家族未満 最優先 君との遊ぶ時間」
なんて歌詞の甘いラブソングを歌ったり。
(出典:Amateras - GOONiES (Official Music Video))
「一緒に夢追っかけてたメンバーも いつの間にやら離れ離れ 言葉なんて伝えられなかった感謝感激雨あられ とりあえず今日も待ち合わせ 明日まで騒ぐあきらかぜ ゲイじゃねえけど受け取って 俺からの今までもこれからも たまにフェイスブックで押すいいね 気がつきゃ皆大人になって 街で見かける制服少年 立って見るガラス越し軽く証明 そいつは俺見て子供と笑い 俺はそれ見て大人と思い あの頃から持ってる決意 まぁ今夜もドンペリヘネシー」
なんて仲間への想いを込めた曲を作ったり。
本当に振り幅が広くて魅力的なアマテラス。
音源以外にも絵や小説、映画などの創作物にも今後期待だ。