フリースタイルダンジョン FORK「韻を踏むためにラップすんじゃねぇ 言いてぇ事をラップして踏むんだよ」

MC battle

フリースタイルダンジョン シーズン4 Rec2-4。

チャレンジャーは前回に引き続きSURRY。
KOK2016でモンスターACEに接戦の末、敗北を喫したが、フリースタイルダンジョンでリベンジを果たした。
前回までは本来SURRYが持つ、アツいバイブスエンジンがまだ完全にかかりきっていないようだった。

 

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フリースタイルダンジョン ACE vs SURRY「a.k.a.山下の切る 生命線」

ACEの次に立ちはだかるモンスターは裂固、そしてFORK(ICE BAHN)。
SURRYは2代目モンスターの分厚い壁をさらに突破できるのか?

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裂固 vs SURRY

1st.ラウンドは先攻SURRY、後攻裂固。
ガチガチに固いライム巧者同士のバトル。

 

SURRY「お前調子悪そうだな まず大阪から岐阜からこの東京もろ即興 この土俵 汚れる事は許されない このクズな世界から勝ち上がんだ マジなアンサー ファイナルアンサー お前裂固今日何があった? その調子悪そうなもんなら文句ない ドープライン 分かる 俺はどんぶらり」

 

裂固「どんぶらり All night バッチリ文句ない言葉でお使い ガキ扱いしていく裂固 バッチリ Touch the sky つまりはバッテリー まだ切れてねぇだろ 感激させてく裂固は超完璧 お前はもうマンネリ やっぱり どうだっていいわ」

 

スタートから両者韻を量産し、ライム勝負の火蓋が落とされた。
互いにライムの手数も固さも互角のファーストタッチ。

 

SURRY「この超完璧 どうだっていい 分かる このSURRYの斬撃 バッと切る ちゃんとスキル出さねぇと困んだ コマンドABAB全員一致にさす ABCDEFG 分かる 水も滴るいいMC 俺の事だぜ 言葉でももろヤベェ そこら辺のラッパーと一緒にすんな 韻も噴火」

 

裂固「いいMC言ってるけど そうやっぱりPSGみたいなスタイルで 全然お前の知ってるぜ 親切み やっぱ人間味のある俺の方がいい 現地で演じて切るエンジン バッチリ見せてく岐阜県民 こいつの扱いはまるで肉便器」

 

裂固の超完璧を拾って自分のライムに繋げるSURRY。
「どうだっていい 分かる/斬撃 バッと切る」とクールに、そして「EFG/いいMC」と流れるようで耳が心地よい。

対する裂固もSURRYの「いいMC」を拾い「PSG」とアルファベットでオシャレに踏み返す。
「切るエンジン・岐阜県民・肉便器」のライムもパンチのある一発。
(肉便器コンプラかかんなかったなぁ。)

 

SURRY「肉便器の岐阜県民 和歌山県民はまだまだ元気 新たな先人 たかだかしてるし Touch the sky こんなガキがうざいから俺が言う 声出す これは食う吐く食う十中八九 俺の言う事は全部当たる百発百中 Wack MCはなんかムカつく」

 

裂固「百発百中 だけど俺の韻の効果は抜群 マジでありのまま 隠すことなくバッチリ決める 俺がプロ根性 あんたは愚の骨頂 バッチリ見せるぜプロモーション いつも通りの質の超いい密度濃い 格好良い押韻をバッチリ聴くといい」

 

本当に見れば見るほど両者韻が固い。
SURRY「岐阜県民→和歌山県民・まだまだ元気・新たな先人/Touch the sky・ガキがうざい」
「十中八九」から数字の四字熟語で「百発百中」→「なんかムカつく」で落とす。

 

結果、3:2でチャレンジャーSURRYの勝利。

両者最後まで気持ちいいライムを落としあい、バイブスも高めでかなりの好試合。
「相手が投げたライムで自分のラインに繋げ新しいライムで落とす」この繰り返しでバトルだけれどもキャッチボールをしているような感覚だ。
SURRYのワードセンスと脈略でライムの質が裂固よりも少し頭を出した結果。

裂固 vs SURRY(2nd.ラウンド)

続いて2nd.ラウンド。
先攻裂固、後攻SURRY

 

裂固「地域密着型ってさっき言ってたな そう 俺だってそう ローカル背負う覚悟は持ってんぜ 俺は好青年 超健全 そう常に一生懸命 バッチリ通せる筋 お前に勝つのは序の口 そうだ ゴロツキではなく 裂固生粋の音好き」

 

SURRY「このガキの一生懸命 たかがザコ 切りカス程度 必勝宣言 いつもぜってぇ HIPHOP宣伝するよりもアングラ 地の根深い所から上手い事も言う 掴み所がないラップカマす 今日も熱くなる S.U.R.R.Y もっとガッツリでナチュラルハイ」

 

裂固「好青年・超健全・一生懸命/ゴロツキ(ではなく)・音好き」と自分らしさを表現しライムをスピット。
SURRYも持ち前のバイブスを表現するよう「今日も熱くなる S.U.R.R.Y もっとガッツリでナチュラルハイ」と裂固にアンサー。

 

裂固「ナチュラルハイ 拡大していく勢力 その程度 なんて言っちまうくらい その甘さはまるでチョコレートみてぇなもんか裂固の韻を聴いときゃいいぜ 勢揃いしてる色んなヤベェヤツ その中 別格なステータスを見せてくぜ」

 

SURRY「チョコレート チョコレートは明治 もっとストレートなイメージをしてくれないと困んだね 所詮ザコMCはコバンザメ 4番打者 ど真ん中 好きなおっぱいは巨乳じゃなくおわん型 そこを分からせる やわなチビ こうやって和歌山からまた狩りに」

 

SURRYは裂固が放った「チョコレート」から明治チョコレートのCMソングをサンプリングし、「明治・イメージ/困んだね・コバンザメ/4番打者・ど真ん中・おわん型」と4文字以上の韻を散らばせながら、2文字以上を間に散りばめる。

 

裂固「また狩りに 俺達仮にここで負けたとしても次ある なんてなく俺繰り出すラッパー 俺の方に追い風も吹き出す バッチリ魅せる どんな時でも 俺は絶対に切らさぬモーション 想像の変化 バッチリ魅せる本物のプレイヤー」

 

SURRY「俺が相手じゃない 追い風なら向かい風 つまみ出せ 歌い出せ Flyしてくこの空 言葉を出して 今日も本当か 損得の場 今日も動かすこの脳 イメトレ とりあえず綺麗に死んどけ ピンボケさす 頭の中に 分かる 和歌山の神がかり」

 

結果、クリティカルでチャレンジャーSURRYの勝利。
1バース目は互角だったが、2バース目以降、ライム対決で裂固は韻に執着しすぎ内容が少し薄く、強めのパンチもなかった印象。
対するSURRYは明治チョコCM、おっぱいなど、韻を踏みながらもウェットに富んだラインをスピット。
ライム対決は裂固よりも経験が豊富なSURRYに軍配が上がった。

FORK vs SURRY

続いて、2nd.ステージはモンスターFORK。
ライムルーキー裂固の次はライムキングが登場いたしやした。

FORK登場のときのSURRYのマイク素振りが「FORKを打つ」ってことだな!と勝手に解釈した私がいます。内角低めです。

SURRYにとってFORKはレジェンドな存在。
UZIの先攻か後攻かの問いにも食い気味に「先攻で!」と気合十分。

 

SURRY「あんたの冬を越えたPVを見て 俺はこのステージに立つまで約10何年? とりあえずスーパー上手ぇ スーパープレイ でも今の時点じゃあんたよりもしかして俺の方が数段上? それぐらい突入 墨汁で書く紀伊国(紀乃國) 所詮FORKのラップなどこの辺じゃみこすりで終わっちまう 地獄送り 火の車 とりあえずお前が地獄へ急ぐ番」

 

FORK「みこすり?じゃねぇよ 俺がラップすればここは火の海だ 火曜の夜は俺のラップ聴いてシコる日だ 分かるか? 火曜の夜は俺が眠らせない お前は帰れ手ぶらでな お前が貰えんのは交通費だけ お前が悪いわけじゃねぇ お前にとってそういう日だぜ 間違いねぇ 俺が守るモンスター 姓をICE BAHN 名前はFORKだ」

 

SURRY「「あんたの冬を越えたPVを見て 俺はこのステージに立つまで約10何年? とりあえずスーパー上手ぇ スーパープレイ」とICE BAHNの越冬でリスペクトをバチバチに込めスピット。

(出典:越冬 / ICE BAHN [Track by TWIN-B])
もう約14年も経つんですね。

アンタの時代は終わってんだよばりに「所詮FORKのラップなどこの辺じゃみこすりで終わっちまう」とDis。
紀乃國はSURRYがリーダーのレペゼンg.b cityのHIPHOPクルー。

FORK「みこすり?じゃねぇよ 俺がラップすればここは火の海だ」とまだまだバリバリ群雄割拠の中でいるとアンサー。
の海」→「曜の夜(フリースタイルダンジョンの放送時間)」で繋げ、深夜帯でも起きて見る価値のあるスキルをまだまだ持ってると吐く。
「俺が守るモンスター 姓をICE BAHN 名前はFORKだ」これテンプレだけど貫禄ありすぎて何度見てもかっけぇ。

 

SURRY「姓はICE BAHN こうやって出す 俺の言葉 このMic one そっから上げてく和歌山の誇り とりあえずまたまたあなたを山登りしに来たんだ 機会がある これは一度目 右の目 左の目 今見とけ 誓いの手 交わす これは約束のもん 見せつける言葉 まず勝利を獲得しよう」

 

FORK「俺が言うのもなんだがな 韻を踏むためにラップすんじゃねぇ 言いてぇ事をラップして踏むんだよ 何個踏めるか 俺も昔はやってた だが今だから言える それは間違ってた 例えばマイクとライブで韻踏んだって あいつはやっぱカッケェなと思わせるタイプのライムだ 分かるか やり方が違ぇんだ 俺はそういうとこで見てんだよ」

 

名言出ましたね。
「韻を踏むためにラップすんじゃねぇ 言いてぇ事をラップして踏むんだよ」
ここ含め、2バース目すべてが名言。
そして、FORKだから言える言葉。韻に執着し文脈が乱れるすべてのMCに刺さってしまうようなフレーズだ。

 

SURRY「あんたRHYME主義なんだろ? じゃあそこを間違ってたって否定するあんたなんか俺は見たかねぇんだよ 未だ現場 力出んだ だってあんたのラップがあるからな まずこっから勝つパターン かつ 喝 喝 助け舟なんかいらねぇ お前よりもヤバいライムを集めるぜ そこにあんだ 今年なんか誇りアンサー ICE BAHNか? 聴いてくれ俺のライムアンサー」

 

FORK「RHYME主義だよ 要は使い方 量で誤魔化さねぇ その味が美味いかだ テメェの腹を満たすだけの為に ドカ食いしてる小僧と一緒にすんじゃねぇ 分かるか?これがRHYME主義だ 一本道通ってきてる 常に通すのは筋だ 分かるか? 先人の言葉を聴きながら俺はこの場に立ってる 俺の場所だ ここは」

 

SURRY、FORKの先ほどのバースの「何個踏めるか 俺も昔はやってた~それは間違ってた」を拾い「間違ってたって否定するあんたなんか俺は見たかねぇんだよ」とDisるも〈経験重ねて洗練された結果、今がある〉というFORKにとっては少し弱い。
FORKへのリスペクト要所要所に入る。

FORK「RHYME主義だよ 要は使い方 量で誤魔化さねぇ その味が美味いかだ テメェの腹を満たすだけの為に ドカ食いしてる小僧と一緒にすんじゃねぇ」
またもや名言でました!
FORKの場合、パンチラインというよりも名言とか格言という方がふさわしく思う著者なわけです。

以前、チーム「パンチラインフェチズ」で隠れモンスターとしてNAIKA MCと戦った時の「韻というのは韻と韻の間を埋める言葉への愛だ」というフレーズも同じ類でした。
審査結果のコメントでいとうせいこうが「額に入れて飾りたい」みたいなことを言っていましたが、その通りですね。

 

結果、クリティカルでモンスターFORKの勝利。
SURRYもかなり強かったのですが、FORKがライム・パンチライン(名言)・貫禄ですべてを飲み込んだ結果に思えました。
SURRYのライム、バイブスのスキルに加え、最後までFORKにリスペクトがこもっているのが伝わり、男らしかったですね。

 

そうそう、この二人、STUDIO韻シストで共演していましたね。
SURRYが冒頭でFORKのことを「MY レジェンド」と言っていたので心の底からリスペクトしているんでしょうね。

(出典:STUDIO韻シスト #4(FORK&SURRY))

 

最後の呂布カルマの「元々まともに踏まないけどFORKさんの試合を見ていると韻踏むのが恥ずかしくなる。元々それで俺はライムするのやめたので改めてFORKさんを見て違う山を登らないと話にならない。」というコメントも印象的で有言実行できてるところがまたかっこよかったですね。

次回のRecからは3ターン→2ターンになるとのことです。
Rec3は誰がチャレンジャーとしてくるんでしょうね。楽しみっす。

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