総勢24組のアーティストが集結し、ドリームアルバムとして話題を集めた前作から一年半。
名古屋を拠点に活動するヒップホップDJ/プロデューサーのDJ RYOWが3月24日に自身通算12作目となるアルバム「Still Dreamin’」をリリースした。
今作もDJ RYOWのもとに豪華アーティスト20組が集結し、ヒップホップに対する愛情と、未来への明るい期待を込めた作品を制作した。
今作は、DJ RYOWとの初コラボになるAIや、dodo、LEXらに加えAK-69、¥ELLOW BUCKS、般若ら総勢20組が参加。また、今回は先行シングルとして「TOKONA 2020 GT」や多数のサンプリング楽曲が収録されている。
「Still Dreamin’」アーティスト一覧
Hideyoshi, Kazuo, ジャパニーズマゲニーズ, 19Fresh, MuKuRo,
OZworld, ¥ELLOW BUCKS, SOCKS, TOKONA-X, PERSIA, KIRA, DABO,
Tina, E.R.I, VILLSHANA, dodo, LEX, AI, AK-69, 般若
Track List
1. INTRO
2. Hajimari feat. Hideyoshi
3. URUSAI feat. Kazuo
4. Break it down feat. ジャパニーズマゲニーズ & 19Fresh
5. One time 4 your MIND feat. MuKuRo
6. Asian Groove feat. OZworld
7. Money Dance feat. \ELLOW BUCKS
8. W.T.M.F.N? feat. \ELLOW BUCKS, SOCKS
(M.O.S.A.D. - What's Mother Fuckin' Name サンプリング)
9. TOKONA 2020 GT feat. TOKONA-X
(ILLMARIACHI - TOKONA 2000 GT サンプリング)
10. Not yet feat. SOCKS, PERSIA
11. Killin’ Me feat. KIRA, DABO & Tina
(Tina - I'll be there サンプリング)
12. FEVER feat. E.R.I, VILLSHANA
13. kill shit men feat. dodo
14. ARIGATO feat. LEX
15. NEVER CHANGE feat. AI, AK-69 & 般若
今回はこの豪華すぎるアルバムを通してDJ RYOW、そして収録曲に参加している他のアーティストの魅力をお届けしたいと思う。
2021.03.24💽💣🔥
12th Album
Still Dreamin' pic.twitter.com/SZyAVopKWq— DJ RYOW (@djryow) March 1, 2021
多くのラッパーを惹きつけるDJ RYOWというアーティスト
https://realsound.jp/2018/03/post-175160.html
名古屋を拠点に活動するヒップホップDJ/プロデューサーのDJ RYOW。
持ち前の選曲センスと、ミックススキルでこれまでに名古屋や東京などの国内以外にも、アジアや、北米など海外でもDJとして活躍して来た。
活動20周年を迎えた年には、故・TOKONA-Xをリスペクトしたタイトルがつけられた『NEW X CLASSIC』をリリースし、MIYACHI、唾奇などのラッパーとコラボして話題を集めた。
このアルバムに収録されている「all green feat. 唾奇」のレコーディングの際には、キャリア20年という大ベテランでありながらも、DJ RYOW自らが沖縄に足を運んだというエピソードもあり、キャリアを重ねてもなお、音楽、ヒップホップにかける熱い思いが感じられる。
アーティストとして真面目でストイックに、そして真摯に一人一人のラッパーに向き合うDJ RYOWの姿に多くのアーティストは魅了されている。
DJ RYOWがこれほどまでに多くのアーティストとのコラボを実現できるのは、こういう理由があるからではないだろうか。
「Still Dreamin’」収録曲の魅力に迫る
20組のアーティストが客演として参加する今作「Still Dreamin’」
その中には、次世代の日本語ヒップホップを担うことが期待される若手ラッパーから、ベテランラッパーまで様々だ。
ここでは、収録曲全ての紹介をすることはできないので、何曲かピックアップして紹介させてもらう。
DJ RYOW - Hajimari feat. Hideyoshi
INTROからスタートする今アルバム。INTROが終わると、アルバムの始まりを告げるファンファーレとして、Hideyoshiの「Hajimari」が流れてくる。
渋谷、栄でまたParty タイヤキ マグニチュード8
DJ RYOWが落とす針 流れる音楽でブチ上がり
Hajimari Hajimari 終わらないでずっと始まり
Hajimari Hajimari 楽しんでいる俺たちマジ
ダークな印象のトラックはHideyoshiの魅力を引き出すには十分すぎる。
Hideyoshiの巧みなフロウにトラックが絡みつく感じが最高に気持ちいい。
DJ RYOW - URUSAI feat. Kazuo
「TOKYO DRIFT FREESTYLE」のビデオ再生回数が10万回超えや、Eminemの「My Name Is」でビートジャックしたものがTikTokでバズるなど、2020年一気に注目を集めたバイリンガルラッパーKazuoが客演として参戦。
日本語と英語を駆使した切れ味抜群のリリックがカッコ良すぎる。
hook
このlifeまじ超いい 半端ない浜boy 鬼ごっこ with the police
Shut the fuck up if you don’t know me
I don’t care うるさい I don’t care うるさい
このMVの監督はKazuo自らが務め、Kazuoの特徴でもあるDOPEさが存分に引き出された作品となっている。
誰かの顔殴りたい気分
Whoever better not get their blood on my Nike shoes
Cause 絶対死ぬ Cause 絶対死ぬ
気づかずノックアウト床キス
英語と日本語を使って韻を踏み続けるKazuo。
フロウがあまりにも滑らかなので、途中から英語か日本語かどうかも分からなくなってしまうほど。音としてカッコよく聴き心地がいいだけでなく、リリックの意味まで通っていることからも、Kazuoの底知れないラップスキルがうかがえる。
DJ RYOW - Money Dance feat. ¥ELLOW BUCKS
DJ RYOWと¥ELLOW BUCKSの東海コンビの楽曲。
¥ELLOW BUCKSの日本人離れしたフロウは言うまでもなく、メッセージ性のある歌詞にも注目してもらいたい。
金の匂いばっか嗅ぎつけてんのに オレより収入はないのかね?
センスが無けりゃオレは身を引くほら 荷物まとめろよ3つ数える
Yeah 1 このエリア知っての通り激戦区
Yeah 2 賢い奴らは手を取りメイク
Yeah 3 親の手借りずにアイフル レイク
なんとかする奴らが制する Doubld down Double down
Bitch 玉の輿にどうだ?
ラッパーとして芯のブレない¥ELLOW BUCKS。ヒップホップドリームを叶えて、成功を掴み取った彼だからこそ書けるリリックが本当にカッコいい。
¥ELLOW BUCKSの凄さはそれだけではない。hookに入る前の部分などを聴いて貰えばわかると思うが、彼は曲全体の構成を考える能力に長けている。
和風系のビートと¥ELLOW BUCKSのスキルフルなラップが合わさったこの楽曲をぜひ多くの人に聴いてもらいたい。
RYOW × ILLMARIACHI - TOKONA 2020 GT
TOKONA-Xと刃頭による伝説的ユニット、ILLMARIACHIが1997年に発表した「TOKONA 2000 GT」をDJ RYOWがリメイクした楽曲「TOKONA 2020 GT」
2020年11月18日にリリースされ、ヘッズにTOKONA-Xの凄さを改めて気づかせるきっかけになった。日本語ヒップホップの重要人物で、レジェンドでもあるTOKONA-X。トウカイテイオーの意思を継ぐDJ RYOWによる「TOKONA 2020 GT」では、原曲のボーカルはそのままとなっている。
「TOKONA 2020 GT」のMVは、歌詞中に登場する地名や施設をTOKONA-Xの愛車としても知られるHUMMER H2で巡る映像となっており、エモーショナルな雰囲気を味わうことができる。
100mもありゃせんだろ若宮 納屋橋立ちんぼ相手にバカ見や
下り降って南は堀川沿い走らせては出ますは金山
暇持たせては行こまい鶴舞 キリキリマイだほでボヤつく悪態
癪に障るぜホントに女子大通りの女子はホテルも拒否しない
最新ビートと、90年代のフロウが合わさった斬新な楽曲。名古屋のclassicをぜひその耳で体感してもらいたい。
DJ RYOW - NEVER CHANGE feat. AI, AK-69 & 般若
AI、AK-69、般若。この3人が共演するとは。誰が想像しただろうか。
まず、始まりの時点で気が付くAIの歌唱力の高さ。そこに、大ベテランAK-69と般若のリリックが心に響く。
(AI)
誰に何言われたって itʼs ok もうこれ以上ハマれる人はいない
(AK-69)
あれはいつの日 花火みてぇに儚い 誰がバズって 誰が消えたって俺のスタイルはillmatic 明日例えくたばっても Never change 胸に訊きゃ解るに? オメェが愛した理由なら確実
(般若)
何かを捨てていつも歌う 違え、何も捨てずに俺は向かう
いやらしくも弱さをすぐ恨む思い深く今日巣立つ 数少ない好きな人
それは今の自分の武器かもよ 俺は弱い 俺は怖い 1秒前の自分は2度と来ない
多くの若いラッパーが増え、流行りのスタイルが目まぐるしく変わっていく時代の中で、昔からのベテランが「NEVER CHANGE」を歌う。
こんな最高なコラボが実現した時代に生きていることを本当に幸せに思う。
この曲が出来た時にALBUMにしようと思った曲。そして、昔からずっとこのシーンでサバイブしてるOG達だから出来た曲。俺はみんなとこの曲作れて嬉しいし、光栄です。感謝🙏🏾🙏🏾🙏🏾
(俺は毎度の如くMVは3秒以内)DJ RYOW / NEVER CHANGE feat. AI, AK-69 & 般若https://t.co/BaxZTMiysr pic.twitter.com/5ZnqV8LFLy
— DJ RYOW (@djryow) March 25, 2021
DJ RYOWの元に集ったアーティストの力作を聴き逃すな!!!
DJ RYOWの12枚目のニューアルバム「Still Dreamin’」
DJ RYOWだからこそ集めることができたこの豪華な20組のアーティスト。
参加した若い世代のラッパーが高いラップスキルを見せ、ベテランラッパーが「これが日本語ラップだ!」と言わんばかりの渋くてカッコいいラップを見せる。
このアルバムの完成度の高さに、ついトウカイテイオーの意思を継ぐDJ RYOWを中心に日本のHIPHOPがもっと世界中に広がっていくことを期待してしまう。
その期待が現実になるように、私たちリスナーはアーティストが生み出す渾身の力作を大事に聴いていくべきだと思う。