核心を突くリリシズムとメロディアスなフロウを持つ男18scott

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ラップ・スキル・リリシズム・メロディ。どれをとってもキレている。そう多くのヘッズに言わしめるラッパー兼トラックメイカー18scott。最近では、聴き心地の良いフロウを奏でるラッパー、リリシストなラッパーなど、どこかに突出したラッパーが多い。しかしながら、18scottのように、リリック良し、フロウ良し、メロディ良し、ラップスキル良し。と言ったようなどの能力の揃ったラッパーは少ないのではないだろうか。

今回は、そんな魅力あふれる18scottについて紹介していきたいと思う。

18scottどんなラッパー?

 

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1993年生まれ、神奈川県藤沢市出身のラッパー18scott。本名は、楠本凌士。神奈川県藤沢市は、あの有名なDLiP RECORDSの拠点でもある場所。しかし意外なことに、18scottがDLiP RECORDSについて知ったのは、ラップを始めてからだったとのこと。18scottのラップのルーツは、東京で活動していたKREVAやRHYMESTERだった。

ラップに興味を持ったきっかけ

18scottがラップに興味を持ったのは、漫画家でもある父親の影響だった。18scottの父親は、漫画家ということもあり、ヒップホップや、ロックなど、様々なジャンルを聴いていて、カルチャー全般に詳しかったという。車の中では様々なジャンルの音楽が流れ、その中にKREVAやRHYMESTER、エミネムなどが入っていたのがラップに興味を持ったきっかけ。

高校生のときにラップを始める

 

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神奈川県藤沢市出身のラッパーといえば、現在SUMMITのメンバーとしても活動しているin-d。

驚くことに18scottと、in-dは中学校の同級生だった。そのこともあり、高校生になってラップを始めた当初に作ったクルーのメンバーには、in-d、そしてBIMがいた。高校三年生になると、18scottは受験のためにグループを抜けることになった。そのため、BIMの地元の後輩、 PalBedStock(パルベッドストック)がin-d、BIMのいるクルーに加入して「THE OTOGIBANASHIʼS(オトギバナシズ)」が結成された。

そういう縁もあり、BIMが所属するクリエイティブチームCreative DrugStoreに誘ってもらい、1,2年は活動していたものの、18scottが元々、ソロ指向だったこともありCreative DrugStoreを抜けることになった。18scottはそのタイミングで運命の出会いを果たす。

あるとき、18scottがエビスBATICAでイベントに出演する際に、同じくそのイベントでビートライブをしていたSUNNOVAに出会う。

その時に「一緒に何か作ろうよ」とSUNNOVAから声をかけたのが二人の出会いのきっかけ。SUNNOVAに出会う前までは、自分自身でトラックを作り、そこに自分のリリックをのせてラップをしていた18scott。自分では絶対に作れないタイプのトラックを作ることができるトラックメイカーとSUNNOVAのことを評価している。

SUNNOVA(本名:TANAKA HIROYA )は、プロデューサー兼トラックメイカー、さらに映像作家など幅広く活躍する人物。国内外のレーベルから楽曲をリリースしたり、TVCMの楽曲制作や映像作家としてアパレルブランドなどの楽曲とPV制作を手がける。これまでに、jinmenusagi、DAOKO、泉まくらなどの作品にもトラック提供という形で参加した。

そんなSUNNOVAとの出会いが、18scottのソロ活動に拍車をかけるきっかけになった。

お互いにクルーに属していないそれぞれが自分の色を持った二人の出会いは、とてつもない化学反応を生んだ。

SUNNOVAと共同制作したアルバム「4GIVE4GET」をリリース!

 

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2018年12月19日にSUNNOVAと18scottの共同制作アルバム「4GIVE4GET」がリリースされた。

「4GIVE4GET」に収録されている楽曲はどれもアンビエント風なトラックで、ラップするのが難しいトラック。そこをうまく乗りこなす18scottのラップスキルにも注目が集まった。

プライベートに起きたショックな出来事をテーマに自問自答を繰り返し、完成した18scottの1stアルバム。ノリのいい曲というよりも、しっぽりと一人で嗜むように楽しむことができる作品となっている。

客演には、韻シストのBASIや、NF Zessho、サトウユウヤ、Aru-2やRamzaなどが参加しており、フューチャーリングする人によって違う魅力を見せてくる18scottの凄さが垣間見える。

U feat. NF Zessho

 

NF Zesshoとの楽曲。「4GIVE4GET」の4曲目に収録されている。同世代リリシストの二人の楽曲を多くの人が待ち望んでおり、それが現実となった楽曲「U」

18scott x SUNNOVA - I.D.N. feat. BASI

10曲目に収録されている楽曲「I.D.N」

タイトルにもある「I.D.N」は、I don't need youの略。

客演には韻シストのBASIが参加している。BASIがアンビエント風のトラックに乗る事は滅多にないが、うまく乗りこなしていて、聴き心地がいい。

hook

いつも通りだったとしても

それすらDON NEED IM SORRY

最初からそのつもりじゃON ME I DON NEED U I DON

18scott x SUNNOVA - HNDSGN feat. サトウユウヤ

サトウユウヤとの楽曲。この楽曲、なんと言っても、SUNNOVAのトラックがかっこいい。

フックに入る瞬間に一瞬音を抜き、そこにうまく言葉を落とし込むサトウユウヤと18scottのセンスに感動する。一度この聴き心地の良さを体感するとクセになって何度も聴きたくなってしまうそんな楽曲。

(サトウユウヤverse)

オレらのSCHEMEは静かに確実に 根を張り芽を出す 白日に

過ぎたSCENE次へスライド 出会いと別れ I GO

PEACE TO THE HARDCORE オレと18の十八番

18scott × SUNNOVA - LOVELESS

18scottのワードセンスとラップのうまさを際立てるSUNNOVAのトラック。

天才と天才の才能が掛け算になるとここまでかっこいい楽曲ができるということが身にしみてわかる。

LOVELESS 表と裏 LOVELESS 俺は孤独の中

LOVELESS 開けた扉 嘘と本音 その他大勢の考え方

LOVELESS しけた都会の風 LOVELESS あいつとあいつの連れ

LOVELESS 何が言いてえ 死んでから語ってもまじで遅えんだ

18scott × SUNNOVA - PHONE CALL

上で紹介したLOVELESSとは異なり、フックをしっかり歌っている楽曲。

18scottは、ヒップホップの入り口がKREVAだったこともあり、学生の頃はフックをしっかり歌うような曲ばかり作っていたという。その後はバチバチにラップするような楽曲ばかり制作していたため、フックを歌うような楽曲からは遠ざかっていた18scott。しかし、USなどでもラッパーが歌うことが許されるような時代の流れを受けて、ヒップホップヘッズ以外の人にもいい音楽を届けたい。という思いから、「PHONE CALL」を制作した。

このアルバムは、「LOVELESS」のようにカッコよくバチバチにラップした曲と、歌心が蘇った「PHONE CALL」のような曲が混在していて、18scottのスタイルの変化の境目となった作品であることがわかる。

SUNNOVAとの2枚目のタッグアルバム 「PAISLEY」

1枚目のアルバム「4GIVE4GET」で、ヒップホップシーンに衝撃を与えてから、一年半後に、2枚目のタッグアルバム「PAISLEY」をリリース。

このアルバムのタイトル「PAISLEY」には、”闘争の意志”を表す。

そのタイトル通り攻撃的なトラックと力強いラップで多くのヘッズを興奮させた。

1stアルバムとは対極的なアルバム「PAISLEY」には、客演にACE COOL、Taeyoung Boy、Gottzらが参加しており、心臓を直接殴られているような強い衝撃を味わえるようなcoolな楽曲となっている。

もう逃げれない これ以上 絶対無理

過去の自分を全て清算今 洗い流して開ける玄関

そんな簡単じゃねえよ 実際

犯した罪は 消えない 一生

ACE COOL、 Taeyoung Boy、Gottz、18scott、個性的なメンバーのマイクリレーにはまさに”coolの大渋滞”     あっという間の4分間をぜひ体感してほしい。

18scottオススメの楽曲

ここまで、大きくSUNNOVAと共同制作した2枚のアルバムに収録されている楽曲について紹介したが、ここからは、それ以外の18scottのオススメの楽曲について紹介していきたい。

18scott x SUNNOVA - LONELY SEASIDER

どこか、哀愁漂うSUNNOVAのトラックの上で、18scottが東京と地元を行き来する中で感じる孤独と、どこにいても変わることのない地元への愛情をストレートに歌った楽曲。その歌詞は、地元を離れ都会で頑張っている多くのリスナーが共感した。

何があるか今自分の手に 確かめるそれが一つのAnswer

東京の街の喧騒を背に 歩く俺は今もLONELY SEASIDER

Rain (feat. 18scott)

illmoreのアルバム「ivy」に収録されている「rain」

illmoreの雨を連想させるエモーショナルなトラックが心地いい。ラップをのせるのが難しいトラックの上で難なくラップする18scott。そこには、そこ知れぬラップセンスを感じられる。

Amigos - Me&You (Prod by 18scott)

ラップセンスに注目が集まる18scottだが、実はトラックメイカーとしてもかなりレベルが高い。

チルアウトを感じさせるそのトラックと沖縄で撮影されたMVが合わさってYouTubeでは多くのリスナーから高評価を得た。

 

いかがだっただろうか。核心を突くリリシズムとメロディアスなフロウでヒップホップヘッズを魅了し続ける18scott。トラックメイク、ラップスキル、共感を呼ぶリリックは、これからも時代の変化に合わせて進化し続けるだろう。

自分がやりたい音楽をブレない芯で探究し続ける18scottのこれからに目が離せない。

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