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フリースタイルダンジョン FORK vs 裸武「人生は何度だってひっくり返るオセロ」

投稿日:2017年9月7日 更新日:

フリースタイルダンジョン シーズン4 Rec2-2。

最初のチャレンジャーはDisらないスタイル"愛深きラッパー"裸武。
埼玉レペゼン、キャリア10年以上のベテランMC。

戦極MCバトルの前身となる戦慄MCバトルで2010年ごろに活躍、2011年には崇勲を抑えUMB埼玉予選を制覇。
実力は折り紙つきだ。

初戦、対するモンスターは若手ルーキー裂固。
裸武はモンスターをどのように圧倒するのか、ある意味モンスター全員に対してスタイルウォーズ。
裸武のチャレンジにフォーカスをあてる。

【裸武 バトル参考動画】

(出典:【第二回 常陸杯MCバトル】裸武 vs GIL)

裂固 vs 裸武

1st.ラウンド、先攻裂固、後攻裸武。

裂固「ディスらないスタンスは別にいいけど LoveとかPeaceとか 本当 女々しいんだよ」裸武のスタイルに対し先制パンチ。

「やめてくれ 裸の武士 バカは無視 そう 俺の韻は型破り お前がどんだけやったって 俺はバッチリとこの場所で葬る そう この場で成仏 そう 俺はもう スタンス的に馴れ合いは御免こうむる」
「裸の武士・バカは無視・型破り/葬る・成仏・こうむる」固い韻でかためて「武士→御免こうむる」のワードチョイスも完璧。

 

裸武「LoveにPeaceはダメか 俺は人間として そういう所をレペゼンしている 人間にあるもの 奥深くにあるもの そういう所 俺達はやっていかなきゃいけないぜ 型破り だけど お前のそのスタイルも肩透かし 俺がスカしてやる? いやいや ちゃんと受け止める 愛がるからな もっと ど真ん中を打ち込まなきゃ 俺の城は崩れねぇからよ」

 

裂固「人間味 なんてもんは いつからでも見せられる ここは戦場 バッチリディスらねぇと この先そう 俺に勝とうだなんて甘かねんだよ 残念」

 

Disをしっかり受け止め、愛深く人間本来持つべき慈愛の精神を哲学的にアンサーする裸武。
対する裂固も姿勢を崩さず、カタチとか言葉だけの人間味なんてものはすぐに作れる、バトルの現場はLoveとかPeaceで勝てるほど甘くないと真っ向からアンサー。

 

裸武「韻は数じゃねぇ 場数じゃねぇ ばかすか踏んでるヤツより お前のメッセージは よっぽどマシだぜ ちゃんと俺には届いてるから もっとお前っていう人間を俺は聞きたいんだ 確かにここは喧嘩の現場だ だけど そういうヤツが増えすぎた つまんねぇディスり合いじゃねんだよ やっぱ人間ラッパーそういうのがにじみ出なきゃダメなんだよ」

裂固のライムを認めつつ、自身の価値観で吐く。
「もっとお前っていう人間を俺は聞きたいんだ」≒「魂の対話しようか」よろしく対話に持ち込もうとする裸武。
1対1のバトルだからこそ相手を落とすDis、点数稼ぎの内容のないパズル感覚のライム、それよりも1対1のバトルだからこそ人間味のある対話だろ?と裸武スタイルをプッシュ。

 

 

裂固「喧嘩の現場だ だけど俺のスタイルはそう 積み上げた日々の結果だ 分かるだろ そう魂 核心を突いてく お前は まるでアスリートみたいなスタイルか もしくは そう この場所で俺に負けて下がる一方 バッチリ核心を突いて 作品も作りながら この場所 おっさんに渡す引導」

 

裸武「Not アスリート こちとらレペゼン埼玉のストリート いつでも一歩リード DJ CELORYがかけるビートでヒートアップしてくぜ ビートたけしばりに頭の回転 回していくぜ 言葉の祭典 いやいや この後 再現 出来るかな だけど この後 握手でマイメン」

 

スタイルウォーズが繰り広げ続けられる中、裂固のスタンスでの「バトルとは論」をぶつける。
バトルは喧嘩の現場、そう思って俺が今まで積み上げたスキルはこれだと言わんばかりのバースをスピット。
「アスリートみたいなスタイル」と精神論野郎と揶揄する。

裸武も裂固の韻に対抗し「アスリート・ストリート・リード・ビート・ヒート(アップ)/回転・祭典・再現・マイメン」と3文字4文字の韻でケツを固めてくる。
「だけどこの後握手でマイメン」ここはこのバトルならではのパンチラインですね。

結果、クリティカルでチャレンジャー裸武の勝利。

終始、烈固のパンチをしっかり受け止め、ブレないスタイルで返した裸武。
まるで裸武がモンスターで若手を迎え撃つかのようなバトルだった。
ひとつ気になったのが裂固の言葉のつなぎ目に「そう」と置くのが耳につく感じ。

経験があるからこそ裸武のバトルの巧さとスタンスに対し、裂固にとってやりにくさが見えたような1st.ステージ。

FORK vs 裸武

続いて、2nd.ステージ、1st.ラウンド。
モンスターはFORK。

先攻FORK、後攻裸武。

FORK「お前が裂固に勝ったのは まぐれだ 裏で見てて思った お前は期待外れだ 客の顔 見ればよく分かるよ 客は お前のバトル これ以上 見たいはずねぇんだよ お前の相手してる暇なんかねぇ
お前に未来はあるが 今じゃねぇ 俺は今までのやり方を変えずに これからを作ってく 撮れ高は保証する 俺から目を逸らすなよ」

 

裸武「別に客に期待なんかしてねぇ 俺は自分自身をただぶつけに来ただけ チャンスを掴みとるだけ それが このマイクっていうだけの話 F.O.R.K 憧れたぜ 2006年 UMB 31 今 31 20歳の頃の俺が憧れた姿が目の前にあるんだ」

 

FORKのファーストバイトは裸武をDisりつつ場の雰囲気作りからスタート。
その中にも精密機械のように小節のケツに「まぐれだ・外れだ/分かるよ・ねぇんだよ/なんかねぇ・今じゃねぇ/作ってく・保証する・逸らす」と落とされる韻。

これに加え「未来・今まで・これから」とタイムゾーン踏み。さすが。

対する裸武は憧れのFORKとのバトルにリスペクトを込めつつ、自身をリスペクトする相手に真正面からぶつかっていく姿勢をスピット。

 

FORK「チャンスを掴む? だったらその気持ちをビートに乗せろ 人生は何度だってひっくり返るオセロ 白黒つけてやるぜ 白帯と黒帯 お前が背伸びしたって届かねぇように ライムを装備してくぜ お前の必死すぎる姿は まるで動物の交尾だよ 人間の大人はな 雰囲気作りから始めて ゆっくり穴の奥に挿入するんだよ

 

裸武「相変わらず即興 韻も内容も上手いね そういう所は認めてる だけどモンスターだから仕留めてく 俺がここで広げてる 自分なりの地図を 一途に追いかけ続けた結果 こういう俺たちはステップアップできるチャンスを やっと掴んだんだ 地団駄 踏んだって構わねぇ 自分自身をただぶつけるマイクが ここにあるから 俺は叫ぶぜ」

 

文字起こししなくても惚れ惚れするラインと韻。
「チャンスを掴む? だったらその気持ちをビートに乗せろ 人生は何度だってひっくり返るオセロ」と格言的に頭を押さえ「お前の必死すぎる姿は まるで動物の交尾だよ 人間の大人はな 雰囲気作りから始めて ゆっくり穴の奥に挿入するんだよ」バイブス高めにリスペクトを込めつつアツくかます裸武をあざ笑うかのように動物の交尾と揶揄し、1バースでいなす。

裸武はそれでも自身のスタンスを崩さず、まさに「一途に」FORKにぶつける。
FORKのスキルを認め、自身の歴史を旅のように例えるラインがかっこいい。

 

FORK「お前 なんだそれ? これは おしゃべりじゃねぇ HIPHOP だ Freshなライムを届ける為に ラップして包むんだろ 違うか? このライムが お前へのお土産だ 持って帰れ 何度だって聞いて帰れ We are ICE BAHN RHYME至上主義 お前じゃ絶対無理 最初っから緊張しすぎてカミカミなんだよ」

 

裸武「カミカミ ウォーミングアップみたいなラップ アップアップじゃなくてバックパックって言ってたアンタの目の前 俺はやっていくぜ 自分なりに お土産か知らないけど 扉をこじ開けた ここで俺は たどり着いた あと一つっていうとこさ FORK やっぱヤバい 頂きは高ぇか 分かりゃしねぇ まだ走り始めたとこだぜ 言葉でアンタを追い詰めるぜ 地獄の底まで」

 

ラストバースFORK「オセロ」「動物の交尾」よりも美しいパンチラインだった「Freshなライムを届ける為に ラップして包むんだろ」。
さすがというか、毎回FORKのラインには鳥肌が立つ。
2バース目でほぼ勝ち確したところに追撃のフレッシュライム。

裸武も最後には負けを認めたような「FORK やっぱヤバい 頂きは高ぇか」というフレーズには漢気を感じた。
さすがは愛深きラッパー、最後まで相手を認める筋を通し切るところが最高だ。

 

結果、クリティカルでモンスターFORKの勝利。

「圧倒的」という言葉がふさわしかったバトルではなかったかなと。
FORKがアツさを冷静さでいなし、裸武の良さを上回って打ち消すのが垣間見えた一戦。

裸武もいとうせいこうさんのコメントのように「自分の哲学を言いながら人を乗せられる力がある」。
バトルスタイルを貫徹する裸武のDisらない、リスペクトしながら対話を重視するスタイルは貴重で魅力的。
今後、罵倒2012の輪入道 vs TKda黒ぶちのような名バトルのトリガーになるラッパーだろう。
バトルシーンでまた見れることを期待。

 

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