日本語ラップシーンで多くのラッパーが活躍している中、最近では、トラックメイカーにも注目が集まるようになってきている。最近だと舐達麻の「BUDS MONTAGE」のトラックを担当したGREEN ASSASSIN DOLLARや、唾奇とアルバム「Jasmine」をリリースしたSweet Williamなど。LEXのようにトラック制作からラップまで全てを自分でこなすラッパーも増えてきている。その中でも高いクオリティーで音源を作り続け、多くの大物ラッパーに楽曲を提供し日本のヒップホップシーンを支えているJJJという男を忘れてはいけない。
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JJJというアーティスト
本名:相馬貴裕
生年月日:1989年
出生地:神奈川県川崎市
アーティスト名:JJJ
彼は、トラックメイカー・プロデューサー・MC・DJと多くの顔を持つ。過去には自身のトラック集をリリースしたり、メインMCとしてのアルバムやKID FRESINOやFebb as Young Masonらと結成したFla$hBackSというグループでアルバムをリリースするなど活動は多岐にわたる。
JJJとヒップホップ
JJJが高校生のとき、RIP SLYMEの影響を受けてヒップホップに興味を持つようになった。特にRIP SLYMEメンバーのDJ FUMIYAから影響を受けたJJJは、友人にライブDJを頼まれてステージデビューを果たす。そこから音をもっと足してみたい。と機材を手に入れトラックメイクを始めたのが彼のトラックメイカーとしての始まりだった。また、その同時期には「hirojam」という別の名前でラップを披露したこともあった。
JJJとFla$hBackS
元々は、JJJとFebb as Young MasonがYOUNG DRUNKERSというユニットを介して知り合ったことがきっかけで結成した。Febb as Young MasonがライブDJとしてKID FRESINOを連れてきたことがきっかけでKID FRESINOも加入し三人となった。2013年にはFla$hBackSとして1stアルバム『FL$8KS』を発表した。順調に思えたFla$hBackSの活動だったが、2017年にKID FRESINOが脱退し、2018年にはFebb as Young Masonも不慮の事故により亡くなってしまう。
当時はFla$hBackSが好きでhip-hopにのめり込んだというヘッズも多く、Fla$hBackSの事実上の解散を惜しむ声は多数上がった。
Febb as Young Masonの追悼イベントも開催され、Fla$hBackSの時には、KID FRESINOがFebb as Young Masonのバースを歌う所はとても感動。
JJJこれまでのリリース作品
ここでは、Fla$hBackSとしてではなく、JJJがリリースしたアルバムを紹介する。
自身1枚目のアルバムとなるYacht Club
ゲストにfebb as Young Mason、KID FRESINO、ACO、ISSUGI、MUTA、SU(RIPSLYME)などを呼びトラックメイカーとしての印象が強かったJJJがラッパーJJJとして認知されたアルバム。
JJJのトラックがかっこいいトラックに2人のラップが合わさった楽曲。
さらにリリースした「Yacht Club sailing gear session」は「Yacht Club」の収録曲に、SoundCroudで話題になった楽曲「girls」などを加えたインスト盤アルバム。
2rdアルバム HIKARI
これまでは全てセルフプロデュースだった楽曲を、2ndアルバム「HIKARI」はENDRUN、Aru-2、STUTSの三人のトラックメイカーが参加。ゲストには、FebbとKID FRESINO、5lack、仙人掌、YOUNG JUJU(KANDYTOWN)、鋼田テフロン、Emi Meyer、DJ SCRATCH NICE、SCARSからSTICKYと豪華なメンバーが揃い、かなりの反響を呼んだ。
JJJはバスでリリックを書くことが多く、そのバスに乗ってくる工業地帯で働く人たちや出稼ぎに来ている外国人を見て リリックが浮かぶことも多いそう。「HIKARI」に収録されている「PLACE TO GO」など、バスの情景が浮かぶようなリリックが多いのも頷ける。
鋼田テフロンとフューチャーリングした「BABE」は、JJJの言葉選びのセンスだけじゃなく、鋼田テフロンの聴き心地のいいフローがうまくマッチしている。
JJJが楽曲提供したアーティスト
JJJは幅広いアーティストに楽曲を提供している。KID FRESINOのアルバム『HORSEMAN'S SCHEME』では、ほぼ全てのトラックを手がけただけでなく、中島哲也監督作品 映画「渇き。」では、Fla$hBackSのJJJとして楽曲提供している。最近だと、「ラップスタア誕生!」でも、課題トラックとしてJJJのトラックが選ばれている。
C.O.S.A.とKID FRESINOがLabel、SUMMITからリリースした楽曲。PVにはC.O.S.A.とKID FRESINOだけではなくJJJも出演しています。
ラップスタア誕生で優勝した¥ellow Bucksが製作した楽曲でもJJJのトラックが使われています。
JUMANJIにJJJが楽曲提供して完成した楽曲「da world changes」
JJJのトラックがやばすぎると反響を呼んだ。
絶対にチェックするべきJJJオススメの楽曲
ここでは、絶対にチェックすべきJJJオススメの楽曲を紹介していく。
STUTS - Changes feat. JJJ
2人の天才トラックメイカーがコラボした楽曲。
全て罪に目を瞑る 北沢の街灯 俺から伸びた影を辿る 未だにベッドの上のあいつにも 時が来れば許す心と会いに行こう 寝床を移した そして今日YACHTを流した あの地に華のあるRhymeを送る
というJJJのリリックは、今は亡きFebb as Young Masonに送るメッセージとも受け取れる。JJJの仲間への深い愛が伝わる楽曲だ。
仙人掌 - Darlin’ feat. JJJ
仙人掌の2018年のアルバム“BOY MEETS WORLD”にも収録されている楽曲。
JJJと仙人掌のストレートなリリックが心に刺さる温かくクールな楽曲だ。
KID FRESINO - Turn.(who do) ft. jjj
「Turn」はKID FRESINOの2ndアルバム「Conq.u.er」に収録されている。この曲はKID FRESINOの知名度上昇にもつながった。
MIDNIGHT BLU feat. 仙人掌, Emi Meyer
JJJの2ndアルバム「HIKARI」にも収録されている楽曲。仙人掌の歌詞が本当に心にしみる。hookの部分はEmi Meyerが担当し、一度聞いたら忘れられないかなり印象に残るhookに仕上がっている。
いかがだっただろうか。多くのラッパーが音源をYouTubeなどで公開するがその中でもよく目にするJJJの文字。多くのラッパーに楽曲を提供するだけじゃなく、自らもがリリックを書きマイクを持ち歌う。これからもJJJは日本語ヒップホップ界を盛り上げてくれるだろう。