2020年3月1日、横浜アリーナで「BAD HOP WORLD 2020」を敢行し、無観客、YouTubeによる配信で注目を集めたBAD HOP。この生配信ライブを行ったことでの負債はなんと一億円を超える。
YZERRがライブ中のスピーチはとても印象的で、
「みんなはどうですか? 俺はこの国で本気でヒップホップを流行らせたい。1億円という額はデカイけど、自分が成し遂げたいことがあったら、お金は関係ない」
この台詞からはヒップホップに対する本気の愛が伝わり、ファンの心に突き刺さった。
そして、この日からもうすぐ一年が経とうとしている。
この一年間クラウドファンディングを行ったり、その支援を活用してTwitterでプレゼント企画を行ったりなど、精力的な活動を行ってきたBAD HOP。コロナウイルス拡大の影響を受けて、何度も延期が続いたが、ついに「BAD HOP THE REVENGE TOUR」の開催が決定した。緊急事態宣言が明けた2月下旬から、全国16箇所、17公演を行う3年ぶりの全国ツアーが決まったのだ。
BAD HOP THE REVENGE TOUR
3年振りのBAD HOP全国ツアー✈️東京 静岡 神奈川 岐阜 広島 福岡 石川 愛知 岡山 京都 秋田 青森 北海道 茨城 大阪 熊本
1月25日21時よりCD&マスク付きのチケットを専用サイトにて販売開始
枚数に限りがあるので早めにゲットしてください pic.twitter.com/kLNneZqPzY— T-Pablow (@TPablow) January 19, 2021
このツアーチケットに加え、BAD HOP WORLD DELUXE CD、オリジナルマスクがセットになったプランの他複数のプランが用意されている。これらは、1月25日21時より専用サイトで購入することができる。
BAD HOP WORLD DELUXE
BAD HOPが2020年3月にリリースした3rdアルバム「BAD HOP WORLD」のデラックスの販売がもうすでに決定している。今回のこのデラックス版は、様々なラッパーとBAD HOPが楽曲制作を行った初めての作品となっている。
現在でもまだ、全てのアーティストは公開されていない。
BAD HOP - Suicide Remix feat. Tiji Jojo, Hideyoshi & Jin Dogg
Tiji JojoとT-PABLOWが歌った"Suicide"のHideyoshi とJin DoggリミックスバージョンのミュージックビデオがYouTubeで公開された。
「Suicide」と言う題名からもわかるとおり、自殺と言うトピックを扱ったこの楽曲にHideyoshiとJin Doggが加わることで、エモーショナルさが増した作品となっている。日本では、近年自殺者が増加しており『自殺』は2019年の日本の死因7位。社会問題をうまく捉えたこの曲は、多くのヘッズの心に刺さった。
MVでは、病室のベットに花一輪と言う場面から始まり、病室を壁一枚隔てた廊下で、Tiji Jojohが切ない表情で歌っているのがとても印象的。都会の街で動く人や車の場面もあり、私たちが生きている何気ない日常の中で誰もが直面する悩みや不安をうまく描写している。
hook : Tiji Jojo
底がないほど 滑り落ちてく Suicide
誰にも理解できないと
あの子は向かう Suicide
心を殺して最後 引き金を引く Suicide
欲で忘れてく愛情
生きながら死ぬ Suicide 最後も1人
「誰にも理解できない」と1人で悩む姿をストレートに書いた歌詞。この歌詞は誰にも相談できずに悩んでいる多くの人の心に寄り添ってくれる歌詞になるかもしれない。
Verse 1: Tiji Jojo
銃口を向ける画面の向こうで 寄ってたかって誰か殺してる
妬みや僻みがお前の Best Friends
Tiji Jojoのverseの入りのこのフレーズは、SNS上の誹謗中傷をうまく社会風刺したリリック。
hook部分の「引き金を引く」だったり、verseの入りの「銃口を向ける画面の向こうで」など、Tiji Jojoは、表現方法が独特で引き込まれる。
Verse 2: Hideyoshi
複雑な人間関係 ボロクソに言われたって
SundayからMonday それなりに頑張ってる
ひたすら向いてる前
複雑な人間関係を目の当たりにしながらも、辛い毎日を前を向いて頑張って生きてる。とHideyoshiは切実に歌っている。
「辛いことがあっても、少しの楽しみを楽しみながら耐えていれば、時間の流れが痛みを癒してくれる」といった旨の発言をしている。
死んでしまった友達に送る葬い
verseの最後のこの部分は、SNS上で誹謗中傷を受けて自殺した女子プロレスラー木村花さんへのメッセージ。
木村花さんと交流のあったHideyoshiはTwitterでもこのようなツイートをしている。
MVでHideyoshiが手を合わせるシーンは悲しくて悔しいHideyoshiの気持ちが感じられる。
— (@lilhideyoshi) May 23, 2020
Verse 3: Jin Dogg
We tried so hard
お前何言ってもどうでもいい
We cried so hard
俺も友達も本気
verseの入りからJin Dogg独特のエモーションを噴出させている。
生きていく中で感じる重圧や、のしかかる責任からくるプレッシャー。Jin Doggのリリックは多くの人の感情を揺さぶる。
「生きろ」と言うわけでもなく「死ぬな」と言うわけでもない、「俺も友達も本気」というリリックがまたJin Doggの良さが最大限に出ている。
Tiji Jojo、Hideyoshi、 Jin Doggとそれぞれの個性が出たverse。verse間で繰り返されるhook部分によって3人のverse中のメッセージがリスナーの心により鋭く刺さる構成になっている。
この曲は2021年1月現在の時点でYouTube再生回数200万回再生を突破した。
BAD HOP - No Melody feat. Benjazzy, Leon Fanourakis, Hezron & T-Pablow
2021年1月18日にYouTubeに配信された「No Melody feat. Benjazzy, Leon Fanourakis, Hezron & T-Pablow」
BAD HOPとLeon Fanourakis、Hezronとのファンも驚きのコラボが実現した一曲。
hook : Benjazzy
鳴り響いてるTrackの上に 乗せてまた俺らの刻まれてくDNA
楽器すら弾けない でもRockstarのように奏でる 100億単位の夢
諦めずに無観客ライブを成功したBAD HOPだからこそ言える。このかっこいいパンチライン。
速いリズムキープを淡々とこなしながら、難なく固く韻を踏んでるところもBAD HOPのスキルの高さ。
Verse 1: Leon Fanourakis
Know what I saying 一回きりどうせ
まじ正に限りあるこの人生だし かなり華麗にやること証明
韻が硬すぎる。最後の4小説一気に畳み掛けるLeon Fanourakisのラップが本当に上手い。
さらに、上手いだけでなくメッセージ性も感じられるかなりレベルの高いラップが再現されている。
Verse 2: Hezron
RAWで巻き吸い込む レベル上げてまたHighな世界線で競い合うGame
Hezronのverseもかなりすごい。スキルでぶん殴られてるかのような衝撃。
「RAW」と「LOW」をかけて、そこから「Highな世界線」と繋ぐ完璧なリリック。
Verse 3: T-Pablow
マジ レベル低過ぎる それが日本のラップ オートチューン
どうのこう言ってる ヤツらよりも俺のラップが 上手いのなんでだ
USのようなフロウなのに全部聞き取れてしまうという進化の止まる気配のないT-Pablowの圧倒的スキル。硬く踏むだけじゃ飽き足らず、三連符のフロウをしたりと、T-Pablowのスキルは本当に底知れない。こんなに上手いラップで日本のラップがレベル低すぎる。と示唆されたら誰も口出せないだろう。
このリリックとスキルだけで、オートチューンに対して文句を言ってくるアンチたちを黙らせた。
2月27日、東京からスタートする3年振りとなるBAD HOP全国ツアー。
コロナウイルス次第では、また延期になる可能性もあるかも知れないが、BAD HOPの不屈の精神で何があっても必ず成功させてくれるだろう。多くの障壁を物ともせず、BAD HOPは自分たちの夢のために走り続ける。